地方・移住
看護師の移住転職。自治体の支援を探す順番と、申請の期限の落とし穴
更新 2026年10月23日読むのに約6分
この記事には広告(PR)を含みます。転職サービスは、順位を付けず、同じ書式で並べています。
移住して看護師として働くとき、使える支援は国・県・市町村・勤め先にばらばらにあります。この記事では、探す順番と、申請の期限で落とし穴になりやすい点を、手順にまとめます。
おつかれさま。海のそばや山の町で働く暮らし、ちょっと想像してみたことはある?
移住の支援は探し方にコツがあるから、順番に並べるね。
支援は4か所にばらけている。まず地図を描く
移住のお金の支援は、一つの窓口にまとまっていません。国の枠組みで自治体が出すもの、看護職に絞って自治体が出すもの、住まいの補助、地域に入って活動する制度。出どころが違えば、対象も、申請の窓口も、期限も違います。まず、四つに分けて眺めます。
- 移住支援金:内閣府の枠組みで、都道府県と市町村が共同で支給します。世帯で100万円以内、単身で60万円以内(都道府県が設定)。18歳未満の世帯員を連れて移る場合は、1人につき最大100万円が加算されます
- 看護職のUIJターン向けの補助:自治体ごとの独自の事業です。愛媛県今治市(2025年度の要綱)と、山口県(2026年度)の例を確かめました
- 住まいの補助:岐阜県飛騨市は、市内の医療・介護機関に正規職員として勤める人に、家賃の2分の1(月3万円まで、24か月まで)を補助しています(2026年時点の案内)
- 地域おこし協力隊:総務省の制度です。原則として1〜3年、都市部から地域に移住して活動します
ここに並べたのは、どれも自治体の公式ページや要綱で確かめた「例」です。補助があるかどうか、金額、対象が本人なのか医療機関なのか、いつまで受け付けるかは、自治体で大きく異なります。希望先の県・市町村の窓口で、最新の内容を確かめてください。
同じ「支援」でも、出どころでこんなに違うんだね。
自分が当てはまりそうなのは、どれだろう。
沖縄や北海道のように、地名を決めてから調べ始める人もいると思います。その場合も、見る順番は同じです。北海道では、北海道知事の指定を受けて北海道看護協会が運営する北海道ナースセンターが、看護職の無料職業紹介を行い、看護職の専門相談員が各地のハローワークに出向いて相談に応じています(札幌市内は前日までの予約制)。沖縄では、ハローワーク沖縄で沖縄県ナースセンターの担当者が相談に応じる「ナースセンター合同オンライン相談」が開かれています(2025年12月の開催例)。道外・県外から移る人も、まずこうした窓口で求人の様子を聞けます。お金の面では、沖縄県の令和8年度の島しょ地域介護人材確保対策補助金は、看護師・准看護師を含む資格保有者を離島・過疎地域以外から新たに採用した法人が、転居費用の補助を受ける枠です。事業の主眼は介護サービス事業所で、本人が受け取る制度ではありません。誰が受け取る制度なのかを、最初に確かめます。離島そのものの働き方は、離島・へき地で働く看護師で扱います。
手順で見る。順番を間違えると、受けられない制度がある
探す順番は、次の5つで考えると迷いにくくなります。
- 1. 移住先の候補の県・市町村を、2〜3か所に絞る
- 2. それぞれの移住支援の窓口で、看護職が使える制度と、受付の期間を聞く
- 3. 都道府県ナースセンターとハローワークで、求人と条件を聞く
- 4. 制度ごとに「いつまでに、何をするか」を表にして、条件を満たす順番で退職・転居・入職の日を決める
- 5. 申請して、受付の記録や通知を保管する
- 県・市を絞る2〜3か所
- 制度と期間を聞く移住支援の窓口
- 求人を探すナースセンター・ハローワーク
- 日付を並べる制度ごとの期限
- 申請する記録を保管
期限を先に書き出すと、動く順番が決まるよ。
順番が効いてくる場面を、確かめた制度の例で並べます。どれも例で、自分の移住先の制度とは条件が違うかもしれません。
