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看護師の配置基準とは。7対1・10対1と医療法の標準の違い

更新 2026年10月23日読むのに約6分

求人票で見かける「7対1」「10対1」は、診療報酬の区分の通称で、医療法の標準とは別のものです。この記事では、2026年度の改定の資料と施行規則をもとに、2つを分けて整理します。

同じような数字なのに、基準が二つもあるんだね。

別々のメモに書いて、ひとつずつ見ていこう。

「7対1」「10対1」は、入院基本料の区分の通称

「7対1」「10対1」は、診療報酬(入院基本料)で、看護職員をどのくらい置くかという区分を指す通称です。令和8(2026)年度の診療報酬改定の資料(厚生労働省 保険局医療課)では、急性期の入院料について、次のように示されています。

  • 急性期病院A一般入院料と、急性期一般入院料1〜3:7対1以上(7割以上が看護師)
  • 急性期病院B一般入院料と、急性期一般入院料4〜6:10対1以上(7割以上が看護師)

2026年度の改定では、病院の機能に着目した「急性期病院一般入院基本料」(AとB)が新しくできました。従来の「急性期一般入院料1〜6」は残っています。2025年までの解説には、7対1を急性期一般入院料1の通称として説明しているものがあります。これは改定の前の整理なので、年を確かめて読みます。

求人票には、「急性期一般入院料1(7対1)」「10対1」「看護配置7:1」など、書き方がそろっていない形で載ります。表の書き方が違っても、見るのは、入院料の名前と、「何対1以上か」の2つです。「看護体制」の欄が、配置の区分を指すのか、勤務のしくみを指すのかは、欄の書き方によって違うので、聞いて確かめます。

「7対1」は、病棟の入院患者さん7人ごとに、看護職員が1人以上、常に勤務しているという意味です。施設基準の告示は「1日に看護を行う看護職員の数は、常時、入院患者の数が7又はその端数を増すごとに1以上」という書き方をしています。ここでの患者数は、病棟の1日平均入院患者数を使います。夜勤の時間帯にずっと7人に1人がいる、という意味ではない点が、誤解されやすいところです。

求人票の「7対1」を読む順番
  1. 入院料の名前急性期一般入院料1〜6など
  2. 配置の区分7対1以上・10対1以上
  3. 看護師の割合7割以上が看護師
  4. 夜勤の基準月平均72時間以下

数字だけでなく、区分の名前も見てみよう。

7対1の数え方と、夜勤の72時間の基準

実際の数え方は、厚生労働省の通知(令和8年3月5日 保医発0305第7号「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」、令和8年6月1日から適用)の届出様式に示されています。1日に必要な看護職員の数は、「1日平均入院患者数÷配置区分の数×3」で出します。3を掛けるのは、24時間を8時間の勤務3つ分として数えるためです。

  • 例:1日平均入院患者数が42人の7対1の病棟なら、42÷7×3=18。1日に延べ18人分(8時間換算)の看護職員が要る
  • 実績は、看護職員の月の延べ勤務時間数を「日数×8」で割った、月平均1日当たりの配置数で確かめる
  • 18人分を、日勤と夜勤にどう割り振るかは決まっていない。病棟全体で満たしていれば、24時間の範囲で勤務帯ごとに傾けて配置できる
  • 各勤務帯で、1人の看護要員が実際に受け持っている入院患者の数を、病棟内に掲示することになっている

つまり、日勤に多く、夜勤に少なく置くのが普通で、夜勤帯の受け持ちは7人よりずっと多くなります。病棟に掲示されている「この勤務帯の受け持ち人数」を見学で見ると、実感に近い数字が分かります。

夜勤には、別の基準があります。同じ通知では、看護職員の月平均夜勤時間数は72時間以下とされています。これは、同じ入院基本料を算定する病棟全体の延べ夜勤時間数を、夜勤に従事した実人員数で割って計算します。病棟ごとに72時間以下である必要はなく、夜勤専従者は実人員数にも延べ時間数にも含めません。療養病棟入院基本料を算定する病棟の看護職員は、この72時間の要件の対象外です。月平均なので、自分1人の夜勤時間が72時間を超える月があっても、それだけで基準違反とは限りません。

医療法の標準は、別の基準

医療法施行規則19条2項には、病院に置くべき看護師・准看護師の員数の標準があります。都道府県が条例を定める際に従うべき基準です。2026年10月時点の現行条文では、次のとおりです。

  • 一般病床・感染症病床:入院患者数(新生児を含む)を3で割った数
  • 療養病床・精神病床・結核病床:入院患者数を4で割った数
  • 上の数を合計し、外来患者30人(端数を含む)ごとに1を加える
  • 療養病床の看護補助者は、入院患者4人(端数を含む)ごとに1

上の計算では、外来患者さんの数も員数に加わります。外来が多い病院では、入院患者さんの数が同じでも、標準の員数は大きくなる計算です。病棟だけの人数の話ではない点も、診療報酬の区分との違いです。

