手当・賞与・退職金
看護師の資格手当の相場と、取る前に規程で確認する6つの点
更新 2026年10月23日読むのに約6分
資格を取れば手当が付く、と思っていても、職場によって有無も額も違います。取る前に確かめる点を先に押さえておくと、費用と手当を落ち着いて比べられます。
資格に挑戦しようとしているの、すてきだね。お金のことも、先に見ておこう。
資格手当は、どのくらいの病院が、いくら出しているか
日本看護協会の2024年度賃金調査(病院調査、回収3,471件、回収率43.0%)に、専門性の高い看護師の手当の数字があります。手当が「ある」病院は、専門看護師で47.0%、認定看護師で49.5%、特定行為研修修了者で30.5%、アドバンス助産師で6.0%でした。手当がある病院の平均手当額は、専門看護師が11,857円、認定看護師が11,228円、特定行為研修修了者が11,644円、アドバンス助産師が7,097円です。
| 資格 | 手当がある病院 | 平均手当額 |
|---|---|---|
| 専門看護師 | 47.0% | 11,857円 |
| 認定看護師 | 49.5% | 11,228円 |
| 特定行為研修修了者 | 30.5% | 11,644円 |
| アドバンス助産師 | 6.0% | 7,097円 |
日本看護協会 2024年度賃金調査(病院調査)。平均は、手当がある病院の平均。回答した病院の集計で、全国の代表値ではない。自分の職場の額は規程で確かめる。
手当がある病院は、5割前後なんだね。
読み方のコツは、割合と額を分けて見ることです。「手当がある病院」は、専門看護師と認定看護師で約5割、特定行為研修修了者で約3割です。手当がある場合の平均額は、3つの資格とも1万円台前半(11,228〜11,857円)でした。調査票は「手当額」だけを聞いていて、月額か年額かの区別はないので、自分の職場の単位は規程で確かめます。
訪問看護ステーションでは、手当の割合と額が病院と違います。同じ調査の訪問看護ステーション調査では、専門看護師の手当が「ある」事業所が39.4%で、ある場合の平均は19,615円でした(回答33事業所と少ない参考値)。働く場所で、手当の出し方も変わります。
資格の仕組みも押さえておきます。専門看護師・認定看護師・認定看護管理者は、日本看護協会が認定し、5年ごとに更新する資格です。更新の時期に費用や研修がかかることも、手当と並べて考える材料になります。資格ごとの取り方は認定看護師・専門看護師になるにはにまとめています。
取ってから聞くより、取る前に聞くほうが、話は早いかも。
手当があることと、賃金表で評価されることは別
同じ調査で、基本給の評価について尋ねた結果があります。「賃金表では特別な評価をしていない」と答えた病院は、専門看護師で65.0%、認定看護師で59.9%、特定行為研修修了者で68.5%でした。手当の有無とは別に、賃金表の上では資格を特別に評価していない病院が、6〜7割あるということです。
年収の数字も出ています。日本看護協会の会員調査(病院勤務の正規雇用フルタイム、2024年の源泉徴収票の支払金額)で、スタッフ(非管理職)の平均が526万3,336円、専門看護師・認定看護師の資格を活かした役割が658万4,608円、特定行為研修を修了しその研修を活かした役割が624万8,134円でした。ただし、これは回答した会員の平均で、年齢、役職、勤め先の構成も違います。資格を取ると、この差の分だけ年収が上がる、という読み方はできません。
役職の手当も、資格とは別の項目です。同じ調査で、看護師長相当職の管理職手当が「ある」病院は75.0%で、手当がある病院の平均が49,588円、副看護部長相当職は「ある」が55.8%で、平均が64,608円でした。資格を取った人が、そのまま役職に就くとは限りません。
期間は資格ごとに違う。就業規則・賃金規程と、勤め先の窓口で確かめる。
確認は、取る前の1回が、いちばん効くよ。
取る前に聞いておく、6つの確認点
資格手当は、制度として規程に書かれている場合と、資格を活かした役割に就いたときだけ出る場合があります。「手当があるはず」と思い込まず、取る前に、規程の文言と担当者の説明の両方で確かめます。
資格を取った場合に、手当や配置がどう変わるのかを、規程で確認したいのですが。
面談や人事担当に聞くときの一言の例
手当の額だけで決めないための、物差し
手当が出る額は、資格を取る費用と時間を回収できるかの目安に使えます。ただ、手当の有無だけで決めると、取得後の配置や役割、研修の期間に収入が動かないことを見落とします。費用の合計(受講料、交通費、休んだ期間の収入など)と、手当の年額を、並べて書いてみます。数字は、規程と見積もりに書かれている額を使います。
たとえば、手当が月1万1,000円の職場なら、年に13万2,000円です。受講料や休む日の収入の減りが合わせて100万円なら、手当だけで取り戻すには8年近くかかる計算になります(仮の数字による筆者計算)。手当だけで元を取ろうとすると長い道のりになることが多いので、配置や役割の変化も一緒に聞いておきます。
書き出し方は、次のとおりです。左に、受講料、交通費、教材費、研修で休む日の収入の減り方を並べ、合計します。右に、規程にある手当の額を、月額なら12倍、年額ならそのまま、1回きりならその額で書きます。右が左を上回るまでに何年かかるかが、費用の回収の見通しです。手当がない職場では、右がゼロになります。その場合は、取得後の配置や、賃金表での評価、働き方の選択肢といった、お金以外の項目で、続けるかどうかを決めます。
資格そのものの選び方は、看護師のキャリアアップの道筋が扱っています。手当の種類を一覧で見たいときは、看護師の手当の種類の一覧が入口です。ボーナスや退職金の確かめ方は、ボーナスの仕組みに分けました。
取ったあとに、手当がつかなかったとき
取得後に、手当がつかない、あるいは思っていた額と違う、という場面もあります。まず、取る前に聞いた内容の記録(面談のメモ、メール、配られた書類)と、賃金規程の手当の条文を見比べます。条文に手当がない場合は、資格を活かした役割に就いたときに出る手当なのか、そもそも制度がないのかを、人事担当に聞きます。
説明が食い違う、聞いても答えが返ってこない、というときは、都道府県労働局などに置かれた総合労働相談コーナーで、記録と規程を持って相談できます。取る前の確認と、記録を残す習慣が、この場面で効いてきます。
手当があるかと、賃金表で上がるか。2つ聞けば見通しが立つね。
よくある質問
看護師の資格手当の相場は、いくらですか?
日本看護協会の2024年度賃金調査では、専門看護師・認定看護師・特定行為研修修了者の手当は、ある場合の平均が約1.1〜1.2万円でした。手当がある病院は約3〜5割で、ない職場もあります。
認定看護師を取ると、基本給は上がりますか?
手当の有無と、基本給の評価は別です。日本看護協会の調査では、認定看護師について「賃金表では特別な評価をしていない」と答えた病院が59.9%でした。自分の職場は、賃金規程と賃金表で確かめます。
資格を取ったあとに、手当がつかなかったときは?
まず、賃金規程の手当の条文と、取る前に聞いた内容を見比べます。条文がなく、説明も食い違うときは、総合労働相談コーナーなどの窓口で、規程と記録を持って相談できます。
出典・参考(公的な情報)
- 2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査 報告書(公益社団法人 日本看護協会)
- 資格認定制度(専門看護師・認定看護師・認定看護管理者)(公益社団法人 日本看護協会)
- 総合労働相談コーナーのご案内(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。