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税金・社会保険

看護師の給与明細の見方。控除と手当を1行ずつ確かめるチェックリスト

更新 2026年10月23日読むのに約6分

給与明細は、金額だけ見て閉じてしまいがちな書類です。3つの欄に分けて上から確かめると、夜勤手当や保険料の行が、何の数字かを追えるようになります。

給与明細って、振込額だけ見て閉じちゃうこと、ないかな。実は、その下に大事な行がたくさん並んでいるんだよ。

明細は、勤怠・支給・控除の3つの欄でできている

給与明細の様式は勤務先ごとに違います。ただ、多くは、勤怠(出勤日数・時間外・夜勤の回数)、支給(基本給と手当)、控除(保険料と税)の3つの欄に分かれ、最後に総支給額・控除合計・差引支給額(振込額)が並びます。まずこの3か所を、指でたどれるようにします。

  • 勤怠:出勤日数、夜勤の回数、時間外の時間、有給休暇の日数
  • 支給:基本給、夜勤手当、時間外手当、通勤手当、その他の手当
  • 控除:健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険の保険料、所得税、住民税、勤務先独自の控除
  • 合計:総支給額、控除合計、差引支給額

看護師の明細では、夜勤の回数や時間外の時間が勤怠の欄に出て、それに応じた手当が支給の欄に出ます。二つの欄を並べて見ると、「夜勤の回数は合っているのに、手当の行が見当たらない」といった食い違いに気づけます。時間外・深夜の労働に割増賃金を支払うことは、労働基準法37条で定められています。どの時間から、どの単位で計算するかは、勤務先の賃金規程で確かめます。

金額の突き合わせは、総支給額から控除合計を引いて、差引支給額と一致するかを見るところから始めます。さらに、通帳の振込額と一致するかも確かめます。ここが合わないときは、財形貯蓄や組合費、寮費のような勤務先独自の控除が入っていないかを、控除の欄で探します。

今月の明細を、3つの欄で見る
明細を見る順番
  1. 勤怠夜勤・時間外の回数
  2. 支給手当の行があるか
  3. 控除保険料と税
  4. 差引支給額振込額と同じか

上から順にたどれば、迷子にならないよ。

控除の欄を、1行ずつ確かめる

控除の欄は、社会保険料と税に大きく分かれます。社会保険料は、健康保険、介護保険(40〜64歳)、厚生年金、雇用保険の4つです。ここでは、公的な機関が示している数字を、令和8年度のものとして並べます。

厚生年金の保険料率は、日本年金機構によると18.300%で固定されていて、事業主と被保険者が折半します。被保険者の負担は9.15%です。この率を掛けるのは、実際の月給そのものではなく、標準報酬月額という等級にあてはめた金額です。標準報酬月額は、1等級(8万8千円)から32等級(65万円)まであります。たとえば標準報酬月額が30万円なら、被保険者の負担は 30万円 × 9.15% = 27,450円です(計算のための例です)。どの等級になるかは、勤務先の給与担当に確かめます。

健康保険は、協会けんぽに入っている場合、保険料率が都道府県ごとに違います。令和8年度は、3月分(4月納付分)から改定され、東京都が9.85%、神奈川県が9.92%、沖縄県が9.44%と、全国健康保険協会が案内しています。40〜64歳には、全国一律の介護保険料率1.62%が加わります。令和8年4月分(5月納付分)からは、子ども・子育て支援金として、全国一律0.23%も協会けんぽの案内に出ています。勤務先が協会けんぽではなく、健康保険組合や共済組合に入っているときは、率が別になります。どこまでが自分の負担かも含めて、保険者の案内か給与担当で確かめます。

雇用保険の料率は、令和8年度(2026年4月1日から2027年3月31日まで)で、一般の事業の場合、労働者負担が1000分の5と、山形労働局のページに載っています。勤務先の事業の区分で率が変わる場合があるので、明細の率と合うかは、給与担当に聞いて確かめます。

所得税は、毎月の給与から源泉徴収で引かれます。税率は課税所得に応じて5%から45%までの7段階で、国税庁が示しています。12月には年末調整があり、1年を通じて勤務している人は、勤務先がこれを行います。このとき、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を、年末調整を行う日までに出している必要があります。

