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地方・へき地

看護師が離島・へき地で働くには。手当・募集の例・見学で聞くこと

更新 2026年10月23日読むのに約6分

離島やへき地の看護は、写真や体験記の印象が先に立ちます。公的な募集の例と手当の仕組み、聞いて確かめる項目に分けて、働く前の準備を並べます。

海に囲まれた島で働く看護師さんも、いるんだよね。

憧れと不安、どっちも一度、並べてみようか。

離島・へき地の看護は、どんな場所で行われているか

離島やへき地は、島や山間部など、医療機関へ行きにくい地域を指して使われる言葉です。そこで働く看護師の姿は、地域や施設によってさまざまです。この記事では、厚生労働省の資料で確かめられた事例を、1つの例として挙げます。

鹿児島県の十島村の例が、厚生労働省医政局の資料(令和5年度の研修会資料)に載っています。村の医療機関は、有人の7島にあるへき地診療所で、常勤の医師はおらず、看護師のみが常駐しています。患者さんの家を看護師が訪問するときは、タブレット端末を持参し、必要に応じて、患者さんの画像や心電図などを、リアルタイムで医師に伝えます。そして、医師の指示のもとで、看護師が処置を行います。令和3年度の事業の事例です。

この例から読み取れるのは、看護師が、医師のいない場所で、観察と報告の役割を担う場面があることです。新潟県の粟島浦村(離島)の診療所の募集も、無医村で、本土の病院の協力によるオンライン診療と、緊急時の本土への搬送ルートがある体制と案内しています。看護師の定数は3人で、日勤に加えて24時間の急患対応があります。診療所の体制は、島ごと、施設ごとに違います。

同じ資料には、へき地医療拠点病院の説明もあります。へき地の診療所などへの医師の派遣、代診医の派遣、巡回診療の3つが主要な事業で、遠隔医療とあわせて、必須の事業とされています。看護師の派遣は、この資料の統計には項目がありません。拠点病院が地域を支える仕組みがあることは分かりますが、看護師個人の働き方までは、この資料からは分かりません。

手当・住まい・募集の例

国の仕組みとしては、令和5年(2023年)4月に、改正された離島振興法が施行されました。厚生労働省の資料によると、離島地域の医療の確保について特別の配慮をするものとされ、離島地域での遠隔医療の実施も、新たに盛り込まれました。国土交通省の「離島振興のための支援メニュー集」(令和8年度版)にも、同じ施行の記載があります。このメニュー集の本文には、看護師や医療従事者を個別に扱う項目は見当たりません。

手当は、雇い主によって決まり方が違います。県や市町村の職員として診療所や県立病院で働く場合は、給与の条例・規則で、離島や山間部の勤務に特地勤務手当などを付ける仕組みがあります。たとえば香川県の規則(令和7年12月改正)では、給料と扶養手当の月額の合計に、勤務先の級地に応じて4%(1級地)から25%(6級地)を掛けた額です。どの島の施設が何級地かは、自治体ごとの別表で決まります。民間の病院や法人の場合は、その法人の給与規程によります。

募集の実例も、公的なページで見られます。東京都保健医療局は、離島・山間町村の医療従事者の募集をまとめており、令和8年9月3日時点で、新島村・御蔵島村・青ヶ島村の国民健康保険の診療所などが看護師を随時募集しています。新潟県の粟島浦村の募集では、正職員で、寮・社宅があり、初任給は短大3年卒で278,800円(職歴に応じて加算)と示されています。住まいの用意や家賃の扱いは、募集ごとに違うため、募集要項で確かめます。

自治体の補助の例として、沖縄県の令和8年度の島しょ地域介護人材確保対策補助金があります。看護師・准看護師を含む資格を持つ人を、離島・過疎地域以外から新たに採用した場合に、法人が負担した転居費用を補助する枠で、上限は、無期雇用で1人20万円、有期雇用で1人10万円です。ただし、事業の中心は介護サービス事業所で、補助を受けるのは法人です。本人がもらえるお金ではないので、「離島に行くと20万円もらえる」とは読めません。

分かっていることと、聞いて確かめることを、分けておこうね。

探し方の順番:窓口に聞き、現地で確かめる

離島やへき地の求人を探すときは、3つの窓口が出発点になります。1つ目は、県の看護担当課です。看護職の確保に関わる県の窓口なので、離島やへき地の働き先について、案内できるものがあるかを問い合わせます。2つ目は、都道府県のナースセンターです。無料の職業紹介を行い、相談員が希望の条件から就業先を探すと、厚生労働省は案内しています。3つ目は、ハローワークです。人材確保対策コーナーを置くところがあり、2026年4月から全国のハローワークで、医療・福祉分野の仕事さがしを重点的に支援する取り組みが始まったと、ハローワークインターネットサービスは掲載しています。

