看護学生の悩み
看護学生が辞めたいと思ったとき。決める前に確かめておくこと
更新 2026年10月23日読むのに約6分
「辞めたい」と思った日は、頭の中がいっぱいで、先のことまで考えにくいものです。この記事では、決める前に確かめられることを、順番に並べます。
実習のあとで、ふっと「もう無理かも」と思った日があったのかな。
ここでは、まず聞かせてほしいな。決めるのは、あとでいいからね。
「辞めたい」の中身を、5つの場所に分ける
看護学生の「辞めたい」は、ひとつの気持ちに見えて、中身が違うことがあります。実習の日だけ強くなる人もいれば、授業や課題が積み重なって出てくる人もいます。何が重いのかによって、次に確かめる先が変わるので、先に分けておきます。
- 実習:記録の量、指導者との関係、患者さんとの関わり方、実習先までの移動
- 授業・試験・課題:量が多い、進み方についていけない、留年への心配
- 人間関係:同じ学年の人、教員、家族との関係
- お金・家庭:学費、アルバイト、家族の事情、通学の負担
- 進路への迷い:看護の仕事そのものが、自分に合うのか分からない
どれか一つだけ、ということは少なく、二つ三つが重なっていることもよくあります。重なっているときは、「一番近いもの」を一つ選びます。実習が中心なら、実習がつらいときの整理を先に読みます。看護の仕事への迷いなら、働く人向けに書いた「向いてないかも」と感じる日の整理の、場面・疲れ・続けたい部分に分ける考え方が使えます。
辞めたい気持ちそのものを、働いている看護師向けに整理したものは、「辞めたい」を、3つに分けて考えるにあります。この記事では重ねず、学生の時期に特有の、学校・実習・生活の側から見ていきます。
書いてみると、「実習の前の晩だけ」や「提出の前の週だけ」のように、重さに波があると気づくことがあります。波があるなら、ずっと続く性質のものというより、時期による負担かもしれません。どちらなのかは決めつけず、メモとして残しておきます。
眠れているか、体は休めているかを先に見る
気持ちが沈んでいるときは、先に、睡眠と体の休息を見ます。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年2月)は、成人について、適正な睡眠時間には個人差があるとしたうえで、6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保するよう勧めています。おおよそ6〜8時間が適正と考えられる一方、6時間未満で足りる人も、8時間以上が必要な人もいる、とも書かれています。
実習の記録や課題で、寝る時間が削られている時期は、数日だけでも、寝た時刻と起きた時刻を書いてみます。日中の眠気や、朝の休まった感じがどうかも、あわせて書きます。ガイドは、日中の眠気や休養感に応じて、自分に必要な睡眠時間を探る、という考え方を示しています。
眠れていない日が続いていないか、先に見てみよう。
ガイドは、十分な時間眠れない、眠っても休んだ感じがない、日中の眠気が強いなどの症状が続き、日中の生活に影響しているときは、速やかに医師に相談するよう書いています。厚生労働省の e-ヘルスネットは、眠れないことと日中の不調が週に3日以上あり、3か月以上続く場合を慢性不眠症、3か月未満を短期不眠症と説明しています。ただし、これは病気の説明で、当てはまるかどうかを決めるのは医師です。
気分の落ち込みや、日常生活への大きな支障が続くときは、自己判断せずに相談することが勧められています。国立精神・神経医療研究センターのこころの情報サイトは、相談先として、総合病院の精神科、心療内科、精神科クリニックのほか、かかりつけの内科医、保健所、精神保健福祉センターを挙げています。この記事は診断をするものではありません。気になる状態が続くときの、行き先の一覧として読んでください。
ここまで読んで、頭が重くなっていたら、続きは明日でもいいよ。
話せる場所を、学校の中と外に置いておく
ひとりで抱えているあいだは、頭の中で同じ考えが回りやすくなります。話す場所は、学校の中と外に、一つずつ置いておくと安心です。学校の中には、担任、実習担当の教員、学生相談の窓口などがあるかもしれません。何があるかは学校によって違うので、学生便覧や掲示で確かめます。
話すときは、「辞めると決めた」と言う必要はありません。つらさの場所と、休めていない事実を、先に伝えるだけで足ります。
実習の記録と睡眠のことで、続けられるか分からなくなっています。一度、話を聞いていただけますか。
教員や窓口に、最初に伝える例
