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配偶者の海外赴任に帯同する看護師へ。仕事をどうするか、選べる道の整理
更新 2026年10月23日読むのに約6分
配偶者の海外赴任が決まると、喜びと同時に、自分の仕事のことで頭がいっぱいになることがあります。この記事では、答えを一つに決めずに、選べる道を並べて、話し合いの前の整理を手伝います。
赴任が決まったとき、自分の仕事のことがまっ先に浮かんだ人も、多いよね。
ついていく、残る、休む。いくつか道があるから、並べてみよう。
「ついていくなら、仕事は?」で、頭が止まるとき
配偶者の勤め先の辞令で、赴任の時期や期間が決まることがあります。自分の仕事の都合とは別に、話が先に動いていくため、置いていかれるような気持ちになる人もいます。仕事、貯金、子どもの学校、親のこと。考えることが一度に押し寄せます。
この段階で、結論を急ぐ必要はありません。先に、迷いの中身を分けます。「看護の仕事を続けたいのか」「看護師であることを手放したくないのか」「一緒に暮らしたいのか」は、似ていても別の気持ちです。どれが一番大きいかで、選ぶ道が変わります。
もう一つ、赴任の期間と、家族の事情も、道を分ける材料になります。赴任が短い見込みなら、勤め先に休職の制度があるかが、最初の確認です。長い見込みなら、退職する道や、現地で働く道と、帰国後の復職の足場を考えることが中心になります。子どもがいる場合は、現地の学校や保育の事情が赴任先ごとに違うため、配偶者の勤め先の担当窓口に聞く項目が増えます。親の介護がある場合は、日本に残る道の重さが変わります。
気持ちを分けると、次に聞く相手が見えてくるよ。
選べる道を、5つ並べる
どれが正しいということはなく、家族の状況と、赴任の期間で、合う道が変わります。確かめられた範囲の情報と、「勤め先で確かめること」を分けて並べます。
- 勤め先の休職の制度を使う:休職や休業の制度があるか、期間・給与の扱いがどうなるかは、勤め先ごとに違います。公立病院に勤める地方公務員には、配偶者の外国での勤務などに同行するための配偶者同行休業(地方公務員法26条の6。3年を超えない範囲で条例が定める期間)があります
- 退職して帯同する:就業規則の退職の申し出の期限と出国の日から逆算して、伝える時期を決めます。海外に住所を移すと、国民年金は強制加入ではなくなり、日本国籍で20歳以上65歳未満なら任意加入できます(日本年金機構)。国民健康保険は、海外への転出届を出すと抜ける扱いです(市区町村で確かめる)。帰国後の足場は、あとの節で扱います
- 現地で看護師として働く:免許・英語・書類は国ごとに違います。確かめた国の例は、海外で働くための資格と道筋にあります
- 現地では働かず、学びや準備に時間を使う:看護の仕事から離れる期間を、どう使うかを決めます
- 日本に残る:単身での別居になります。子ども・親・自分の仕事の事情を、期間と合わせて考えます
3つ目の「現地で働く」は、期待が大きい分、確かめることも多い道です。日本の免許があればよいとは言えず、国によって、登録や試験が必要です。配偶者の帯同のために得られる在留資格で、現地で働けるかどうかは、今回確かめられていません。赴任先の国の公的な案内と、配偶者の勤め先の担当窓口で確かめます。
また、JICA海外協力隊のような派遣制度は、応募資格に単身赴任と書かれていて、配偶者の赴任に付いていく形の制度ではありません。違いは、看護師の海外ボランティアにまとめています。
ちょっと、選択肢が多くて、くらくらしたかも。
気になる道に、印を2つだけつけてみよう。
現地で看護師として働く
仕事は続けやすくなりますが、国ごとの登録や試験、書類に時間がかかります。働ける在留資格かも、確かめる必要があります。
現地では働かず、帰国後に備える
資格の手続きは要りませんが、ブランクが空きます。帰国後の仕事探しの足場を、先に作っておくと動きやすくなります。
