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キャリア設計

看護師のキャリアプランの立て方。5年後・10年後が描けないときに

更新 2026年10月23日読むのに約5分

5年後・10年後と聞かれて、描けないのは自然なことです。いまの位置から順に書き出すと、少しずつ言葉になります。

5年後って聞かれても、わからないよね。

わからないところから、少しずつ言葉にしてみよう。

5年後・10年後が描けないのは、おかしなことではない

面談や面接で、5年後・10年後の姿を聞かれて、言葉に詰まった経験がある人は、少なくないと思います。日々の勤務に追われていると、先のことを考える余裕がなくなるのは、ごく自然です。描けないことは、考えが足りないという意味ではありません。

面談や面接でこの質問が出るのは、細かい計画を求められているというより、働くうえでの方向感を知りたい場合が多いと考えられます。「〇〇の分野で経験を積みたい」「暮らしと両立できる形で続けたい」くらいの大づかみの言葉でも、質問の意図には、十分に応えられます。完璧な答えを用意するより、いまの考えを短く言葉にできることのほうが、役に立ちます。

迷いの中身は、人によって違います。次の4つのどれに近いかを見ておくと、何から手をつければよいかが決まりやすくなります。

  • したいことが、わからない:関心の向く方向が、まだ見えていない
  • したいことはあるが、道が見えない:何から始めればよいかが、わからない
  • 選択肢が多すぎる:どれも良さそうで、絞れない
  • 考える余裕がない:目の前の勤務で、頭がいっぱいになっている

どれに近いかで、次の手順の入り口が変わります。したいことがわからない人は、「手順の1〜2」から、道が見えない人は「手順の3〜5」から、読み始めてかまいません。

いまの位置から順に書く、5つの手順

プランは、先から決めるより、いまの位置から順に書いていくほうが、無理が少なくなります。次の5つの順で進めます。

キャリアプランを書く5つの手順
  1. いまを書く仕事・暮らし・体調
  2. 変えたいことを分ける続けたい・手放したい
  3. 5年後を想像する暮らしと働き方
  4. 10年後を想像する大づかみでよい
  5. 次の1年を決める小さな一歩

全部を決めなくていいよ。次の1年が見えたら、それで十分。

手順1のいまを書くでは、仕事の内容、勤務の形、暮らしの状況、体調を、短い言葉で並べます。評価や反省は入れず、事実だけを書きます。「夜勤は月に〇回」「通勤は〇分」のように、数えられることを中心にします。

手順2の変えたいことを分けるでは、いまの状態のうち、続けたいことと、手放したいことを仕分けます。手放したいことが多いときは、すぐ転職を考えず、まず、「今の職場で変えられるか」を確かめます。続けたいことは、次の職場でも守りたい条件として、残ります。

手順3の5年後を想像するでは、仕事より先に、暮らしの姿を置きます。どこで、誰と、どんなペースで過ごしていたいか。そのうえで、その暮らしに合う働き方を考えます。手順4の10年後は、大づかみで足ります。「いまより、〇〇に近づいていたい」程度の言葉で足ります。

手順5の次の1年を決めるが、いちばん大切です。5年後・10年後は、想像に過ぎませんが、次の1年は、実際に動けます。研修を1つ受ける、気になる領域の人に話を聞く、条件の仕分けをしてみる、など、小さな一歩を選びます。

5つの手順を、例で通してみます。数字や内容は、書き方を知るための例です。

  • いまを書く:病棟で数年。夜勤は月に数回。通勤は片道で一定の時間
  • 変えたいことを分ける:夜勤の間隔がつらい/続けたいのは、患者さんと関わる仕事
  • 5年後:落ち着いた生活のリズムで、いまの経験を活かして働いている
  • 10年後:後輩に教える役割にも、関わっていたい
  • 次の1年:夜勤の間隔について上司に話す。気になる領域の研修を、ひとつ調べる