学校の外の公的な電話窓口は、厚生労働省の「まもろうよ こころ」に載っています。確認できた範囲では、次のとおりです。番号と受付時間は変わることがあるので、かける前に、公式ページで確かめてください。
- #いのちSOS(0120-061-338):24時間365日、フリーダイヤルで無料
- よりそいホットライン(0120-279-338):24時間、フリーダイヤルで無料
- いのちの電話(0120-783-556):毎日16〜21時(毎月10日は8時から翌日8時まで)、フリーダイヤルで無料
- こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556):曜日・時間は都道府県により異なり、通話料がかかる
消えてしまいたいと思うほどつらいときは、ひとりで抱えず、上の24時間の窓口を使ってください。厚生労働省の「こころの耳」の電話・SNS相談は、対象が働く人とそのご家族とされているため、学生の場合は、上の窓口のほうが合います。お住まいの都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センターや保健所も、相談の窓口です。電話番号は、地域のページで確かめます。このサイトのつらいときの窓口にも、まとめています。
続ける・休む・やめるは、確かめてから決める
休学や退学、再び入学し直す場合の扱いや、手続きの期限、授業料・奨学金への影響は、学校ごとに決まりが違うので、学生係で確かめます。確かめる先は、学校の学生係や教務の窓口と、奨学金を受けているなら、その窓口です。奨学金のことは、看護学生の奨学金にあります。
辞める・休む・続けるを決める前に、確かめておくとよい順番があります。次の図のとおり、気持ちを分けて、休めているかを見て、話して、手続きを確かめてから、決めます。決めるのは最後です。急いで決めなくても、確かめられることは先にあるからです。
- 場所を分ける5つのどこが重いか
- 休めているか睡眠と体調
- 話してみる学校の窓口・電話
- 手続きを知る休学・退学・奨学金
- 最後に決める急がなくていい
決めるのは、いちばん最後でいいんだよ。
今日、決める
気持ちがいちばん重い日に決めると、あとから「休んで話してからでもよかったかも」と感じる余地が残ることがあります。
確かめてから決める
分けて、休んで、話して、手続きを知ったうえで決めると、どの道を選んでも、理由を言葉にしやすくなります。
続ける道を選ぶ場合も、そのままの形で続ける必要はありません。実習の組み方や、課題の出し方、休みの取り方は、学校と話せることがあります。休む道を選ぶ場合は、戻る条件と期限を、書面などで確かめておくと安心です。辞める道を選ぶ場合は、次の進路に、いつ・何が必要になるかを、先に書き出します。どれも、悪い選択ではありません。
話せる場所の番号は、ここに置いておくね。
かけなくても、知っているだけで、少し違うかもしれないよ。
よくある質問
看護学生が辞めたいと思うのは、おかしいことですか?
辞めたいと思うこと自体は、いまの負担が大きい、という知らせの一つだと考えられます。実習や課題で休めていないときは、特に気持ちが動くことがあります。決める前に、場所を分けて、休めているかを見てみてください。
辞めたい気持ちが、実習のときだけ強いです。
実習の日と休日で、気持ちの重さに差があるかを書いてみます。差があるなら、実習の中のどの場面が重いのかを分けると、話す相手に伝えやすくなります。整理は[実習がつらいとき](/jisshuu-tsurai/)も参考になります。
学校にも家族にも話せないときは、どうすればよいですか?
よりそいホットライン(0120-279-338)や #いのちSOS(0120-061-338)は、24時間つながる、無料の窓口です。番号は変わることがあるので、かける前に厚生労働省の「まもろうよ こころ」で確かめてください。
出典・参考(公的な情報)
- 電話相談窓口(まもろうよ こころ)(厚生労働省)
- 働く人の「こころの耳電話相談」(こころの耳(厚生労働省))
- 健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)
- 不眠症(e-ヘルスネット)(厚生労働省)
- うつ病(こころの情報サイト)(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所)
- 精神保健福祉センターと保健所(e-ヘルスネット)(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。