ここでの入院患者数は、前年度の平均値で数えます(新しく開設・再開する場合は推定数)。つまり、医療法の標準は「患者さん3人に看護師・准看護師が1人」のように、割り算の形で決まっています。一方、7対1・10対1は、診療報酬の入院料の区分で、別の仕組みです。名前が似ていても、根拠が違います。

二つの基準を並べると
比べる点医療法の標準診療報酬の区分
決めているもの病院に置くべき看護師・准看護師の員数の標準入院基本料の区分ごとの看護職員の配置
呼び方の例3対1の形の割り算(一般病床)7対1以上・10対1以上
看護師の割合看護師・准看護師の合計で数える7割以上が看護師
数え方入院患者数は前年度の平均値施設基準の通知で確かめる
確かめる先医療法施行規則 第19条診療報酬の資料・応募先の看護部

2026年10月時点。点数・件数の基準は、年度の改定で変わるので、応募時に確かめる。

表のまま、メモに写して使えるよ。

混ぜて覚えると、「3と7では、どちらが手厚いか」といった比べ方をしてしまいます。算出のしかたが違うので、数字だけ並べて比べるのは避けます。

ふたつの基準を、ちゃんと分けて見られたね。

働き方に、どうつながるかを確かめる

配置の区分は、働き方に関わる一つの手がかりです。ただ、区分だけで、1日の忙しさや夜勤の回数が決まるわけではありません。確かめるときは、区分のあとに、次の質問を重ねます。

  • 夜勤の人数と回数:施設基準では、多くの入院料で夜勤の看護職員は2人以上(療養病棟は1人以上)です。実際の人数と、1人あたりの月の夜勤回数は、応募先の看護部に聞きます
  • 看護師と、准看護師・看護補助者の組み合わせ:7割以上が看護師という基準の中で、病棟がどう組まれているか
  • 多職種との分担:2026年度改定では、10対1の病棟に、看護職員を含む多職種を25対1で配置する場合の「看護・多職種協働加算」が新設されました。どの職種が何を担うかは、応募先に聞いて確かめます
  • 病棟の患者像:配置の区分が同じでも、患者さんの状態や病棟の機能で、仕事の中身は変わります

看護・多職種協働加算のように、制度の名前に「多職種」と入っていても、病棟で実際にどの職種が何人入っているかは、病院ごとに違います。看護師が行う業務のうち、何をほかの職種と分けているのかを、面接で具体的に聞くのが近道です。

夜勤の回数や休息の物差しは、夜勤の回数を数字で伝える方法にまとめました。7対1の病院だから回数が多い・少ない、とは言えないため、数字で聞いて確かめます。

求人票・面接で聞く質問を作る

見落としやすい点と、窓口

数字や基準は、年度の改定で変わります。2026年度改定の資料には、一部の基準に経過措置が設けられているという記載もあります。古い記事の説明は、年を確かめて読みます。

急性期病院Aには、救急搬送件数が年間2,000件以上、かつ全身麻酔の手術が年間1,200件以上などの実績が、届出に必要な基準の一つとして示されています。新設の急性期病院Aでは、配置の区分に加えて、こうした実績の基準が別に示されているということです。病院ごとの届出の状況は、応募先に確かめます。

急性期以外の病棟も、配置の区分で見られます。施設基準の告示では、地域包括ケア病棟は13対1以上(7割以上が看護師)、療養病棟は20対1以上(2割以上が看護師)で、療養病棟には看護補助者の20対1の配置も求められています。回復期リハビリテーション病棟は、入院料の段階によって区分が違うため、求人票の入院料の番号を見て、応募先に配置を聞きます。

急性期と慢性期の違いは急性期と慢性期に、病院の種類の見分け方は病院の種類にあります。次に読むなら、大学病院の看護師が続きです。

基準の名前が分かるだけで、求人票の見え方が変わるよ。

気になる数字は、メモに書いてから、聞いてみようね。

よくある質問

7対1と10対1は、どちらが働きやすいですか?

区分だけでは決められません。夜勤の人数や回数、病棟の患者さん、多職種の分担などで変わります。区分の次に、夜勤と病棟の中身を聞いて、自分の優先順位と照らしてください。

医療法の「3対1」と、診療報酬の「7対1」は同じ基準ですか?

別の基準です。医療法施行規則の標準は、病院に置くべき看護師・准看護師の員数の標準で、入院患者数を3や4で割る形で決まります。7対1・10対1は、診療報酬の入院基本料の区分です。

混合病棟とは、どんな病棟ですか?

法令や施設基準の用語ではなく、内科と外科など、複数の診療科の患者さんが同じ病棟に入院している状態を指す呼び方です。配置の区分は病棟単位なので、混合病棟でも7対1や10対1は同じ数え方です。見学では、どの科の患者さんがどのくらいの割合か、科ごとの手順の違いを誰が教えるかを聞きます。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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