診療科の働き方
手術室看護師の仕事とは。一日の流れと、向いている人の見分け方
更新 2026年10月23日読むのに約6分
手術室は、扉の向こうで何をしているのかが見えにくい職場です。この記事では、器械出しと外回りの役割、手術の前後の関わり、一日の流れを整理し、向いているかを場面で確かめる見方をまとめます。
手術室って、扉の向こうがどうなっているのか、気になるよね。
まずは、部屋の中の役割から覗いてみよう。
扉の向こうで、看護師が受け持つ二つの役割
手術室の看護師というと、手術の最中に医師の隣に立っている姿が思い浮かびます。ただ、仕事は手術の最中だけではありません。部屋の中で働く二つの役割と、手術の前後の関わりに分けると、全体が見えやすくなります。呼び名や分担は病院によって違うので、ここでは、よく見られる考え方として整理します。
一つ目は、器械出し(直接介助)です。執刀する医師の手元に、器械・糸・ガーゼなどを、手術の流れを読みながら渡します。次に何が要るかを先に考えて動く役割で、手術の手順を頭に入れておく力が求められます。手術の始まりと終わりに、器械やガーゼの数を確かめる作業もあり、数え間違いのない丁寧さが問われます。
二つ目は、外回り(間接介助)です。手術の部屋の全体を見る役割で、患者さんの確認、麻酔をかける医師の補助、手術台の上での姿勢(体位)の調整、機器の準備、記録、足りない物品の補充、部屋の外との連絡などを受け持ちます。器械出しが手元に集中するのに対し、外回りは、部屋の中で起きていることを広く見ています。
| 役割 | おもに向ける目 | 気を張る場面 |
|---|---|---|
| 器械出し(直接介助) | 手術の部位と、医師の手元 | 次に使う器械を先に読む場面 |
| 外回り(間接介助) | 部屋全体と、患者さん | 麻酔・体位・記録を同時に見る場面 |
| 術前・術後の関わり | 手術前の不安と、手術後の様子 | 施設によって、ある・ない |
呼び名や分担は病院で違います。入る前に、職場の分け方を聞いてください。
どちらも、手術を支える大事な役割だよ。
もう一つ、手術の前後の関わりがあります。手術の前に患者さんを訪ねて不安なことを聞く術前訪問や、手術のあとに様子を伺う術後訪問を行っている施設もあれば、行っていない施設もあります。入る前に聞いておきたい点の一つです。
病棟のように、同じ患者さんを何日も受け持つ働き方とは違い、手術室では、一件の手術の間に集中して関わる形になりやすくなります。患者さんと長く話す時間は短い代わりに、手術が安全に、滞りなく進むことに力を向ける仕事です。診療科によって使う器械も手順も変わるため、最初は少しずつ覚えていくことになります。患者さんと話す時間の長い職場と比べたいときは、外来看護師の仕事も読めます。
手術が入った日の動きを、時間の順に追う
予定の手術が入った日を例に、動きを時間の順に並べます。病院や診療科で細かい流れは違うので、全体像をつかむための例として読んでください。
- 準備予定の確認・器械と機器の用意
- 入室患者さんの確認・麻酔の導入
- 手術中器械出しと外回りで分担
- 退室記録・申し送り
- 片づけ後始末と、次の準備
流れが見えると、一日のイメージがつかみやすいよ。
準備では、勤務のはじめにその日の手術の予定を確かめます。どの診療科の、どんな手術か。必要な器械、糸、機器、体位をとるための道具を整えて、部屋を準備します。準備の丁寧さが、そのあとの動きやすさを左右します。
患者さんが入室したら、本人の確認をします。名前や、手術を受ける部位などを、複数の人の目で確かめる場面です。声をかけて緊張をほぐしながら、麻酔の導入を支えます。患者さんにとっては、一番不安が強い時間かもしれません。
手術中は、器械出しは手元に、外回りは部屋全体に目を向けて動きます。手術が終わったら、器械やガーゼの数、記録を確かめ、患者さんの状態を次の部署へ申し送ります。その後、部屋を片づけ、次の手術の準備に移ります。
