保健師
看護師から保健師への転職。行政・企業・学校の仕事と、採用・年収の見方
更新 2026年10月23日読むのに約7分
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保健師への転職は、免許を取ったあと、どこで働くかで中身が大きく変わります。この記事では、働く場ごとの人数と仕事、自治体の採用の流れ、給与の見方を、公的な統計と募集の案内で整理します。
看護の外にも道があるのかな、って考える時期があるよね。
保健師になったあとの働く場から、先に見てみよう。
保健師はどこで働いているか。人数で見る働く場
保健師になるには、看護師国家試験と保健師国家試験の両方に合格し、厚生労働大臣の免許を受けます(保健師助産師看護師法7条)。学校の選び方や課程の単位など、免許を取るまでの手順は看護師から保健師になるにはにまとめました。この記事は、免許を取ったあとの転職、つまり「どこで、どんな仕事をするか」に絞ります。
厚生労働省の令和6年衛生行政報告例では、2024年末に働いている保健師は63,536人で、2年前より3,237人(5.4%)増えています。働く場所の内訳は、次の表のとおりです。半分以上が市区町村で、保健所を合わせると7割近くが行政の保健師です。
| 働く場所 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 市区町村 | 33,217人 | 52.3% |
| 保健所 | 9,623人 | 15.1% |
| 事業所(企業など) | 5,045人 | 7.9% |
| 病院 | 3,987人 | 6.3% |
| 診療所 | 2,990人 | 4.7% |
| 介護保険施設等 | 2,183人 | 3.4% |
| 都道府県(保健所以外) | 1,985人 | 3.1% |
| 学校養成所・研究機関 | 1,238人 | 1.9% |
令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)。社会福祉施設・訪問看護ステーション・その他は省略。
行政で働く人が、いちばん多いんだね。
行政の保健師の仕事には、市区町村なら母子の健診や家庭訪問、健康づくり、介護予防など、住民に近いものがあります。保健所では、感染症や難病、精神保健など、より広い地域を受け持つ仕事が加わります。事業所(企業など)の保健師は、社員の健康診断のあとの保健指導や、ストレスチェック、復職の支援などを担います。企業の場の仕事は、看護師が産業看護師になるにはで詳しく扱っています。
学校で働く道は、少し形が違います。保健師免許を持つ人は、教育職員免許法の別表第二で、養護教諭の二種免許状の区分に当たり、半年以上の養成機関で一種免許状に進む区分もあります。学校の保健室の先生を目指すなら、看護師が養護教諭になるにはの手順を見ます。
雇用の形も見ておきます。同じ衛生行政報告例では、保健師の80.9%(51,413人)が正規雇用でした。行政の保健師には、正規の職員のほかに、期間を区切った任用で働く人もいます。求人や募集を見るときは、正規の職員の採用試験なのか、任期のある募集なのかを、最初に見分けます。任期のある募集は、免許を取ってすぐの経験づくりの場として考える人もいますが、更新の有無や期間は募集ごとに違います。
自治体の採用試験は、どう進むか
行政の保健師になるには、都道府県や市区町村の職員採用試験に合格します。病院の転職と違い、年に決まった時期に試験があり、筆記・論文・面接などの段階を経て、最終合格のあとに採用が決まります。日程と試験の中身は自治体ごとに違うので、受けたい自治体の募集要項が最終の根拠です。
一例として、東京23区の特別区職員1類採用試験(令和8年度の春試験)では、保健師の採用予定数が特別区全体で119名程度、第1次試験が2026年4月19日(日)と、江東区の案内に示されていました。年齢の上限や、経験者を対象にした別の枠があるかも、自治体ごとに違います。社会人の経験を生かす枠があるかは、募集要項の「受験資格」の欄で確かめます。
- 募集を知る自治体の採用ページ
- 申し込む受験資格と年齢を確認
- 試験筆記・論文・面接など
- 合格・採用最終合格のあと
- 配属保健センター・保健所など
試験の時期が決まっているから、逆算が大事だよ。
