資格の全体像
准看護師と正看護師の違い。仕事・給料・免許・なり方を表で比べる
更新 2026年10月23日読むのに約6分
准看護師と正看護師の違いは、免許を出すのが都道府県知事か厚生労働大臣か、医師や看護師の指示を受けて働く定めか、養成が2年以上か3年以上かの3点です。そのうえで、給料や働く場、資格の入口の違いを表で比べます。
准看護師と看護師の違いって、説明しようとすると、意外と言葉に詰まるよね。
条文に書かれた違いは、3つに絞れる
法律上の名前は、「看護師」と「准看護師」です。「正看護師」は、一般的な呼び方で、法律には出てきません。保健師助産師看護師法の5条と6条が、それぞれの定義を書いています。この記事は、読みやすさのために、看護師のことを正看護師とも書きます。
5条は、看護師を、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者もしくは褥婦に対する療養上の世話、または診療の補助を行うことを業とする者と定めています。6条の准看護師も、同じ療養上の世話と診療の補助を業とします。違いは、次の3つに現れます。
1つ目は、免許を出す人です。看護師は、厚生労働大臣の免許を受けます。准看護師は、都道府県知事の免許を受けます。免許を出すのが、国か、都道府県かで違います。
2つ目は、指示の書き方です。6条は、准看護師を、医師、歯科医師または看護師の指示を受けて、療養上の世話または診療の補助を行うことを業とする者と定めています。看護師の定義(5条)には、「指示を受けて」という言葉は書かれていません。看護師が診療の補助を行うときの医師の指示の扱いは、別の条文や現場の運用にも関わるため、この記事では広げません。
3つ目は、業の制限です。31条は、看護師でない者が5条の業をしてはならないとし、32条は、准看護師でない者が6条の業をしてはならないとしています。それぞれの免許を持たない人は、その業を行えない、という形です。
養成の基準で比べる
養成の基準は、保健師助産師看護師学校養成所指定規則に書かれています。看護師3年課程は、入学資格が高等学校卒業等で、修業年限は3年以上、教育内容は102単位です。准看護師の学校養成所は、入学資格が中学校卒業等で、修業年限は2年以上、教育内容は合計1,890時間です。
看護師の入口は、3年課程のほかにもあります。21条は、文部科学大臣が指定した大学(短期大学を除く)で学んで卒業した人、文部科学大臣が指定した学校で3年以上学んだ人、都道府県知事が指定した看護師養成所を卒業した人にも、看護師国家試験の受験資格を認めています。准看護師の試験(22条)には、2年の看護の学科を修めた人、准看護師養成所を卒業した人のほか、看護師国家試験の受験資格に当たる人も含まれます。
看護師国家試験の受験資格(21条)には、3年課程などのほか、准看護師から進む道(免許を得た後3年以上の業務従事などの条件つき)も含まれます。この道は、准看護師から正看護師へ進むルートにまとめました。
| 項目 | 准看護師 | 看護師 |
|---|---|---|
| 免許を出す人 | 都道府県知事 | 厚生労働大臣 |
| 条文での業の書き方 | 医師・歯科医師・看護師の指示を受けて、療養上の世話・診療の補助 | 療養上の世話・診療の補助(「指示を受けて」の語はない) |
| 学校の入学資格 | 中学校卒業等 | 高等学校卒業等(3年課程) |
| 修業年限の基準 | 2年以上 | 3年以上(3年課程) |
| 教育内容の基準 | 合計1,890時間 | 102単位(3年課程) |
| 日本看護協会の認定資格 | 受験資格に看護師免許が挙がっており、准看護師の免許は要件に書かれていない | 要件の1つが看護師免許 |
年数や時間は、国の基準の下限です。学校ごとの実際の課程と、各制度の最新の要件は、窓口で確かめます。
「確かめたこと」だけを並べた表だよ。
厚生労働省の看護基礎教育検討会報告書(令和元年10月15日)は、准看護師に求められる能力と、卒業時の到達目標を新たに策定しました。到達目標の冒頭には、准看護師は法令に基づき、医師、歯科医師または看護師の指示を受けて療養上の世話と診療の補助を行う旨が示されています。業務範囲が法律上、看護師と違いがあることを踏まえたものです。
次は、給料と、進学や資格のところで扱いが分かれる所を見てみよう。
給料と働く場で、差が出る所
令和7年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)では、看護師のきまって支給する現金給与額は36万5,900円、年間の賞与などは85万6,400円でした。准看護師は30万3,200円と63万6,800円です。月額×12+賞与で計算すると、看護師は約525万円、准看護師は約428万円で、約97万円の差になります(筆者計算。10人以上の民営事業所で働く人の平均)。ただし平均年齢は、看護師が42.1歳、准看護師が51.8歳で、年齢や勤続の違いも含んだ差です。年齢別の比べ方は、准看護師の給料と年収で扱います。
働く場も違います。令和6年衛生行政報告例では、働いている准看護師は233,022人で、2年前より8.4%減りました。働く場所は、病院が32.7%、診療所が32.8%、介護保険施設等が25.4%です。看護師は1,363,142人で、病院が65.7%を占めます。准看護師は、診療所や介護施設で働く人の割合が高いことが分かります。
資格や進学の入口で、扱いが分かれる所
日本看護協会の認定看護師・専門看護師・認定看護管理者は、2026年の手引きで、受験資格のひとつに「日本国の看護師免許」を挙げています。准看護師の免許は、その要件には書かれていません。看護師免許を取ることが、これらの認定制度へ進む前提のひとつになります。