例の「次の1年」は、どれも1か月あれば手をつけられる大きさなんだ。次は、書き出しのための問いを見てみよう。

書き出しのための問い

暮らしの予定を先に置くと、仕事の選択肢が見える

キャリアプランが決まりにくい理由のひとつは、仕事だけを軸に考えていることです。結婚、出産、子育て、家族の介護、転居、体調の変化など、暮らしの予定は、働き方の選択肢に、大きく影響します。仕事の姿より先に、暮らしの予定を置くと、選べる働き方が絞られ、考えやすくなります。

立場によって、置き方は変わります。経験の浅い時期は、基礎を固める環境を重く見る考え方があります。子育てや介護と両立する時期は、勤務時間の固定のしやすさや、急な休みへの支え合いを重く見る考え方があります。経験を積んだ人は、役割や専門性を、どう広げたいかが、軸になりやすくなります。立場ごとに、5つの手順を短く通した例を並べます。

  • 新人3年目:いま=独り立ちして、プリセプターを打診されている/5年後=領域の得意分野を一つ持っていたい/次の1年=プリセプターを受け、領域の院内研修を一つ選んで受ける
  • 子育て中:いま=時短勤務で日勤のみ、急な休みが月に数回/5年後=子どもが小学生になっても続けられる勤務の形でいたい/次の1年=小学校に上がる時期の勤務の形を、上司と一度話す
  • 40代で役職を打診された:いま=主任の打診を受け、現場の看護を続けたい気持ちもある/10年後=後輩が育つ場を支えていたい/次の1年=役職の中身と条件を書面で確かめ、受けるか決める

仕事を中心に据える時期と、暮らしを中心に据える時期は、交互に来ることもあります。いまが暮らしを優先する時期なら、キャリアの歩みがゆっくりでも、止まっているわけではありません。時期ごとに、置く重さを変えてよいと考えると、プランは柔らかくなります。

道筋の選択肢を一覧で見たいときは、キャリアアップの道筋にまとめています。将来への不安が強いときは、看護師の将来性への不安の整理も読んでみてください。

5年後は、〇〇の分野で、落ち着いて働いていたいと考えています。そのために、次の1年は、△△の経験を積みたいです。

面談で、プランを伝えるときの例

プランは、変わってよい。見直しの目安

プランは、一度決めたら守り続けるものではありません。異動や家族の状況の変化、体調の変化があったときは、見直して、書き直してよいものです。目安として、半年に一度、手順1の「いまを書く」だけでも、書き直してみます。前回との差を見ると、自分の変化が分かります。

  • 前回の「続けたいこと」は、いまも続けたいか
  • 前回の「手放したいこと」は、減ったか、増えたか
  • 次の1年で決めた小さな一歩は、できたか。できなかった理由は何か
  • 暮らしの予定に、新しい変化はないか

忙しさで考える余裕がない時期は、プランを立てないという選択も、あります。そのときは、手順1と、手順5だけを書いておきます。人手が足りない職場で、自分のことを考える余裕がないと感じるときは、人手不足の職場で考えることも参考になります。書き出した内容は、現在地ログに残しておくと、見直すときに役立ちます。

決まらない日は、決めなくていい

5年後が描けなくても、いまの位置を書けたら、それで一歩だよ。

迷っている時間も、ちゃんと、考えている時間だよ。

書き出せた分だけ、前に進んでいるね。ありがとう。

よくある質問

5年後・10年後の姿が、まったく思い浮かびません。

暮らしの姿から考えてみてください。どんなペースで過ごしていたいかが分かると、働き方の方向も絞られます。思い浮かばないときは、次の1年だけ決めても十分です。

キャリアプランは、転職の前に立てるものですか?

転職の前でも、転職しないときでも、立てられます。いまの職場で変えられることを確かめるためにも、プランを書くことは役に立ちます。

面接で、5年後を聞かれたら、どう答えればよいですか?

暮らしと働き方を、一文ずつ伝える形が、答えやすいです。「どんな分野で、どんな経験を積みたいか」を、決めている範囲で伝えれば足ります。

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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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