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心とからだのケア

看護師の不安がとまらないとき。書き出して整える手順と、相談先

更新 2026年10月23日読むのに約6分

不安は、形が決まらないまま頭の中で大きくなることがあります。この記事では、紙に書き出して小さく分ける手順と、眠れない夜の過ごし方、不安が続くときの相談窓口をまとめます。

胸のあたりがざわざわして、落ち着かない日ってあるよね。

ここまで来られた自分を、先にほめておこうね。

夜勤の前や、ミスのあとに、不安が増える場面

夜勤に入る前、はじめての処置を任された日、小さなミスをしたあと、急変の対応を思い出した夜。不安は、そんな場面で、頭の中に居座ることがあります。

不安は、それ自体が悪いものではありません。責任を感じているから出てくる面もあります。ただ、形のないまま大きくなると、眠れない、食べられないといった、体の側に出てくることがあります。その手前で、頭の外に出して眺める方法が、書き出しです。

厚生労働省の令和7年(2025年)の労働安全衛生調査では、強い不安、悩み、ストレスの内容として、「仕事の失敗、責任の発生等」を挙げた労働者が39.5%(主なもの3つまで)で、「仕事の量」と並んで最も多い項目でした。看護師に限った数字ではありませんが、失敗や責任への不安を抱えている人が少なくないことは分かります。

不安の種類も、少し分けておきます。「これから起きることへの不安」(夜勤、急変、新しい業務)と、「もう起きたことへの不安」(ミス、きつい言葉、うまくいかなかった対応)では、書き出しの使い方が違ってきます。前者は、備えられることを探す方向に、後者は、事実を整理して、報告や相談が必要かを見る方向に向かいます。

ざわざわしたまま、始めていい

落ち着いてからじゃなくていいよ。ざわざわしたままで、書き出しを始めてみよう。

書き出しの手順:不安を、事実・予想・いまできることに分ける

書き出しは、3つの欄に分けます。思いつくままの、文章になっていない言葉で十分です。次の順に書いてみます。

  • 1. 不安を、一文で書く(例:明日の夜勤で、急変に対応できないかもしれない)
  • 2. 「事実」の欄:いま分かっていることだけを書く(同じ勤務のメンバー、先輩がいるか、手順書の置き場所)
  • 3. 「予想」の欄:まだ起きていないこと、頭の中の想像を書く(急変が起きる、うまく動けない)
  • 4. 「いまできること」の欄:今日のうちに手が届くことを、1つだけ書く(手順を見直す、聞きたいことをメモする)
  • 5. 書き終えたら、予想の欄はそのままにして、事実とできることの欄だけを見返す

事実と予想が混ざると、不安は実際より大きく見えることがあります。分けてみると、予想の欄が長く、事実の欄が短いと気づく人もいます。気づいたからといって、不安がすぐに消えるわけではありません。消すことが目的ではなく、形を見えるようにすることが目的です。

書き出しの例
  • 不安:明日の夜勤で、急変に対応できるか心配
  • 事実:先輩が同じ勤務にいる。手順書は詰所の棚にある
  • 予想:急変が起きる。うまく動けない
  • いまできること:手順書の急変の頁を、5分だけ読む

予想の欄は、長くなっても責めなくていいよ。

書いている途中で、かえって不安が増えることもあります。そのときは、予想の欄に手を伸ばさず、事実の欄と、いまできることの欄だけを書いて、終わりにします。5分たったら、書き途中でも閉じてしまって大丈夫です。頭の中を空にしきることを目指すと、いつまでも終われなくなります。

