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大学院・進学

看護師が大学院に行くという選択。修士・認定課程・特定行為研修を比べる

更新 2026年10月23日読むのに約6分

大学院に行くか、別の学び方を選ぶかで迷っている。進学は、目的・時間・お金の釣り合いで見ると整理しやすくなります。修士・認定看護師教育課程・特定行為研修を、公的な資料の範囲で並べました。

今日は、進む道を並べて眺める日にしようか。

行くか行かないかを決めるのは、そのあとでいいからね。

大学院で得られるものと、得られないもの

修士課程は、大学院設置基準で、標準修業年限が2年とされています(3条)。修了には、2年以上の在学、30単位以上の修得、必要な研究指導、修士論文または特定の課題の研究成果の審査と試験への合格が求められます(16条)。得られるものは、まず修士の学位と、研究に取り組んだ経験です。

資格との関係は、一本道ではありません。専門看護師は、修士課程で所定の単位を取ったうえで、免許取得後に通算5年以上の実務研修(うち通算3年以上は分野の実務研修)と、認定審査への合格が必要です(日本看護協会の手引き、2026年)。認定看護管理者は、同じ年の手引きに、看護管理に関連する学問領域の修士以上の学位を持つ道が、受験資格の要件のひとつとして書かれています。ただし、免許取得後に実務経験が通算5年以上あることも、別に求められます。

専門看護師の専門看護分野は、日本看護協会の一覧で現在14分野あります。がん看護、精神看護、老人看護、小児看護、在宅看護などです。専門看護師には、実践、相談、調整、倫理調整、教育、研究の6つの役割があるとされています。どの分野の課程が、どの大学院にあるかは、日本看護協会の「専門看護師教育課程一覧」で確かめます。この記事では、一覧の件数は数えていません。

大学院は、修士の学位を得る道です。専門看護師や認定看護管理者のように、受験資格の一部になる資格もあります。進学しただけで資格が得られるわけではない点は、最初に頭に置いておきます。

ほかの道:認定看護師教育課程と特定行為研修

認定看護師には、2019年度の制度改正で、特定行為研修を組み込んだB課程の教育が加わりました。B課程の認定審査は2021年度からです。特定行為研修を組み込まないA課程は、認定審査が2029年度まで実施され、更新審査は続きます(日本看護協会)。

認定看護師の受験資格は、2026年の手引きでは、次の3つをすべて満たすことです。日本国の看護師免許があること。免許取得後に通算5年以上の実務研修があり、うち通算3年以上は特定の認定看護分野であること。認定看護師教育機関の課程を修了していること。審査料と認定料は、それぞれ51,700円(税込)です。専門看護師も、同じ年の手引きで、それぞれ51,700円とされています。

認定看護師教育課程の費用は、機関ごとに違います。日本看護協会の看護研修学校(2027年度、B課程)の例は、修業年限1年で、納付金の内訳と奨学金を認定看護師と専門看護師の違いと特定行為研修の記事にまとめています。この課程は、教育訓練給付金の指定講座ではない、と募集要項に明記されています。

特定行為研修は、手順書により特定行為を行う看護師が受ける研修です(保健師助産師看護師法37条の2)。省令で21区分38行為、共通科目は合計250時間と定められています。厚生労働省の部会資料では、2025年3月現在、修了者は11,840人、指定研修機関は462機関です。受講の資格・受講料・期間は機関ごとに違うので、各機関の募集要項で確かめます。

大学院と、認定課程・特定行為研修
大学院に進む
  • 標準2年・30単位以上、修士論文など
  • 修士の学位が得られる
  • 専門看護師は別に実務5年と審査が要る
認定課程・特定行為研修
  • 認定看護師教育は1年の例(1校)
  • 特定行為研修は区分ごとに時間が決まる
  • 認定看護師は別に実務5年と審査が要る

どちらが重い、という図じゃないんだよ。

数字が並ぶと、どれを見ればいいのか迷うよね。

全部を比べなくていいんだよ。気になるところから、読んでね。

3つを並べて、目的で読み分ける

並べると、同じ「学ぶ」でも、目的が違うことが分かります。大学院は、学位を得て、研究に取り組む道です。認定看護師教育課程は、特定の認定看護分野の教育を受ける道で、B課程では特定行為研修が教育に組み込まれています。特定行為研修は、診療の補助のうち、手順書で行う特定行為に必要な知識と技能を学ぶ研修です。