- 山口県の県外看護学生Uターン応援事業(2026年度):就職の前に認定を受ける必要があります。入職の日を決める前に、認定の申請の時期を確かめます
- 今治市のUIJターン看護師等支援事業費補助金(2025年度の要綱):申請は、勤務開始日が属する年度に行います
- 国の移住支援金:転入後1年以内に申請します。申請後5年以上、移住先の市町村に住む意思が条件で、申請から5年以内に転出すると、返還の対象になります
- 飛騨市の家賃補助(2026年時点の案内):転入日から1年以内の人が対象です
期限は制度ごとに違います。例は確かめた範囲です。申し込む前に、窓口で確かめてください。
全部を一つの日付に合わせるのは、むずかしそうだね。
移住支援金で、看護師が見落としやすい3つの条件
国の枠組みの移住支援金には、移る前の住まいの条件があります。内閣府のページでは、移住直前の10年間で通算5年以上、東京23区に住んでいたこと(または東京圏に住んで23区へ通勤していたこと)、直近の1年以上は23区に住むか通勤していたこと、が示されています。雇用者としての通勤は、雇用保険の被保険者であることも条件です。移住先は、東京圏以外の道府県などで、移住支援事業を実施している自治体です。
看護師であることだけで、自動的に対象になるわけではありません。就業等の条件は、地域の中小企業等への就業(道府県のマッチングサイトに掲載された求人など)、テレワークで移住前の業務を続けること、といったもののいずれかです。山口県の例では、「やまぐちジョブナビ」に掲載された移住支援金の対象求人(週20時間以上の無期雇用)に新規就業することが要件の一つで、移住支援金を実施しない市町もあるため、移住先の市町に確認するよう案内されています。
- 移住元:東京23区などから移る人が中心の制度です。山口県のページには、国の基本の枠組みとは別の類型(東京圏・愛知・京都・大阪・兵庫・広島・福岡)が示され、50万円(複数人)・30万円(単身)と案内されています。県ごとに違います
- 就業先:県の対象求人かどうか。応募の前に、その求人が対象に当たるかを、窓口で確かめます
- 実施の有無と年度:移住先の市町村が実施していない場合があります。国のページに年度の記載はなく、令和8年度の実施は、実施自治体の最新の公表で確かめます
国の枠組みの移住支援金
東京23区などから移る人が対象。就業先は県の対象求人などが条件です。県と市町村が支給し、実施しない市町村もあります。
看護職向けの自治体の補助
確かめた2つの例では、その自治体の医療機関などに就職する看護職が対象でした。条件も金額も、自治体ごとに違います。
看護職向けの補助の中身も見ておきます。今治市の補助(2025年度の要綱)は、看護師等の免許を持ち、市内の医療機関に常勤職員(1月120時間以上)として新たに勤め、3年以上続ける意思がある人で、就職を機に市内へ転入した人などが対象です。補助額は、基準額20万円と、実際にかかった費用の少ないほうです。対象の経費には、引っ越し代、公共交通機関や高速道路の旅費、賃貸の礼金・仲介手数料・家賃、医療機関で使う被服・書籍、通勤用の自転車、生活用品などが含まれます。市外の医療機関から転勤で市内の医療機関に勤める人や、勤務開始前1年以内に市内の医療機関に勤めていた人は、対象外です。
山口県の県外看護学生Uターン応援事業(2026年度)は、県外の看護学生か既卒者で、奨学金を返還予定か返還中の人が対象です。採用日に40歳未満、県内の病床数200床未満の病院・診療所・訪問看護事業所に正規雇用で就職、就職後5年間の継続見込みなど、条件が重なります。補助は、奨学金の返還残額の2分の1(上限144万円)を5年に分けて支給します。Uターンの人なら誰でも使える制度ではありません。Uターンそのものの考え方は、Uターン転職の進め方に任せます。
探す窓口は3つ。県・市町村、ナースセンター、ハローワーク
制度を探す窓口は、大きく3つあります。1つ目は、移住先の県・市町村の移住支援の窓口で、移住支援金や自治体独自の補助は、ここで聞きます。2つ目は、看護職の就業の相談先のナースセンターです。3つ目は、ハローワークです。
