文例・テンプレート
看護師から看護助手への指示の出し方。伝わる3点と言い方の文例集
更新 2026年10月23日読むのに約6分
指示が伝わらない理由は、言い方の強さよりも、情報の足りなさにあることがあります。この記事では、指示に入れる3点と、そのまま使える文例、うまくいかないときの動き方を整理します。
指示の出し方は、型を持つと楽になるよ。
使える形を、いっしょに集めていこう。
指示で、何が足りないと伝わらないのか
看護助手さんへの指示で行き違いが起きるとき、足りないのは、次の3点のどれかということがあります。
- 何を:どの部屋の、どの物を、どうするか(例:○号室の退院後のベッドメイク)
- いつまでに:時刻や、「入院の前に」といった区切り
- 終わったらどうするか:誰に、どこで報告するか。報告が要らない作業なら、そのことも
これに、優先順位が加わります。助手さんは、複数の看護師から同時に頼まれることがあります。そのなかで何を先にするかが分からないと、手が止まるか、頼みやすい人の用事から動く、ということも起こりえます。自分の頼みが急ぎなのか、手が空いたときでよいのかを、一言添えるだけで、迷いが減ります。
看護師が行う業務と、助手さんに任せる業務の線引きは、職場の業務基準や手順書に書かれている職場があります。迷ったときは、自分で決めずに、師長や主任に確かめます。任せてよいか自信のない依頼は、出す前に確認しておくと安全です。
口頭だけの指示は、忙しい時間帯ほど抜け落ちやすくなります。職場にホワイトボードや連絡用のメモがあれば、急ぎでない依頼は、そこに書いて共有する方法もあります。書いておくと、別の看護師が見て、重複した依頼を避けられます。口頭で伝えるのは、急ぎのときと、念押しのときに絞ります。
- 何を:○号室の退院後のベッドメイク
- いつまでに:午後の入院に間に合うように
- 終わったら:ナースステーションで一声
- 急ぎ度:先にお願いしたい(手が空いたらではない)
- 迷ったら:師長・主任に確認
3点が入っているか、頼む前に見てみよう。
場面別の文例:そのまま使える言い方
文例は、自分の言葉に直して使います。語尾や敬語の度合いは、普段の関係に合わせます。
- 通常の依頼:「○号室の退院後のベッドメイクを、午後の入院までにお願いします。終わったら、一声かけてください。」
- 急ぎの依頼:「申し訳ないのですが、先にこちらをお願いできますか。○時までに終わると助かります。」
- 優先順位がぶつかったとき:「いま頼まれていることがあれば、どちらを先にするか、一緒に決めましょう。」
- 待ってもらうとき:「いまは手が離せないので、○分後に、もう一度声をかけてもらえますか。」
- お礼と次への確認:「助かりました。次回も、この形でお願いしてよいですか。」
- やり方を変えたいとき:「この前のやり方で、一つだけ変えたい点があります。」
年上の助手さんや、経験の長い助手さんには、依頼の形を保ちながら、相手の経験を尊重する言い方を足します。「いつもの手順でお願いします。この患者さんだけ、○○の点が違います」のように、違うところだけを伝える形です。
今日は、この手順で、一度一緒にやってみませんか。見ていて気づいたことがあれば、教えてください。
新しい作業をお願いするときの例
指示は、一文で終わってよいものです。理由を長く添えるほど、相手が聞き返しにくくなる場合があります。必要な点だけを、短く伝えます。
急いでいるときほど、言葉が短くなっちゃうよね。
3つのうち、どれが抜けやすいか、ここで見てみよう。
頼んでから報告までの流れを、固定する
毎回の流れを決めておくと、言い忘れが減ります。頼んで、確認して、終わりを受け取る、という4つの動きです。
- 頼む何を・いつまで・報告先
- 確かめる分からない点を聞く
- 作業中変更は、その場で一言
- 終わりの報告結果を見て、お礼を言う
流れが決まっていると、言い忘れが減るよ。
復唱を求めるときは、「もう一度言ってください」だと、確認を責めているように聞こえることがあります。「私の説明で、足りないところはありませんか」と、自分の説明を確かめる形にすると、聞き返してもらいやすくなります。
終わりの報告を受けたら、結果を見て、お礼を言います。見るのは、点検のためだけでなく、次の指示に活かすためです。やり直しをお願いするときは、人前を避け、短く、事実だけを伝えます。
言い方で空気が悪くなる例と、言い換え
命令・決めつけ型
「これ、やっておいて」「何度言ったら分かるの」のように、何をいつまでにが抜けていて、原因を相手の側に置く言い方です。
依頼・確認型
「これを、○時までにお願いできますか」「私の伝え方が足りなかったかもしれません」のように、依頼の形にして、足りない情報を補う言い方です。
忙しいときほど、言い方は省略されがちです。省略した指示が通る関係もありますが、新しい人や、普段あまり話さない人には、型どおりの言い方のほうが伝わります。
- 「やっておいて」→「○○を、△時までにお願いします」
- 「前にも言ったよね」→「前回の説明で、足りない点があったかもしれません。手順をもう一度確認しましょう」
- 「早くして」→「○時の入院に間に合わせたいので、先にこちらをお願いします」
- 無言で物を置いていく→「ここに置きます。お願いします」と一言添える
言い換えのコツは、感情を引いて、事実と希望だけを残すことです。「急いでいて余裕がない」という気持ちは、「○時までに終えたい」という事実に置き換えられます。
うまくいかないときの動き方と窓口
指示を工夫しても、行き違いが続くことがあります。そのときは、自分の伝え方だけを責めず、次の順で確かめます。
- 1. 最近の依頼を振り返り、3点が入っていたかを見る
- 2. 他の看護師の依頼と、優先順位がぶつかっていないかを確かめる
- 3. その依頼が、手順書や業務基準で助手さんの業務に入っているかを、師長や主任に確かめる
- 4. 相手との関係が原因に見えるときは、主任や師長に、間に入ってもらう
助手さんだけでなく、介護士・薬剤師・リハビリ職との関係は、職種別の関係の整え方にまとめています。医師への伝え方で緊張するときは、医師を怖いと感じるときが近い内容です。
指示の悩みの背景に、人手の不足や、自分の疲れがあることもあります。相談できる窓口は、勤め先の師長・看護部・人事などで確かめます。しんどさが強いときは、つらいときの窓口にも話せます。
新しく入った助手さんには、最初に、その病棟での頼み方の決まりを伝えておくと、行き違いが減ります。たとえば、急ぎのときは名前を呼んで声をかける、急ぎでないものは連絡メモに書く、報告はステーションで受ける、といった決まりです。決まりが共有されていれば、看護師ごとの言い方の違いも、気になりにくくなります。
型を一つ持てたら、明日の指示は少し楽になるよ。
まずは、3点のうち一つだけ意識してみようね。
よくある質問
看護助手に頼んではいけない仕事はありますか?
任せてよい範囲は、職場の業務基準や手順書で決まっていることが多く、一般論では答えられません。迷うときは、自分で決めずに、師長や主任に確かめてください。
年上の看護助手さんには、どう指示を出せばよいですか?
依頼の形を保ち、何を・いつまでに・報告先の3点を伝えます。いつもの手順と違う点だけを伝える形にすると、相手の経験を尊重しながら、必要な情報を渡せます。
頼んだことを後回しにされたときは、どうすればよいですか?
優先順位がぶつかっていないかを、先に確かめます。他の看護師の依頼で手がいっぱいの場合があるためです。それでも続くときは、主任や師長に事実で伝えます。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。