今夜、5分で試す

書いたものを残して、あとで振り返りたいときは、現在地ログが使えます。日によって不安の中身が変わるかどうかを、見比べられます。

紙とペンを用意できたら、それだけで一歩だよ。

字がきたなくても、だれにも見せないから、気楽にね。

緊張が強い日と、眠れない夜の過ごし方

緊張や不安の体への出方は、人によって違います。ここでは、公的な情報で確かめられる範囲だけを紹介します。

e-ヘルスネット(厚生労働省)の不眠症のページは、眠れないまま長く寝床にいると悪化しやすく、不安や緊張が増して目が冴える、と説明しています。眠くなるまで別の場所で過ごすことを勧めています。睡眠時間の目標にこだわらないことも、対処に挙げられています。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、睡眠の不調があるときは、生活習慣の見直しが大切だが、病気が潜んでいる可能性にも留意する、と書いています。交替制勤務は、体内時計に逆らって生活せざるを得ない、体に負担のかかる勤務形態で、不眠や休養感の低下、業務中の眠気が続いて生活に支障が出るときは、速やかに医療機関を受診するよう案内しています。

夜勤のある人に向けて、睡眠ガイドのQ&Aは、勤務と勤務の間の十分な休息、夜勤中の仮眠、眠気に対するカフェイン摂取、強い照明を避けることなどを挙げています。カフェインは、夜勤時の眠気に有効な場合がありますが、過剰に摂ると、健康や睡眠に悪い影響が出るおそれがあるとも書かれています。

書き出しても楽にならないとき、相談できる場所

不安が続き、眠れない、食べられない、仕事や日常生活に大きな支障が出ているときは、書き出しの段階を過ぎて、相談の段階です。こころの耳(厚生労働省)は、こころの変調に気づいたら、身近な医療関係者に、そして専門医に相談するよう呼びかけています。

  • 働く人向けに話したい:こころの耳の電話相談・SNS相談(平日の夜と土日。祝日・振替休日・年末年始は休み)
  • 住んでいる地域で相談したい:こころの健康相談統一ダイヤルや、保健所・精神保健福祉センター
  • 診てもらいたい:かかりつけの内科、心療内科、精神科
  • 夜中に不安が強くなった:#いのちSOS(0120-061-338)。24時間、無料

番号と受付時間の細かい点は、メンタル相談窓口の一覧にまとめています。電話の前に、書き出したメモを手元に置いておくと、話す順番に迷いにくくなります。

職場の中の相談先もあります。産業医は、治療を行う主治医とは役割が違い、労働者の健康管理を行う医師です(労働安全衛生法13条)。置く義務のある規模や、50人未満の職場の決まりも、上の一覧の「職場」の欄で確かめられます。相談した内容がどう扱われるかは、先に確かめてよい点です。夜勤の前に不安が強くなる人は、書き出しの「いまできること」の欄に、その日の勤務で頼れる人の名前を1人入れておく方法もあります。

近くの窓口は、つらいときの窓口にもまとめています。不安の原因になっているストレスを減らす方法は、ストレスの解消のしかたに、人に話して軽くする方法は、愚痴の出し方にあります。

ざわざわが少し静かになっていたら、今日はそれで十分だよ。おつかれさま。

よくある質問

看護師が夜勤の前に緊張が強いときは、どうすればよいですか?

前日のうちに、その夜の勤務で頼れる人の名前と、迷ったときに見る手順書の場所を、書き出しの「事実」の欄に書いておきます。急変など、起きてもいないことは「予想」の欄に分けます。出勤したら、最初の申し送りの前に、気になる患者さんを1人だけリーダーに伝えておくと、ひとりで抱える感じが減ります。

不安を書き出しても、気持ちが落ち着きません。

書き出しは、不安を消すためではなく、形を見えやすくするための方法です。落ち着かない状態が続き、生活に支障があるときは、こころの耳の相談や、かかりつけの内科、心療内科などに話してください。

夜勤の前の夜、緊張で眠れないときは?

眠れないまま寝床にいると目が冴えやすいため、眠くなるまで別の場所で静かに過ごす方法があります。睡眠ガイドは、不眠や業務中の眠気が続いて日常生活に支障が出るときは、速やかに医療機関を受診するよう案内しています。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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