本文へ
ナースの現在地診断する

当サイトは広告(PR)を含みます。掲載サービスから報酬を受け取ることがあります。

文例・医師への報告

看護師と医師のコミュニケーション。SBARで伝わる報告の例文と言い換え

更新 2026年10月23日読むのに約6分

医師への報告は、話す内容より先に、順番が決まっていると言い出しやすくなります。この記事では、SBARの4項目を軸に、場面別の例文と、伝わりにくい言い方の言い換えをまとめます。

話しはじめたら長くなって、途中で迷子になること、あるよね。

SBARの4項目を、一言ずつ並べる

SBARは、報告の順番を決める型の1つで、医療や看護の場で報告や引き継ぎに使われることがあります。4つの頭文字は、状況(Situation)、背景(Background)、見立て(Assessment)、お願い(Recommendation)です。報告の一般的な考え方は報連相のコツで扱っているので、ここでは医師への報告に絞ります。

4項目それぞれに、1〜2文ずつ入れます。長く話さず、1項目を短く言い切るのが目安です。

  • S 状況:誰のことで、いま何が起きているか。「〇号室の□□さんです。〇時から〇〇が続いています」
  • B 背景:判断に必要な、入院の理由と経過。「〇〇で入院中で、〇日に〇〇を受けています。直前の数値は〇〇でした」
  • A 見立て:観察した事実から、自分が気にしていること。「〇〇が強くなっているように見えて、気になっています」
  • R お願い:医師にしてほしいこと。「診察をお願いできますか」「〇〇の指示をいただけますか」

Aは、診断を言い切る場所ではありません。診断は医師の判断です。観察した事実から、何が気になっているのかを、「〜のように見えます」「〜が気になっています」と言います。どう対応するかは、医師の判断と、施設の手順に従います。ここに載せた文例は、伝え方の土台として使ってください。

電話の前に、手元へ書く4行
  • S 状況:〇号室の□□さん、〇時から〇〇が続いている
  • B 背景:〇〇で入院、〇日に〇〇、直前の数値は〇〇
  • A 見立て:〇〇が強くなっているように見える
  • R お願い:診察をお願いしたい/〇〇の指示がほしい
  • 手元:記録、直近の数値、指示の一覧を開いておく

4行だけ書いておけば、電話口で迷いにくくなるよ。

急ぎのときは、順番を入れ替える方法もあります。名乗って状況を言ったあと、先にお願いを伝えます。「〇〇が続いています。すぐに診ていただけますか。経過は、〇日に〇〇を受けた方です」のように、Rを先に、BとAをあとから足します。相手が、まず動くかどうかを決められるからです。

電話・直接・夜間。場面別の文例

4項目は同じでも、場面によって、最初の一言が変わります。そのまま読むのではなく、自分の言葉に直す土台として並べます。〇は、実際の内容に置き換えてください。

  • 日中の電話:「〇〇病棟の△△です。〇号室の□□さんのことで、ご報告です。〇時から〇〇が続いています。〇日に〇〇を受けた方で、直前の数値は〇〇でした。〇〇が強くなっているように見えて気になっています。診察をお願いできますか」
  • 直接話しかけるとき:「お忙しいところすみません。1分だけ、〇号室の□□さんのことで、よろしいですか。〇〇が続いています。診ていただきたいのですが、いかがでしょうか」
  • 夜間の電話:「夜分にすみません。〇〇病棟の△△です。〇号室の□□さん、〇時から〇〇が続いています。急ぎでお願いしたいので、先にお願いから言います。診察に来ていただけますか。経過は、〇日に〇〇を受けた方です」
  • 指示の確認:「〇〇を〇回、と理解しました。間違いありませんか」

夜間の電話は、相手が状況をつかむまでに時間がかかることがあります。病棟名と名前、患者さんの特定を、ゆっくり、先に伝えます。早口で押し切るより、聞き取りやすさのほうが、結果として短く済みます。

電話をかける前の、手元の準備

報告のあと、指示が出たら、復唱で確認します。「〇〇を〇時までに、ですね」と返すだけで、聞き間違いを防げます。電話を切る前に、「状態が変わったら、もう一度ご連絡します」と一言添えると、次の連絡もしやすくなります。