免許を取る前に受ける場合は、国家試験の日程と重なります。厚生労働省の案内では、次の保健師国家試験(第113回)は2027年2月12日(金)、受験手数料は5,400円、合格発表は2027年3月24日の予定です。2026年2月の第112回は、受験者7,467人のうち6,502人が合格し、合格率は87.1%(新卒は89.9%)でした。免許の取得見込みで受けられるか、採用の日までに免許が要るかは、募集要項の受験資格の欄で確かめ、両方の日程を手帳に並べます。
採用試験と国家試験、二つの日付を並べて書いておこう。
給与の見方。統計の数字と、自治体の給与表
令和7年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)では、保健師のきまって支給する現金給与額の平均は36万1,000円、年間の賞与などは118万1,800円、平均年齢は42.4歳でした。月額を12倍して賞与を足すと、約551万円です(筆者計算)。同じ調査の看護師は、月額36万5,900円、賞与85万6,400円で、約525万円でした(筆者計算)。
月額だけを比べると、看護師と保健師の差は小さく、病院の看護師の月額には、夜勤の手当が含まれていることも考えに入れます。保健師の仕事は日勤が中心になりやすい一方、夜勤手当がなくなると、月の手取りが下がる場合があります。いまの給与明細で、夜勤手当がいくらかを先に見ておくと、転職後の差を見積もりやすくなります。
病院から行政に移ると、働き方そのものも変わります。夜勤や交代勤務がなくなる代わりに、健診や相談の日程に合わせた勤務になり、休日の健診や夜間の相談に出る日がある自治体もあります。数年ごとの異動で、母子保健から高齢者の担当に変わるなど、部署が入れ替わることもあります。面接や説明会では、最初の配属先の決まり方と、異動の頻度を聞いておくと、入ってからの戸惑いが減ります。
転職を決める前に、確かめておくこと
保健師免許を取ったあとも、看護師の仕事に戻れなくなるわけではありません。保健師助産師看護師法31条2項は、保健師も看護師の業である療養上の世話や診療の補助を行えると定めています。免許は更新制ではなく、業務に就いている間は2年ごとの届出があります(33条。免許の更新と届出)。
行政(市区町村・保健所)
採用試験の時期が年に決まっています。住民の健診や家庭訪問、感染症の対応など、地域全体を相手にする仕事です。異動で部署が変わることもあります。
企業・病院など
求人ごとの採用で、時期は決まっていません。社員の保健指導や、病院の地域連携などの仕事です。保健師が必須か、看護師でもよいかは求人で違います。
働く場が見えると、学校選びの理由もはっきりするね。
まずは、気になる自治体の採用ページを一つ開いてみてね。
よくある質問
保健師は、どこで働いている人が多いですか?
令和6年衛生行政報告例では、働いている保健師63,536人のうち、市区町村が33,217人(52.3%)、保健所が9,623人(15.1%)で、行政の保健師が7割近くです。事業所(企業など)は5,045人(7.9%)、病院は3,987人(6.3%)でした。
保健師の年収は、看護師より高いですか?
令和7年賃金構造基本統計調査の月額と賞与から計算すると、保健師は約551万円、看護師は約525万円です(筆者計算)。ただし、この統計は民営の事業所が中心で、行政の保健師の給与は自治体の給料表で決まります。受ける自治体の募集要項で確かめてください。
保健師国家試験の合格率は、どのくらいですか?
2026年2月の第112回保健師国家試験は、受験者7,467人のうち6,502人が合格し、合格率は87.1%(新卒は89.9%)でした。次の第113回は2027年2月12日の予定です。
出典・参考(公的な情報)
- 保健師助産師看護師法(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況 結果の概要(厚生労働省)
- 令和7年賃金構造基本統計調査(職種)第1表(厚生労働省(e-Stat))
- 保健師国家試験の施行(厚生労働省)
- 第112回保健師国家試験、第109回助産師国家試験及び第115回看護師国家試験の合格発表(厚生労働省)
- 令和8年度特別区職員1類採用試験(春試験)(江東区)
- 教育職員免許法 別表第二(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。