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介護施設で働く看護師の仕事内容。施設の種類ごとの違い
更新 2026年10月23日読むのに約7分
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介護施設とひとまとめに言っても、法律上の位置づけも、看護師の置かれ方も、施設の種類で違います。種類ごとの特徴を並べ、病院との違いと、選ぶ順番を整理します。
介護施設、って、思っているよりいろんな種類があるんだよね。
「介護施設」の中身を、ほぐして見る
求人票で「介護施設」と書かれていても、中身は特養、老健、介護医療院、有料老人ホーム、グループホームなど、いくつもの種類に分かれます。法律の根拠も、人員の決まりも違うので、ここを分けておかないと、「介護施設の看護師は〜」という話が、どの施設の話なのか分からなくなります。
働く場としての規模も、公的な統計で見られます。令和6年介護サービス施設・事業所調査では、2024年10月1日現在、介護老人福祉施設(特養)が8,621施設、介護老人保健施設(老健)が4,214施設、介護医療院が917施設、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)が14,341事業所です。また令和6年衛生行政報告例では、2024年末の看護師の就業場所のうち、介護保険施設等が107,984人、社会福祉施設が28,093人でした(介護保険施設等には、居宅サービスの事業所なども含まれます)。
病院で働く看護師は65.7%(895,944人)で、残りは診療所、訪問看護ステーション、介護保険施設等などに広がっています。介護保険施設等と社会福祉施設を合わせると約13万6千人で、介護の場も、看護師の職場のひとつです。この集計は看護師の実人員で、特養・老健などの種類ごとの人数は分かれていません。
もうひとつ、施設の種類を分けておきたい理由があります。特養は、厚生労働省の通知(2023年4月)で、2015年4月1日以降の入所が原則として要介護3以上とされています。つまり、介護の必要度が比較的高い人が暮らす場所、という前提で働くことになります。老健や介護医療院、有料老人ホームでは、入所や入居の対象の考え方が違います。看護師の仕事の中身は、入所者さんの状態の幅によっても変わるので、「どんな人が暮らしているか」を、施設の種類とあわせて確かめることが大切です。
施設の種類ごとの、法律の言葉と看護職員の置き方
各施設の定義は、介護保険法8条にあります(2026年10月時点の現行条文)。看護職員の置き方は、それぞれの省令に書かれています。次の表は、日中の看護職員の下限を、種類ごとに並べたものです。
| 種類 | 法律での位置づけ | 看護職員の置き方(省令) |
|---|---|---|
| 特養 | 入所する要介護者の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理、療養上の世話を行う | 看護職員は入所者30人以下で常勤換算1以上、30人超50人以下で2以上、50人超130人以下で3以上 |
| 老健 | 要介護者の心身の機能の維持回復を図り、居宅での生活を営めるようにする支援を行う | 看護職員または介護職員が入所者3人に1人以上。看護は総数の7分の2程度が標準 |
| 介護医療院 | 長期の療養が必要な要介護者に、療養上の管理、看護、医学的管理の下の介護などを行う | 看護職員は常勤換算で入所者6人に1以上。医師・薬剤師も置く |
| 特定施設(有料老人ホームなど) | 有料老人ホームなどで、要介護者に介護などを行う(介護保険の指定を受けたもの) | 看護職員は利用者30人以下で常勤換算1以上。看護・介護職員の合計は要介護者3人に1人以上 |
| 通所介護(デイ) | 自宅から通う人に、日常生活上の世話と機能訓練を行う | 看護職員は、単位ごとに専ら提供に当たる者が1以上確保されるために必要な数 |
数字は日中の人員の下限です。グループホームの省令は介護従業者の人数だけを定め、看護職員を置く決まりはありません。介護保険の指定のない住宅型有料老人ホームやサ高住にも、特定施設の人員基準は当てはまりません。
表は、見比べるための道具だよ。
表を見ると、医療に近い順に、看護職員の下限が厚くなっているのが分かります。介護医療院は入所者6人に1人以上と、介護施設の中では看護職員が最も厚く置かれる形です。長期の療養と医学的管理が目的に入っているので、病棟に近い医療的な看護が多くなりやすい職場です。夜勤の告示にも、介護医療院には「夜間勤務等看護」という、看護職員の夜勤を評価する区分があります。反対に、特養やデイサービスは少人数の看護職員で、健康管理と体調の変化への対応を担います。
老健と特養を、条文の言葉まで比べたいときは、老健と特養の違いに、詳しく並べています。通所だけの職場はデイサービスの看護師、有料老人ホームとサ高住は有料老人ホーム・サ高住の看護師で扱っています。ここでは、全体の見取り図に絞ります。
種類が多くて、頭がいっぱいになるよね。気になった行に、先に印をつけておこう。
病院との違いは、医師との距離と、1人で判断する場面
