貯金・家計
看護師のふるさと納税・iDeCo。控除の上限の出し方と確かめる窓口
更新 2026年10月23日読むのに約6分
ふるさと納税もiDeCoも、名前は聞くけれど中身は分かりにくい制度です。どんな仕組みで、どこに条件があるかを知っておくと、自分の場合を確かめる窓口が見えてきます。この記事は、制度の説明だけです。
返礼品のことは、いったん横に置いて、まず仕組みから見ていこう。
ふるさと納税は、寄附額から2,000円を引いた額が対象
ふるさと納税は、自治体に寄附をすると、寄附額から2,000円を引いた額が、税金の控除の対象になる仕組みです。国税庁と総務省の案内で、控除は3つに分かれます。
- 所得税:(寄附額 - 2,000円)× 所得税率。寄附金額は、総所得金額等の40%までが対象
- 住民税の基本分:(寄附額 - 2,000円)× 10%。寄附金額は、所得金額の30%までが対象
- 住民税の特例分:(寄附額 - 2,000円)×(全体から、住民税の基本分10%と所得税率を引いた残りの割合)。住民税の所得割額の20%が限度
数字で流れを見てみます。次は、仕組みを見るための例です(控除の上限の範囲内で、所得税率が10%の人と仮定します)。寄附が30,000円なら、2,000円を引いた28,000円が対象です。所得税は 28,000円 × 10% = 2,800円、住民税の基本分は 28,000円 × 10% = 2,800円、住民税の特例分は、全体から10%と10%を引いた80%を掛けて、28,000円 × 80% = 22,400円で、合計は28,000円になります。つまり、自己負担は2,000円です。実際の限度額は、収入や家族の状況、他の控除で人によって変わります。目安は、総務省のふるさと納税ポータルや自治体の案内にあるシミュレーションで確かめます。
自分の上限は、手元の書類から出せます。2,000円を除く全額が控除されるのは、住民税の特例分が、住民税の所得割額の20%に収まる範囲です。特例分の割合は「90% − 所得税率」(令和19年分までは所得税率に復興特別所得税を含め、所得税率×1.021)なので、上限の目安は「所得割額 × 20% ÷(90% − 所得税率 × 1.021)+ 2,000円」で計算できます(総務省ポータルの式から筆者が変形)。所得割額は、毎年6月ごろに勤め先から渡される住民税の税額決定通知書に載っています。
- 所得割額10万円・所得税率5%:約2.5万円
- 所得割額15万円・所得税率10%:約3.9万円
- 所得割額20万円・所得税率10%:約5.2万円
- 所得割額25万円・所得税率10%:約6.4万円
上の数字は、式に当てはめた計算の例です。通知書の所得割額は前の年の所得から出たもので、ふるさと納税の控除は、寄附した年の所得で決まります。看護師は、夜勤の回数や異動、休職で年収が上下しやすいので、今年の収入が前の年より下がりそうな年は、少なめに見積もります。医療費控除やiDeCoなど、ほかの控除が増える年も、上限は下がります。
控除を受けるには、原則として確定申告をします。期限は、寄附をした年の翌年3月15日までです(令和7年分は、曜日の関係で3月16日まででした)。確定申告が不要な給与所得者は、寄附先が5団体以内なら、ワンストップ特例の申請で控除を受けられます。6団体以上に寄附したときは、確定申告が必要です。ワンストップ特例の申請書の提出期限は、自治体や総務省の案内で確かめます。
- 年内に寄附する寄附額 - 2,000円が対象
- 受領証明書を保管確定申告で使う
- 申告か、ワンストップ5団体以内なら特例
- 翌年の税に反映所得税・住民税の控除
年に1回、同じ順番で回るよ。
ふるさと納税は、受領証明書と、申告の方法だけ、先にメモしておこうね。
iDeCoは引き出しの条件が大事だから、ゆっくり読もうね。
iDeCoは、60歳まで引き出せない、自分で積み立てる年金
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、国民年金基金連合会が運営する、自分で掛金を出して積み立てる年金の制度です。掛金は全額が、小規模企業共済等掛金控除の対象になると、国税庁が案内しています。控除は本人の所得から引かれるので、課税される所得がない人は、控除を受けられません。
大事な条件は、原則として60歳になるまで引き出せないことです。障害や死亡の場合は例外です。受け取りを始められる年齢は、通算の加入者等の期間で決まります。60歳以上で初めて加入した人は、加入から5年を経過したあとです。また、手数料がかかり、金融機関によって違います。運用の成績によっては、元本を割ることもあります。