離島・へき地で働くまでの探し方
  1. 条件を書く期間・家族・譲れない点
  2. 窓口に聞く県の看護担当課・ナースセンター
  3. 求人を見るハローワークなど
  4. 現地を見る見学・面談
  5. 暮らしを下見する住まい・買い物・交通

働く前に、暮らしの下見までが一続きだよ。

具体的な求人は、時期によって変わるので、ここには載せません。窓口に聞くときは、「離島」「へき地」という言葉に加えて、希望の期間(数年か、長期か)と、家族の同行の有無を伝えると、紹介される情報が絞られます。サービスの内容は、都道府県によって違うので、使う県の窓口で確かめます。ナースセンターの使い方は、ナースセンターの記事にまとめます。

条件整理シートと、見学で聞くこと

離島やへき地の職場は、本土の病院と同じ物差しでは比べにくい点があります。次の表は、見学や面談で聞くことを、項目ごとにまとめた条件整理シートです。表の中身は、聞く内容の例で、数字や条件は書いていません。

見学・面談の条件整理シート
確かめること聞く内容の例聞く先
医師と応援の体制常勤の医師はいるか。いないとき、相談の手段と連絡の順番は勤め先・見学時
任される業務の範囲看護師が1人になる時間帯はあるか。判断と処置の範囲の決まりは勤め先・見学時
勤務と休み夜間や休日の呼び出し、交代の人員、休みの取り方は勤め先・書面
住まい住居の用意はあるか。家賃と契約の形は勤め先・自治体
移動と暮らし本土や町への移動手段、買い物、通院の事情は現地・自治体の窓口
家族の事情配偶者の仕事、子どもの学校や保育、介護の見通しは自治体の窓口

聞く内容の例です。数字や条件は、勤め先と自治体の窓口で確かめてください。

聞くことを決めておけば、見学が早く進むよ。

見学の前に、書いておくこと

見学の日は、仕事の場面だけでなく、住まいの候補地、買い物をする場所、移動の手段を、実際に歩いて確かめます。可能であれば、勤め先の職員に、暮らしの中で困ったことを聞ける機会があるかを尋ねます。仕事の話と暮らしの話を、同じ日に聞くと、見えてくる全体像が変わります。

看護師が1人になる時間帯と、そのときに医師へ相談する手段や、困ったときの連絡の順番を、教えていただけますか。

体制を確かめる質問の例

向き不向きを考える材料

向き不向きを考えるとき、性格だけでなく、暮らしと仕事の距離も材料になります。仕事の場所と暮らしの場所が近いとき、職場の人との距離をどう感じるかも、続けたい気持ちを考える材料になります。十島村の例のように、看護師が医師のいない場所で観察と報告を担う働き方もあるので、1人で判断する場面を、どう受け止めるかも材料になります。

家族の事情も、大きな条件です。配偶者の仕事、子どもの学校や保育、介護の見通しは、窓口と自治体で確かめます。数年と期間を決めて行けるのか、長期で根を下ろしたいのか、で探す先も変わります。答えが出ないときは、条件を書き出して、別の地方の働き方と見比べてみます。地方の給与の見方は、地方の看護師の給料の記事に、Uターン・Iターンの手順は、Uターン転職の記事にあります。

憧れがあっても、不安があっても、どちらも大事な材料だよ。

聞くことを決めておけば、行ってから慌てないで済むよ。

よくある質問

離島やへき地では、看護師が1人で判断する場面が増えますか?

施設によって体制は違います。厚生労働省の資料の十島村の例では、看護師のみが常駐し、画像や心電図を医師へ送り、医師の指示のもとで処置を行います。見学で、1人になる時間帯と連絡の手段を確かめます。

離島で働くと、手当や住居の補助は出ますか?

県や市町村の職員として働く場合は、条例・規則で特地勤務手当などが付く仕組みがあります(香川県の例では、給料と扶養手当の合計の4〜25%)。住まいは、寮・社宅を用意する募集もあります。民間の法人は給与規程によるため、募集要項で確かめます。

離島の求人は、どこで探せますか?

県の看護担当課、都道府県のナースセンター、ハローワークが出発点です。具体的な求人は時期で変わるので、窓口に、希望の期間と家族の同行の有無を伝えて聞きます。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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