予定の手術のほかに、予定にない緊急の手術が入ることもあります。夜間や休日に呼ばれる待機(オンコール)の仕組みがある病院もあるため、働き方に関わる点として確かめます。待機の考え方は、オンコールの記事も参考になります。
手術の日の流れ、少しイメージできたかな。
大変なところと、やりがいを感じやすいところ
手術室ならではの大変さは、仕事の性質から来るものが中心です。先に知っておくと、見学のときに、どこを見ればよいかが決まります。
- 立ち仕事の長さ:手術の間、立ったまま動き続ける場面が続きます。
- 集中の長さ:手術が長引くと、気を張った状態も長くなります。
- 予定が動くこと:前の手術が延びる、緊急が入るなどで、休憩や終わりの時刻がずれることがあります。
- 短い言葉での確認:医師や麻酔をかける医師、他の看護師と、短い言葉で確かめ合いながら進めます。
一方、やりがいを感じやすい場面もあります。準備が整い、先を読んだ器械出しで、手術が滞りなく進んだとき。患者さんが麻酔に入る前に、声をかけて、少しでも安心してもらえたとき。手術の手順を覚えるほど、見える景色が広がることも、続ける力になります。
集中して関わる働き方
一件の手術に、最初から最後まで集中して関わります。流れが整ったときの手応えを感じやすい一方で、患者さんと長く話す時間は短くなります。
長く関わる働き方
病棟や外来のように、患者さんと言葉を交わす時間が長い働き方もあります。どちらが楽かではなく、どちらに手応えを感じるかで考えます。
向いているかを、四つの場面で見る
向いている人、という言い方は便利ですが、一つの型に当てはめると、自分の場合から離れてしまいます。ここでは、手術室の仕事の場面ごとに、自分の感じ方を確かめる形にします。
- 先を読んで動くとき:次の流れを考えて準備しておくのが、苦にならないか、むしろ好きか
- いくつかを同時に見るとき:患者さん、医師の動き、機器、時刻を、同時に目に入れておくことに、抵抗が少ないか
- 長く立って集中するとき:立ち仕事や、長めの集中のあと、休日に回復できているか
- 短い言葉で確かめ合うとき:声に出して確認する、復唱する、といったやり取りに、居心地の悪さが少ないか
病棟や外来から移る場合は、手術室の経験がなくても受け入れている職場があるかを、職場ごとに確かめます。教育の期間や、最初に付く人が決まっているかも、聞く項目です。聞き方の整理は、転職で失敗しないために、入職前に確かめておきたいことにまとめています。
診療科を変えたいほど、いまの働き方がつらいときは、先につらいときの窓口にも話せます。手術の前後を病棟で受け持つ働き方は外科の働き方、手術のあとの重症の患者さんを受け持つ働き方はICUの仕事で扱っています。どちらも手術室と行き来の多い部署なので、並べて読むと、手術室ならではの部分が見えやすくなります。
気になる職場が見つかったら、見学で確かめられるよ。
見学では、器械出しと外回りのどちらから覚えるかを聞いてみてね。
よくある質問
手術室の看護師は、立ちっぱなしで体力的にきついですか?
手術の間は立って動く時間が長くなりやすく、人によって負担の感じ方は違います。見学のときに、一日の手術の件数と、休憩の取り方を聞いておくと、自分の体調と照らして考えられます。
手術室の経験がなくても、異動や転職はできますか?
経験のない人を受け入れる職場もあれば、経験者を前提にする職場もあります。教育の期間と、最初に付く人が決まっているかを、職場ごとに確かめてください。
手術室看護師にオンコールはありますか?
病院によって違います。緊急手術に備える待機の仕組みがある所もあるので、頻度と、呼ばれたときの休みの扱いを、入る前に聞いておくと安心です。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。