特定行為研修を定めた保健師助産師看護師法37条の2も、手順書により特定行為を行う「看護師」を対象に書いています。特定行為や研修の中身は、特定行為研修の記事で扱います。
「看護師から保健師へ」は、看護師の免許を持ったまま切り替わるのではなく、保健師の養成課程を修めて、保健師国家試験に合格する道です。保健師の養成課程は、指定規則で修業年限が1年以上と定められています。准看護師の免許だけで進めるかどうかは、入学資格(看護師国家試験の受験資格に当たること)を満たすかどうかで決まるため、学校の募集要項で確かめます。
保健師と助産師は、それぞれの国家試験に加えて、看護師国家試験にも合格することが免許の条件です(7条)。保健師・助産師の学校の入学資格は、看護師国家試験の受験資格(21条各号)に当たることとされています。
求人票を見るときは、資格の欄に、看護師だけが書かれているのか、准看護師も対象なのかが、求人ごとに違います。同じ病院や施設でも、部署や募集の形で違うことがあります。資格の欄の書き方は、応募の前に、求人ごとに読みます。分からない点は、採用の窓口に問い合わせます。
現場で分かれやすい違いと、確かめ方
- 免許を出す人(国と都道府県)
- 「指示を受けて」の書き方(6条)
- 養成の入学資格・年限・教育内容
- どの行為を誰がするかの線引き
- リーダーや役職に就く条件
- 給与表や手当の差
職場で決まる所は、職場に聞くのが近道だよ。
条文には、現場の具体的な業務の線引きは書かれていません。どの行為を誰が担うかは、施設の体制や、医師・看護師の指示のもとで決まる部分があり、一般化できません。場面で考えると、違いが出やすいのは次のようなときです。病棟のリーダーや主任の条件に「看護師免許」と書く病院では、准看護師はその役割に就けない場合があります。求人票の資格欄が「看護師」だけなら、准看護師は応募できません。認定看護師や特定行為研修は、看護師免許が前提です。どれも勤め先の規程や求人ごとに決まるので、看護部の規程や、採用の窓口で確かめます。
准看護師制度の見直しについて、2019年の報告書が示しているのは、教育内容の見直しと、到達目標の新設です。制度の今後をめぐる議論は、准看護師は廃止されるのかで整理しています。
共通の決まりもあります。看護師にも准看護師にも、免許の更新手続きは、法律に定められていません。一方で、業務に従事している人は、2年ごとの年の12月31日現在の氏名・住所などを、翌年1月15日までに、就業地の都道府県知事に届け出ます(33条)。施行規則33条が昭和57年(1982年)を初年とする2年ごとの年と定めているため、2026年は届出の年にあたります(条文からの算出)。2026年12月31日現在の事項を、2027年1月15日までに届け出る形です。窓口の運用や、業務に就いていない期間の扱いは、保健所や都道府県の案内で確かめます。
同じ看護の仕事でも、免許の道がいくつかあるのは、迷うよね。
求人の資格欄を一つ見てみると、違いが身近に分かるよ。
よくある質問
准看護師と正看護師で、免許を出す人は違いますか?
違います。保健師助産師看護師法で、看護師は厚生労働大臣、准看護師は都道府県知事の免許を受けると定められています。
准看護師と正看護師で、給料はどのくらい違いますか?
令和7年賃金構造基本統計調査の月額と賞与から計算すると、看護師は約525万円、准看護師は約428万円です(筆者計算)。平均年齢が看護師42.1歳、准看護師51.8歳と違うため、年齢や勤続の差も含んでいます。
准看護師は、看護師の指示で働くのですか?
6条は、准看護師を、医師、歯科医師または看護師の指示を受けて、療養上の世話または診療の補助を行う者と定めています。現場での具体的な業務の線引きは、条文には書かれていません。勤め先で確かめてください。
准看護師でも、認定看護師になれますか?
日本看護協会の2026年の手引きでは、認定看護師・専門看護師・認定看護管理者の受験資格に、日本国の看護師免許が挙がっています。准看護師の免許は、その要件に書かれていません。最新の要件は、日本看護協会の案内で確かめてください。
出典・参考(公的な情報)
- 保健師助産師看護師法 第5〜7条・第21条・第22条・第31条〜第33条・第37条の2(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 保健師助産師看護師学校養成所指定規則 第2条・第4条・第5条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 保健師助産師看護師法施行規則 第33条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 看護基礎教育検討会報告書(令和元年10月15日)(厚生労働省)
- 第34回(2026年)認定看護師(CN)認定審査 審査・申請の手引き(公益社団法人 日本看護協会)
- 第36回(2026年)専門看護師(CNS)認定審査 審査・申請の手引き(公益社団法人 日本看護協会)
- 第30回(2026年)認定看護管理者(CNA)認定審査 審査・申請の手引き(公益社団法人 日本看護協会)
- 令和7年賃金構造基本統計調査(職種)第1表(厚生労働省(e-Stat))
- 令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況 結果の概要(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。