報告のあとは、記録にも残します。いつ、誰に、何を伝え、どんな指示を受けたか。施設の記録の書き方に従って、時刻と内容を、早めに書きます。あとから見返す人が、同じ経過をたどれるようにするためです。口頭の報告と、記録の内容が食い違わないよう、4項目の順に書くと、そろえやすくなります。

言いにくい報告は、事実を先に言うと、少し楽になるよ。

言いにくい報告の文例

報告の中には、言い出しにくいものがあります。自分のミスに気づいたとき、指示の内容に疑問があるとき、返事が曖昧なとき。いずれも、事実を先に、そのあとにお願い、の順にすると、責める形にも、言い訳の形にもなりにくくなります。

  • 自分のミスや見落としに気づいたとき:「確認したいことがあります。〇時に〇〇をしましたが、〇〇だったことに気づきました。いまは〇〇の状態です。どう対応すればよいか、ご指示をいただけますか」
  • 指示の内容に疑問があるとき:「〇〇の指示について、確認させてください。〇〇の状態ですが、このままでよろしいでしょうか」
  • 返事が曖昧なとき:「いつまでに、どなたにご連絡すればよいでしょうか」「〇時に状態を見て、もう一度ご連絡してもよろしいですか」

疑問は、指示に反対するために言うものではありません。患者さんの状態や条件を、確認するために言います。「間違っていると思います」ではなく、「〇〇の状態ですが、〇〇でよいでしょうか」と、状態を添えた確認の形にします。

自分のミスの報告は、謝罪を長くするより、事実と対応を先に伝えます。施設のインシデント報告の手順がある場合は、それにも従います。謝る言葉は一言にとどめ、そのあとに、いまの状態と、取れそうな対応を話します。新人の時期に、先輩を通して報告する流れや、指示の復唱のしかたは、新人の報告のしかたで、SBARとの対応がわかる形にまとめています。

文字で伝える場面では、短さがいっそう大切です。件名や先頭の一行に、患者さんの特定と、お願いを置きます。そのあとに、状況と背景を、箇条書きで足します。個人が分かる情報の扱いは、施設の決まりに従います。電話の型を文字にしただけで、読みやすさは、かなり変わります。

看護師と医師のコミュニケーション。伝わりにくい言い方の言い換え

よく見かける言い方を、4つ並べます。どれも、悪いわけではありません。相手が次に動くために必要な情報が、足りないだけです。

伝わりにくい言い方の、言い換え
伝わりにくい言い方伝わらないこと言い換え
「なんとなく、様子がおかしいです」何が、いつからか「〇時から〇〇が続いています」
「どうしたらいいですか」何をしてほしいのか「診察をお願いしたいです」
経過を最初から話す結論までが長い状況とお願いを先に、経過は聞かれてから
「たぶん〇〇だと思います」事実か推測か「事実は〇〇、推測は〇〇です」

文例は、勤め先の手順と、患者さんの状態に合わせて直してください。

言い換えは、1つずつ試すだけで十分だよ。

緊張で頭が真っ白になるときは、最初の一文だけを、いつも同じにしておきます。「〇〇病棟の△△です。〇号室の□□さんのことで、ご報告です」。この一文から、4項目につなげると、言葉が出やすくなります。

医師の反応が厳しくて、報告そのものが怖いと感じるときは、伝え方だけでなく、気持ちの整理が先に要ることもあります。医師が怖いときに、準備の手順をまとめました。勤務の交代のときに、医師への報告の経過を次の人へ渡す場面は、申し送りを短くまとめる型が使えます。

型を1つ持っておくと、電話の前の心細さが、少し軽くなるよ。

よくある質問

医師に電話するとき、何から話せばよいですか?

病棟名と名前、誰のことかを、先に伝えます。そのあと、いま何が起きているか(状況)、お願いしたいこと、の順に続けると、相手が動きやすくなります。経過は、聞かれたときに足します。

SBARの「A」には、診断を言ってもよいのですか?

診断は医師の判断です。Aには、観察した事実から、自分が気にしていることを入れます。「〇〇のように見えて、気になっています」のように、事実と気がかりを分けて伝えます。

医師が忙しそうで、報告をためらってしまいます。

患者さんの状態に関わる報告は、待てるかどうかで分けて考えます。待てないことは、先にお願いから伝えます。待てることは、手が空く時間帯を選び、メモにまとめて渡す方法もあります。施設の手順があれば、それに従ってください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

約3分・会員登録なし診断をはじめる