病院との大きな違いのひとつは、医師との距離です。医師の配置は、特養は「健康管理と療養上の指導に必要な数」、老健は常勤換算で入所者100人あたり1以上、と定められています。病院のように、医師がいつもそばにいる前提ではありません。そのため、日々の健康観察や、体調が変わったときの最初の判断、医師への連絡を、看護師が担う場面が多くなりやすいと考えられます。
もうひとつは、一緒に働く人の顔ぶれです。省令の書き方を見ると、たとえば老健では、看護職員と介護職員の総数のうち、介護職員が7分の5程度を標準とされており、介護職員が多い構成が前提です。看護師は少数になりうるわけで、介護職員との役割分担、連携の取り方が、日々の働きやすさを左右します。看護の専門性を活かす場面と、介護の動きを求められる場面の、どちらが多いかは、施設によって違います。
立場別に、見る点を変えてみます。病棟の経験が長い人は、観察と判断の力が、そのまま活きる場面があります。ただ、処置の数が減ることで、手応えが変わります。ブランクのある人は、処置が少なめの施設が、復職の足がかりになる場合もありますが、看護師が少人数のときの判断の重さは、前もって確かめておきたい点です(復職の流れはブランクからの再就職)。夜勤を減らしたい人は、施設の種類だけでなく、夜間の体制と回数を聞いてください。
病院から移ったときに、戸惑いやすいのは、処置の数が減り、観察と生活の支援が中心になることかもしれません。慣れた働き方との違いを、前もって知っておくと、入ってからの気持ちが違います。志望動機は介護施設の志望動機に、考え方をまとめています。
施設を選ぶ順番と、見学で聞くこと
グループホームは、介護保険法8条20項で、認知症の要介護者が共同生活を営む住居と定められています。省令(指定地域密着型サービス基準90条)は介護従業者の人数を定めていて、看護職員を置く決まりはありません。看護師が関わるのは、事業所の職員として、または訪問看護ステーションなどとの連携で看護職員を確保して健康管理を行うと算定できる医療連携体制加算などの形です。グループホームの求人に応募するときは、常勤で働くのか、連携先からの訪問なのかを確かめます。小規模多機能型居宅介護(8条19項)は、従業者のうち1人以上を看護師または准看護師とする決まりがあり(同63条4項)、通い・泊まり・訪問をまたいで少人数の看護職員が動く職場です。
施設を選ぶとき、最初から名前で探すと、条件の違いが見えにくくなります。種類を決めてから、看護職員の置き方、夜間の体制、見学、という順番で絞ると、比べやすくなります。
- 種類を決める特養・老健・施設系・通所
- 看護職員の置き方日中と夜間で、何人か
- 夜間・休日の体制夜勤・オンコールの有無
- 見学で確かめる1日の様子と、入所者さんの状態
この順に見ていくと、迷いが減るよ。
人手の問題も、よく語られます。全体の見方は看護師の人手不足で整理していて、病院の種類との違いは病院の種類に並べています。自宅へ伺う仕事も候補に入れたいときは、訪問看護への転職を読んでください。
全体が見えると、ちょっとほっとするよね。
気になる種類があれば、そこだけ深掘りしてみよう。
よくある質問
介護施設の看護師は、病院と何が違いますか?
医師が常にそばにいない前提で、日々の健康観察や体調が変わったときの判断、医師への連絡を担う場面が増えやすい点が、違いのひとつです。処置の数や夜間の体制は、施設の種類と運営で大きく変わるので、見学で確かめてください。
特養と老健と介護医療院は、どう違いますか?
介護保険法8条では、特養は日常生活上の世話や健康管理、老健は居宅での生活に向けた支援と医学的管理の下の介護、介護医療院は長期の療養が必要な要介護者への療養上の管理や看護、と書かれています。それぞれの違いは、表で並べています。
介護施設は、看護師が少ないですか?
省令で定められた看護職員の数は、施設の種類と入所者数の下限です。実際の人数は、施設ごとに違います。「少ない」と決めず、日中と夜間の人数を、見学で聞いてみてください。
出典・参考(公的な情報)
- 介護保険法 第8条・第70条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準 第60条・第61条・第93条・第175条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第2条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準 第2条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準 第4条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準 第20条・第90条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 厚生労働大臣が定める夜勤を行う職員の勤務条件に関する基準(平成12年厚生省告示第29号)(厚生労働省)
- 介護報酬の算定構造(令和8年6月改定箇所)(厚生労働省)
- 令和6(2024)年介護サービス施設・事業所調査の概況(厚生労働省)
- 令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。