転職の準備
看護師の転職で失敗しないために、入職前に確かめておきたいこと
更新 2026年10月23日読むのに約6分
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転職後のずれの多くは、入る前に聞けたことに関わっています。この記事では、何を・誰に・どう聞くかと、労働条件の明示や契約の種類、聞きにくいことの言い方を整理します。
失敗したくない、って思うのは自然だよ。
聞くことを、いっしょにメモしていこう。
ずれが出やすいのは、どんな場面か
入職後に「思っていたのと違った」と感じる場面には、いくつかの型があります。職場が悪いというより、入る前に得た情報と、実際の運用に差があったときに起きやすいものです。
- 夜勤やオンコールの回数・頻度
- 残業や、持ち帰りの業務の実際
- 新しく入った人への教育と、相談できる体制
- 任される業務の範囲
- 休みの取り方や、希望の出し方
- 雇用の形(正規か、契約か)と、契約の期間
これらは、聞けば答えてもらえることが多い項目です。聞かないまま入ると、あとで差に気づきやすくなります。
労働条件は、入職の前に明示される
労働基準法15条は、使用者が労働契約を結ぶときに、賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならないと定めています。賃金や労働時間などの大事な項目は、書面などの決められた方法で示されます。口頭の説明だけに頼らず、条件を書いたものを、入職の前に受け取って読みます。
同じ15条の2項は、明示された条件が事実と違っていた場合、労働者が即時に契約を解除できると定めています。これは「入るときに示された条件が、実際と違った」場合の話で、「つらいから」という理由では使えません。だからこそ、示された条件を残しておくことが大切です。
常時10人以上の労働者がいる職場は、就業規則を作って届け出る義務があります(同89条)。退職に関する事項や、休憩、休日、休暇、賃金の計算方法は、記載が必要な項目です。就業規則を見せてもらえるかどうかも、聞いてよいことの一つです。
条件の書面を受け取ったら、求人票と見比べます。食い違いがあるときは、どちらが正しいのかを、入職の前に確かめます。
条件が違っていて契約を解除する場合、就業のために住居を変更した人が、解除の日から14日以内に帰郷するときは、使用者が必要な旅費を負担する、という定めもあります(同条3項)。転居を伴う転職では、頭に置いておきます。
答えがあいまいなときの判断の分かれ目は、あとで書面で確かめられるかどうかです。夜勤の回数が「そのときによる」なら、直近の数か月の実績を聞きます。教育が「見て覚える」なら、最初の1か月に付く人が決まっているかを聞きます。更新が「あり」なら、更新の基準を聞きます。
何を・誰に・どう聞くか
項目ごとに、答えを持っている人が違います。求人票に載っていないことは、面接や見学で、次のように聞き分けます。
- 勤務時間・夜勤・休み:人事や採用担当者に聞く
- 業務の範囲・教育の体制:配属先の師長や、現場の看護師に聞く
- 雇用の条件・給与の内訳:求人票と、入職前に渡される条件の書面で見比べる
- 職場の雰囲気:見学で、スタッフの動き方や声のかけ方を見る
- 人事・採用担当勤務時間・夜勤・休み
- 師長・現場業務の範囲・教育
- 条件の書面雇用の条件・給与の内訳
- 見学職場の雰囲気
聞く相手が決まっていると、聞き忘れが減るよ。
一度に全部は聞けません。辞めたい理由に直結する項目を3つから5つ選んで、優先して聞きます。理由の整理には、辞めたい理由を5つの型に分ける記事が使えます。見学と面接で使える質問の一覧は、働きやすい職場を見分ける10の質問にまとめています。
聞くことがたくさんあって、迷っちゃうよね。
まずは、いちばん気になる項目から、決めてみない?
夜勤・休憩・残業の物差しと、聞きにくいことの聞き方
夜勤や休憩の聞き方に迷うときは、日本看護協会が2013年に公表した「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」が物差しになります。法律ではなく職能団体の提案なので、基準に届かない職場を「違反」と決めつけず、「どのくらい近いか」を知るために使います。項目は夜勤の回数の目安の記事にまとめています。
休憩と残業には、法律の決まりがあります。労働基準法34条は、労働時間が6時間を超えるときは少なくとも45分、8時間を超えるときは少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中に与えるよう定めています。37条は、時間外・深夜の労働に割増賃金を支払うよう定めています。時間外と深夜は通常の賃金の2割5分以上、月60時間を超える時間外は5割以上と、労働局が案内しています。残業代の扱いは、どの時間から、どの単位で計算するかを聞きます。
給与や残業は、聞きにくいと感じる人が多い項目です。責めるように聞くのではなく、「働き方のイメージを持ちたい」という姿勢で聞くと、答えてもらいやすくなります。
入職後の働き方をイメージしたくて、1か月の夜勤の回数と、夜勤と夜勤の間の休みの取り方を教えていただけますか。
夜勤について聞く例
答えがあいまいだったときは、その場で追いかけすぎず、「念のため、あとで文書でも確認できますか」と尋ねます。残してもらえるかどうかは、職場によって違います。聞き方の準備には、面接準備ノートが使えます。
契約の種類を確かめて、合わなかったときに備える
雇用の形が有期(契約期間がある)か無期かは、あとの動きやすさに関わります。有期の契約では、民法628条により、期間の途中で辞めるには「やむを得ない事由」が必要とされ、事情によっては損害賠償を求められる場合もあります。労働基準法137条には、期間が1年を超える契約について、1年を経過した日以後は、申し出ればいつでも退職できるという特例があります。ただし、高度の専門的知識等を有する労働者や満60歳以上の労働者との契約などは除かれます。
どのくらいの期間の契約か、更新の有無と基準はどうか。入る前に、条件の書面で確かめておきます。やむを得ない事由に何が当たるかは、個別に判断されるため、迷ったときは総合労働相談コーナーに相談できます。
条件の優先順位づけは、転職で後悔しないための条件の優先順位で扱っています。サービスの使い分けは、転職サイト比較の見方にまとめています。内定から入職までの手順は、内定後から入職までの記事にあります。
聞きにくいことを聞くのは、勇気がいるよね。
準備できた分だけ、ちゃんと前に進んでいるよ。
よくある質問
面接で、給与や残業のことを聞いてもよいですか?
聞いて問題ありません。労働基準法15条で、賃金や労働時間は使用者が明示することになっています。「働き方のイメージを持ちたい」という言い方にすると、答えてもらいやすくなります。
入職してすぐに合わないと感じたら、どうすればよいですか?
判断を急がず、何が合わないのかを書き出してください。入るときに示された条件と実際が違う場合は、労働基準法15条の定めがあるため、総合労働相談コーナーなどで確かめられます。
夜勤のガイドラインを満たしていない職場は、避けるべきですか?
ガイドラインは法律ではなく、日本看護協会の提案です。避けるかどうかの基準ではなく、勤務の組み方を聞くときの物差しとして使い、自分の優先順位と照らして考えてください。
出典・参考(公的な情報)
- 労働基準法 第15条・第34条・第37条・第39条・第89条・第137条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 民法 第627条・第628条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 退職、解雇、雇止めなど(確かめよう労働条件)(厚生労働省)
- 割増賃金について(兵庫労働局(厚生労働省))
- 看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン(2013年)(公益社団法人 日本看護協会)
- 総合労働相談コーナーのご案内(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。