3つの学び方を並べる
比べる点大学院(修士)認定看護師教育課程特定行為研修
期間標準2年(実務者向けは1年以上2年未満の規定あり)修業年限1年(看護研修学校の例)機関・区分ごとに異なる
費用国立の標準額:授業料年535,800円・入学料282,000円機関ごとに異なる(1校の例は認定看護師の記事)機関ごとに異なる(1校の例は特定行為研修の記事)
修了で得られるもの修士の学位認定看護師の受験資格の一部特定行為区分の研修の修了
資格の審査専門看護師は実務5年と審査が別に要る実務5年と審査が別に要る認定の審査ではなく研修の修了
給付金指定講座かは講座ごとに確認この1校の課程は対象外指定講座かは講座ごとに確認

費用・期間は、公表された例と国の標準額です。実際の額と日程は、各機関の募集要項で確かめます。

費用の細かい例は、それぞれの記事にまとめてあるよ。

費用は、単純には並べられません。国立大学の標準額は授業料と入学料の公表額で、2年分を足すと、検定料を含めて1,383,600円が目安です。認定看護師教育課程と特定行為研修は、機関ごとに納付金の組み方が違い、実習で通学や滞在の費用が別にかかることもあります。比べるときは、同じ年度の募集要項どうしで、総額と期間をそろえて並べます。

勤務を続けながら学べるかどうかは、職場の扱い(休職・出張扱いなど)によります。給付金は、雇用保険の教育訓練給付金の指定講座かどうかを、講座ごとに確かめます。詳しくは教育訓練給付金の記事で扱います。

大学院を選ぶときに見る3つの点

大学院に進むと決めたら、次は大学院の選び方です。見る点は、専攻の分野、専門看護師の教育課程の有無、社会人の入試の三つです。

一つ目は、専攻の分野です。看護系の修士課程は、成人・小児・母性・老年・精神・在宅・看護管理・看護教育など、分野ごとに研究室が分かれています。いまの臨床の経験と、修了後にしたい仕事が重なる分野の教員が、どんな研究をしているかを、大学院のサイトの教員紹介で確かめます。

二つ目は、専門看護師の教育課程の有無です。専門看護師を目指すなら、日本看護系大学協議会が認定した教育課程(38単位)がある分野を選びます。同じ大学院でも、分野によって課程があるかが違うので、日本看護協会の「専門看護師教育課程一覧」と、大学院の募集要項の両方で確かめます。

三つ目は、社会人の入試です。募集要項に「社会人選抜」などの区分があるか、試験が小論文や面接中心か、研究計画書が要るかを見ます。専門学校を卒業した人は、施行規則155条1項の個別の入学資格審査が先に要ることがあるので、出願の時期より前に審査の日程を確かめます。

選ぶ前に、自分に聞く3つのこと

どれがよい、という答えは、この記事には書けません。目的と、時間と、お金のどれを先に動かせるかは、人によって違うからです。選ぶ前に、次の3つを書き出してみます。

選ぶ前に書き出す3つ

大学院を選ぶ場合の、入学資格や夜間の履修は働きながら大学院に通う手順に、准看護師から進む場合は准看護師から正看護師へ進むルートにまとめました。認定看護師や専門看護師の制度そのものは認定制度の記事、特定行為研修は特定行為研修の記事で扱います。

書き出した3つが、選ぶときのいちばんの手がかりになるよ。

気になる大学院の教員紹介を、一つ開いてみるのもいいよ。

よくある質問

大学院を修了すれば、専門看護師になれますか?

修了だけでは、なれません。日本看護協会の手引き(第36回、2026年)では、看護師免許、所定の教育の修了、免許取得後5年以上の実務研修(うち3年以上は分野の実務研修)が並び、認定審査への合格も必要です。

認定看護師の教育課程と大学院は、どちらを選ぶのがよいですか?

得られるものが違います。大学院は学位、認定看護師教育課程は認定審査の受験資格の一部になる教育です。修了後に手にしたいものを先に決めると、選びやすくなります。

大学院や認定課程の学費に、給付金は使えますか?

雇用保険の教育訓練給付金は、厚生労働大臣が指定した講座だけが対象です。看護研修学校の2027年度の認定看護師教育課程は、対象外と明記されています。大学院は、講座ごとに検索システムで確かめます。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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