都道府県ナースセンターは、都道府県知事の指定を受けて各都道府県の看護協会が運営する無料の職業紹介の窓口で、47都道府県すべてに1つ以上のセンターかサテライトがあります。日本看護協会が運営するeナースセンターでは、医療機関のほか、訪問看護ステーションや介護施設などの求人を探せます。キャリアの相談も受けられますが、サービスの内容は都道府県によって異なります。移住先の県のナースセンターにも、窓口で聞いてみます。窓口は、eナースセンターの都道府県ナースセンター一覧で確かめられます。
ハローワークには、看護などの人材不足の分野の就職を希望する人向けの「人材確保対策コーナー」があります(ハローワーク大阪西の案内の例)。ハローワークインターネットサービスには、2026年4月から全国のハローワークで「医療・福祉ささえる求人充足プロジェクト」を始めた、というお知らせも掲載されています。求人の探し方は、ハローワークの看護師求人の使い方で扱います。移住先の給与の見方は、地方で働く看護師の給料も参考になります。
地域おこし協力隊は、看護職向けの制度ではありません。総務省のページには、任期終了後に約7割の隊員が同じ地域に定住すると書かれていますが、看護職の募集があるかどうかは、募集ごとに異なります。選択肢の一つとして、頭の片隅に置く程度で足ります。
住まいは、別に探します。飛騨市のように家賃を補助する自治体はありますが、看護師なら家賃が補助される、とまでは言えません。病院の寮や借り上げ社宅の費用や条件は、公的な情報で確かめられていないので、勤め先に直接聞きます。
ここまで、情報が多かったよね。全部をいっぺんに決めなくていいからね。
窓口に1本、問い合わせてみるところからで十分だよ。
よくある質問
移住支援金は、看護師なら誰でももらえますか?
いいえ。移住元の条件(東京23区などに住んでいたこと)、移住先の自治体が実施していること、県の対象求人への就業など、複数の条件があります。看護師であることだけで対象になるわけではないため、移住先の県・市町村の窓口で確かめてください。
支援の情報は、どこで探せばよいですか?
移住先の県・市町村の移住支援の窓口、都道府県ナースセンター、ハローワークが入口です。自治体の補助は年度や受付期間が変わるため、公式ページや窓口で最新の内容を確かめます。
北海道や沖縄に移住して看護師として働くには、どこに相談すればよいですか?
北海道は北海道ナースセンター(北海道看護協会が運営)が無料職業紹介を行い、各地のハローワークでも出張相談を開いています。沖縄はハローワーク沖縄で沖縄県ナースセンターの担当者が相談に応じる回があります(開催日は地方就活支援サイトなどで確かめます)。補助の有無は市町村の窓口で確かめます。
出典・参考(公的な情報)
- 移住支援金(内閣府(地方創生))
- 大都市圏から山口へ!移住就業された方へ移住支援金を支給します!(山口県)
- 山口県県外看護学生Uターン応援事業(リーフレット)(山口県健康福祉部医療政策課)
- 今治市UIJターン看護師等支援事業費補助金交付要綱(今治市)
- 医療・介護等専門職員賃貸住宅家賃補助事業(飛騨市)
- 地域おこし協力隊とは?(総務省)
- 令和8年度島しょ地域介護人材確保対策補助金(沖縄県)
- 北海道看護協会 ナースセンターからのお知らせ(ハローワーク札幌)(北海道労働局(厚生労働省))
- ナースセンター合同オンライン相談(ハローワーク沖縄・沖縄県ナースセンター)(厚生労働省(地方就活支援サイト))
- eナースセンター(トップ)(ナースセンター(日本看護協会))
- 人材確保対策コーナー(ハローワーク大阪西の案内の例)(大阪労働局(厚生労働省))
- ハローワークインターネットサービス(トップ)(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
つぎに読む
この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。