先輩・師長・同期との関係
看護師の人間関係の悩みを、3つに分けて動き方を決める
更新 2026年10月23日読むのに約6分
人間関係の悩みは、どの種類の悩みかで、動き方がまったく変わります。この記事では、悩みを3つに分けて、それぞれにできることと、相談を進める目安を整理します。
顔を思い浮かべると、胸がきゅっとなる人、いるよね。
まず、顔ではなく場面を書き出す
人間関係の悩みは、「あの人が苦手」と、人に向かって考えるうちに、全部が重くなります。分けるには、顔ではなく、場面から書き出します。いつ、どこで、何が起きて、そのとき自分はどう感じ、どうしたか。短く、事実と気持ちを分けて書くだけで足ります。
書き出した場面が3つ以上たまると、似た場面が並びます。「申し送りのたびに」「夜勤が同じとき」「皆の前で」など、共通点が見えたら、次に進みます。
場面は、3つの種類に分けられる
書き出した場面を、次の3つのどれに近いかで仕分けます。1つの場面が、2つにまたがることもあります。その場合は、より重いと感じるほうに入れます。
- A 仕事のやり方・伝え方のずれ:指示があいまい、申し送りの食い違い、優先順位の認識の差。仕事の中身の違いが、感情のぶつかりに見えているもの
- B 相性・距離感:話しにくい、気を遣って疲れる、雰囲気になじめない。相手の言動に特別な問題はなく、合う・合わないの範囲にあるもの
- C 言動そのものがつらい:無視、人格に触れる言葉、皆の前での強い叱責など。自分の側の工夫では変わらず、繰り返されるもの
どれに入れるか迷うときは、次の3つの問いが手がかりになります。
- 同じ態度を、他の人にもしているか:誰に対しても同じなら、AかBの可能性が高く、特定の人にだけ向くなら、Cの側に近づく
- 話題が、仕事の中身か、人そのものか:「この手順が違う」はA、「そういう性格だから」といった人格への言及はC
- 回数と期間、そして自分の体に出ているか:一度きりか繰り返しか。眠れない、食べられないといった様子が出ているか
- 場面を書く顔でなく場面
- A・B・Cに分ける近いものへ
- 一番重い1つ全部は扱わない
- 動き方を選ぶ確認・距離・相談
- 見直す日1〜2週間後
全部いっぺんじゃなくて、一番重い1つからでいいよ。
動き方を試したら、1〜2週間後に、もう一度同じ場面を見ます。軽くなったのか、変わらないのか、かえって重くなったのか。軽くなったなら、続けます。変わらないなら、別の動き方に替えるか、Cに近づいていないかを、仕分けからやり直します。重くなったときは、様子を長く見ず、誰かに話す段階です。
仕分けで大切なのは、AとBとCで、使う動き方が違う点です。Aには確認の言葉、Bには距離と頼る人の数、Cには記録と第三者です。どれにも「我慢」や「自分が変わる」を当てはめないことが、先に進む助けになります。
どれに入れるか迷う場面があっても、だいじょうぶ。あとで見直せるよ。
Aのずれは、確認の言葉で小さくできる
仕事のやり方や伝え方のずれは、悪意がなくても起きます。指示が省略されている、優先順位が人によって違う、前の勤務帯とのやり取りが途切れている。ぶつかった場面を見返すと、相手の意図が分からないまま、こちらが解釈を重ねていることがあります。
そこで、解釈する前に、確認します。「何を、いつまでに」を、聞き返す形にします。聞き返すのが怖いときは、メモを見せながら確認する、と手順を決めておくと、責めているように聞こえにくくなります。
いまの指示は、先に点滴の準備、そのあとに記録、という順番で合っていますか。
A:優先順位を確認するときの例
確認しても、同じ場面で同じ食い違いが続くときは、仕事の進め方の問題として、先輩やリーダーに、具体的な場面とあわせて相談します。見下すような言い方やマウントが混ざっているときは、マウントを取る先輩への対応も参考になります。
Bの相性は、距離と頼る人の数で軽くする
相性が合わない相手と、全部を分かり合う必要はありません。仕事の連携に必要な会話だけを、短く、はっきりと行う、と決めると、気を遣う量が減ります。雑談や飲み会など、付き合う範囲を決めておくのも、距離の取り方の一つです。
距離の取り方の例を挙げます。挨拶と、仕事の確認は、いつもどおり行う。雑談は、相手から振られたときに短く返す。休憩の時間は、相手と離れた席で取る。申し送りでは、必要なことだけを、メモを見ながら伝える。距離を置くことは、避けているのではなく、気を遣う量を調整している、と考えます。
もう一つの工夫は、頼る人を増やすことです。一人の相手が、職場の人間関係の全部になっていると、その人との関係が悪いだけで、毎日が重くなります。別の先輩、同期、他の部署の看護師など、相談できる人が二、三人いると、一人との相性の悪さが、全体の重さになりにくくなります。
距離と頼る人を試しても、毎日の勤務が重いときは、勤務の組み方や担当を変えられないかを、師長に相談する段階です。伝え方は、師長への相談の仕方にあります。
Cの言動は、一人で抱えず、記録して第三者に渡す
無視、人格に触れる言葉、皆の前での強い叱責のように、言動そのものがつらく、繰り返されるものは、自分の工夫で変えるものではありません。「自分が悪いのでは」と考える前に、起きたことを記録に変えます。
- 日付、時刻、場所
- 相手が言ったこと、したこと(そのままの言葉で)
- その場にいた人
- 自分が感じたことと、その後の体調(眠れない、食べられない、など)
記録は、現在地ログでも、手帳でも使えます。目的は、相手を責めることではなく、第三者に、起きたことを正確に伝えるためです。渡す相手は、師長、人事や職場の相談窓口、職場の外の窓口と、順に広げられます。ハラスメントにあたるかどうかは、自分一人で決める必要はありません。起きたことをそのまま持っていき、窓口に相談しながら確かめます。職場の外の窓口の選び方は、労働相談の窓口の選び方にまとめています。相談の進め方の手順はパワハラ相談の手順にあります。
3つのうち、どれが一番近いか。それが分かったところが、今日の一歩だよ。
よくある質問
人間関係が理由で、辞めたいと思っています。
辞める前に、悩みを、仕事のやり方のずれ・相性や距離感・言動そのものがつらい、の3つに分けてみてください。動かせるものがあるかが見えてきます。整理の入り口は[「辞めたい」を、3つに分けて考える](/yametai/)にあります。
ハラスメントかどうかを、自分で判断できますか?
自分一人で決める必要はありません。日付、言われたこと、その場にいた人を記録して、師長や職場の相談窓口、職場の外の窓口に、そのまま持っていってください。
相性が合わないだけなのに、つらいのは自分が弱いからですか?
そうとは言えません。相性による疲れは、相手との距離や、頼る人の数で変わる部分です。弱さの問題とは別に、動き方を選んでみてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。