夫婦で話す前に、一人で書き出すこと
話し合いは、答えを出す場ではなく、条件を出し合う場にすると進めやすくなります。そのために、先に一人で書き出しておきます。整理されていないまま話すと、「ついていくのか、いかないのか」の二択になりやすいからです。配偶者の勤め先に、帯同する家族への支援(渡航の手続きや、費用の扱い)があるのかも、聞く項目の一つです。制度の中身は勤め先ごとに違うため、ここでは書きません。
- 赴任の予定は何年か(配偶者の勤め先に確認)
- 仕事を続けたい理由と、手放してもよい点
- 現地で働くなら、必要な資格と書類(その国の規制機関に確認)
- 休職・退職・勤務の継続の選択肢(自分の勤め先に確認)
- 帰国後に戻りたい働き方
答えは書かなくていいよ。問いだけで十分。
決めたあとに残る道:帰国後の復職の足場
どの道を選んでも、帰国後に、また働く場面が来るかもしれません。そのための足場が、いくつかあります。病院・診療所・助産所・介護老人保健施設・指定訪問看護事業所などを離職した看護職には、都道府県のナースセンターに届け出る努力義務があります(2015年10月1日施行、届出サイト「とどけるん」)。義務ではなく努力義務で、届け出なくても罰則はありません。届け出ると、復職の研修や職業紹介などの支援を受けられます。詳しくは、離職時の届出制度にまとめます。
届出と、求職の登録は別です。届出のとき、無料職業紹介への登録を希望する欄を選ぶと、届出の情報が eナースセンターにも登録されます。復職の支援には、採血・喀痰吸引・救命処置などの演習、最新の医療機器の講習、病院での実習といった研修もあります。内容や開催は、都道府県で違うため、住所地のナースセンターで確かめます。研修の考え方は、復職支援研修で扱います。
厚生労働省の案内では、ナースセンターは各都道府県にあり、就業の相談を無料で受けています。相談員が希望の条件をもとに、再就業先を探します。来所のほかに、インターネットのeナースセンターでも利用できます。技術に不安がある人は、研修を経て段階的に復職する方法も、相談できると書かれています。帰国の時期が見えてきたら、住所地の県のナースセンターに、早めに連絡しておくと動きやすくなります。
どの道にも、よいところと、大変なところがあるよね。
ひとつ書けたら、今日はそれで十分だよ。
よくある質問
配偶者の赴任先で、看護師として働けますか?
国と、持っている在留資格によって違います。確かめられた範囲では、各国の看護の規制機関の登録や免許が必要で、日本の免許があればよいとは言えません。赴任先の国の公的な案内と、配偶者の勤め先の担当窓口で確かめます。
勤め先に、休職の制度はありますか?
勤め先ごとに違います。就業規則と、人事の窓口で確かめます。制度の有無、期間、給与の扱いを、書き出して聞くと整理しやすくなります。
離職したら、ナースセンターへの届出が必要ですか?
努力義務で、届け出なくても罰則はありません。届け出ると、復職の研修や職業紹介などの支援を受けられます。届出は、インターネットの届出サイトで行うのが原則です。
出典・参考(公的な情報)
- 看護師等免許保持者の届出制度(厚生労働省)
- 離職時等の届出制度(公益社団法人 日本看護協会)
- ブランクを経て働く(厚生労働省)
- 離職中の看護職の皆様の復職をサポート(eナースセンター)(ナースセンター(日本看護協会))
- 任意加入制度(外国に居住する日本人で、20歳以上65歳未満の方)(日本年金機構)
- 国民健康保険とは(海外転出と資格の喪失)(大阪市)
- 地方公務員法 第26条の6(配偶者同行休業)(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 募集概要(長期派遣)(JICA海外協力隊)
- 看護に関するよくあるご質問(国際情報)(公益社団法人 日本看護協会)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。