掛金の上限は、2026年12月1日の改正で、変わります。会社員や公務員は、企業年金の有無による差をなくして、企業年金などと合わせた共通の上限が月6.2万円になります。企業年金がない会社員は、これまで月2.3万円でした。自営業者は、国民年金基金との共通で、月6.8万円から7.5万円になります。この記事を書いた2026年10月時点では、まだ改正前です。改正前の上限は、勤務先の企業年金などの有無で変わっていました。勤務先の制度は個別なので、人事や福利厚生の窓口で確かめます。上限は「入れられる最大」であって、「入れるべき額」ではないので、家計の中で続けられる額から考えます。
iDeCoのしくみは、積み立てた掛金が、将来の年金や一時金として戻る形です。確定拠出年金の老齢給付金を一時金で受け取る場合は、国税庁の案内で、退職所得に含まれるものとされています。退職所得の考え方は退職金の税金にあります。受け取り方の選び方は、人によって違うので、ここでは触れません。
新しいNISAと、確かめる窓口
新しいNISAは、2024年1月に始まった制度です。金融庁の案内では、年間の投資枠が、つみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万円です。併用すると、最大で年間360万円になります。非課税で保有できる総額(非課税保有限度額)は1,800万円で、うち成長投資枠は1,200万円までです。非課税の期間は無期限で、18歳以上が対象です。2027年1月からは、つみたて投資枠の年齢要件がなくなり、0〜17歳も開設できるようになります。
この記事は、制度の説明にとどめます。「iDeCoと新NISAのどちらがよいか」「いくら寄附すべきか」「どの金融機関を選ぶか」は、収入や家族、目的で変わるので、書きません。確かめる窓口は、制度ごとに決まっています。
- 掛金を出す上限は2026年12月に改正
- 所得控除を受ける全額が控除の対象
- 運用する元本割れもありうる
- 60歳以降に受け取る開始は加入期間で決まる
引き出せない時期があるのが、いちばん大事なところ。
- ふるさと納税:総務省のふるさと納税ポータル、寄附先の自治体、税務署
- iDeCo:iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)、勤務先の福利厚生の窓口
- 新NISA:金融庁のNISA特設ウェブサイト、口座を持つ金融機関
- 税の控除全般:国税庁のタックスアンサー、税務署
確定申告との関係は、確定申告が必要になる場面と手順にまとめています。貯金の優先順位は、看護師の貯金の必要額を出す手順から先に考えると、無理のない順番で進めやすくなります。老後のお金の全体像は、看護師の老後資金の考え方で扱っています。
気になった窓口を、一つだけ控えておこう。
制度の名前が、少しずつ中身のあるものに見えてきたなら、今日は十分だよ。
よくある質問
ふるさと納税は、確定申告が必要ですか?
原則として確定申告をします。確定申告が不要な給与所得者は、寄附先が5団体以内なら、ワンストップ特例の申請で控除を受けられます。医療費控除などで確定申告をする年は、ワンストップ特例が無効になるので、申告に含めます。
iDeCoは、いつでも引き出せますか?
原則として、60歳になるまでは引き出せません。障害や死亡の場合は例外です。手数料がかかり、運用成績で元本割れもありえます。制度の詳細は、iDeCo公式サイトで確かめます。
看護師は、iDeCoの上限額が違いますか?
2026年10月時点では、勤務先の企業年金などの有無で上限が変わります。2026年12月1日の改正で、会社員・公務員は、企業年金などと合わせた共通の上限が月6.2万円になります。自分の場合は、勤務先の窓口で確かめます。
出典・参考(公的な情報)
- No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)(国税庁)
- 税金の控除について(ふるさと納税)(総務省 ふるさと納税ポータル)
- ふるさと納税の流れ(総務省)
- No.2260 所得税の税率(国税庁)
- 2026年12月からiDeCoがパワーアップ!制度改正の3つのポイント(厚生労働省 Webマガジン)
- 制度改正について(iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会))
- iDeCoの特徴(引き出し・手数料など)(iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会))
- No.1135 小規模企業共済等掛金控除(国税庁)
- NISAを知る:NISA特設ウェブサイト(金融庁)
- No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)(国税庁)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
つぎに読む
この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。