住民税は、給与だけの収入の場合、原則として特別徴収(給与から差し引く方法)です。退職や転職をした年は、納め方が変わることがあります。退職後の流れは、退職後の健康保険・年金・税金の手続きにまとめています。

ここからは、控除の欄を、上から順に指さしていこう。

数字が続くから、読み疲れたら、ひと口休んでからでいいよ。

支給の欄は、手当が入っているかを見る

支給の欄は、基本給のほかに、手当がいくつか並びます。看護師の場合は、夜勤手当、時間外手当、通勤手当、役職手当、資格手当などの名前で出ることがあります。手当の名前と計算の決まりは勤務先ごとに違うので、賃金規程か、入職のときに受け取った労働条件の書面と見比べます。

  • 夜勤手当:回数に応じた行があるか。勤怠の夜勤の回数と合うか
  • 時間外手当:勤怠の時間外の時間に対応する行があるか。ない月は、時間外が0だったのか、別の扱いなのか
  • 通勤手当:引っ越しや通勤手段の変更を、届け出たあとの金額になっているか
  • 家族に関する手当:対象になる条件は勤務先の規程で決まる。公的な基準ではない

手取りが毎月変わるのは、夜勤の回数や時間外の時間で、支給の額が動くからです。保険料は標準報酬月額に率を掛けるため、月々の残業の増減だけでは毎月は動きにくい仕組みです。等級の見直しの時期は、給与担当に確かめます。この違いを知っておくと、「今月は支給が少ないのに、控除はいつもと同じ」という見え方を、受け止めやすくなります。手取りの試算は、看護師の手取りの計算で扱っています。

年に1回、見直す項目と、明細の残し方

所得税まわりには、制度の見直しが続いています。令和7年分から、基礎控除は、合計所得が2,350万円以下の人で、所得に応じて95万円から58万円までの段階になり、給与所得控除の最低額も55万円から65万円に上がりました。令和8年分はさらに見直され(令和8年12月1日施行)、基礎控除は合計所得132万円以下の人で104万円、132万円超655万円以下の人は段階的に67万〜62万円に、給与所得控除の最低保障額は74万円(令和8・9年分)になります。国税庁のQ&Aによると、令和8年11月までの毎月の源泉徴収は変わらず、令和8年12月の年末調整で、改正後の控除を使って精算します。引かれすぎていた分は、年末調整で戻ります。令和9年1月以後に支払う給与からは、「令和9年分 源泉徴収税額表」で毎月の所得税が計算されます。

年末調整のあとには、源泉徴収票が出ます。源泉徴収票は、翌年1月31日までに交付するものと、国税庁の案内にあります。年の途中で退職した場合は、退職の日以後1か月以内です。転職した年は、複数枚になることがあるため、捨てずに保管します。源泉徴収票を使う申告の流れは、確定申告が必要になる場面と手順にあります。

明細は、紙でも電子でも、年に1回はまとめて見返すと、保険料や手当の変化に気づきやすくなります。転職の前後、手取りの試算、確定申告のときに、まとめて見られると便利です。引かれたあとの手取りが少ないと感じて、貯金に回せないときは、貯金できない原因を見るチェックリストで、出ていくお金の側も確かめられます。

月ごとに控えるメモの例
  • 総支給額:
  • 控除合計(うち保険料・税):
  • 差引支給額(振込額):
  • 夜勤の回数と手当の額:
  • 気になった行(あとで聞く):

月に1回、これだけ書けば十分だよ。

今月の総支給と、差引支給額。この2つだけでも、書いておこうか。

見慣れてくると、明細はそんなに怖くないよ。

よくある質問

給与明細の見方で、まず見るのはどこですか?

差引支給額(振込額)と、総支給額・控除合計です。総支給額から控除合計を引いて、差引支給額と合うかを確かめてから、控除の各行へ進みます。

社会保険料は、誰でも同じ率ですか?

同じではありません。厚生年金は18.300%で全国共通ですが、健康保険は、協会けんぽなら都道府県ごと、健康保険組合や共済組合なら組合ごとに違います。介護保険は40〜64歳が対象です。

明細の金額が合わないと感じたら、どうすればよいですか?

どの行が合わないかに印をつけて、勤務先の給与担当に、計算の根拠を聞きます。解決しないときは、都道府県労働局の総合労働相談コーナーにも相談できます。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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