退職の進め方
看護師が退職を決めた後の不安・罪悪感。退職日までの過ごし方
更新 2026年10月23日読むのに約4分
退職を伝えたあと、夜になると不安や罪悪感が戻ってくる。それは、決め方が悪かったからとは限りません。この記事では、決めてから退職日までの揺れの分け方と過ごし方、撤回したくなったときの決まりをまとめます。
決めたあとの夜って、頭だけ冴えて、眠れないことがあるよね。
揺れていても、変じゃないんだよ。
決めたのに揺れる。よくある4つのかたち
退職を決めると、ほっとする人もいれば、急に不安になる人もいます。どちらも、ごく自然な反応です。揺れ方には、いくつかのかたちがあります。
- 後悔:本当に辞めてよかったのか、と何度も考える
- 罪悪感:残る同僚や、患者さんに申し訳ない
- お金と次の不安:収入が途切れたら、どうなるのか
- 寂しさ:慣れた場所や人と、離れることへの気持ち
4つとも、決断が間違っていた印ではありません。決めたあとに気持ちが動くのは、大きな変化を受け止めている途中だからです。ただ、揺れが強いと、「やっぱり間違っていたのでは」と、決めたこと自体を疑ってしまいがちです。
この記事が扱うのは、退職を決めてから最終出勤日までの揺れです。辞めたあとの無職の期間やお金の不安は辞めたあとの1か月の過ごし方に、辞めてから後悔しないための決め方は辞めて後悔しないための4つのことに分けて書いています。
揺れが強くなりやすい場面は、人によって決まっていることがあります。たとえば、夜勤明けの帰り道、同僚から「本当に辞めるの」と声をかけられた日、求人や給与の数字を見たとき、家族に話したあとの夜、などです。どの場面で強くなるかを知っておくと、その場面の前後に、休む時間や話す相手を用意しやすくなります。
揺れの強さは、日によって違うことが多いです。眠れた日や休めた日には軽く、勤務の日や夜には重くなる、といった波があるかを、日付つきで見てみます。波があるなら、決断の中身より、疲れや環境が関わっているのかもしれません。
揺れを、3つの箱に分ける
揺れの中身を分けると、できることが見えてきます。箱は3つです。
- 確かめれば分かる箱:制度・お金・手続き・期限など。窓口や公的な資料で確かめられること
- 入ってみないと分からない箱:次の職場の雰囲気、自分に合うか、など。今は決められないこと
- 気持ちの箱:罪悪感・寂しさ・後悔。解くより、置き場を作ることが先のこと
- 書き出す揺れを、そのまま
- 3つの箱に分ける確かめる・待つ・置く
- 確かめる制度とお金は窓口で
- 休む眠る・食べる・歩く
- 日を置いて見直す翌日か数日後に
1つ目の「書き出す」だけでも、今日は十分だよ。
確かめれば分かる箱は、不安の中でも、いちばん早く軽くなる部分です。収入の見通しは、貯金の必要額を出す手順で、数え方を確かめられます。数字が見えると、漠然とした不安が、「この手続きをすればよい」という作業に変わります。
入ってみないと分からない箱は、今の時点で答えが出ないことです。無理に答えを出そうとせず、「分からない」と書いたまま置いておきます。次の職場が決まっているなら、聞けることは、入職前に聞きます。
気持ちの箱は、理屈で片づけようとすると、かえって重くなることがあります。罪悪感は、責任感の強い人ほど強く出ることもあります。ただ、辞めることと、これまでの仕事を否定することは、別のことです。引き継ぎをていねいにすることが、いちばん現実的な誠意の形になります。
揺れは、箱に分けて置くだけでも、少し軽くなるかもしれないよ。
退職日までの毎日を、すり減らさずに過ごす
決めてから最後の出勤日までは、気持ちが揺れたまま働く期間でもあります。この期間の疲れ方は、決める前とは違うことがあります。
- 職場の空気:退職を知った人の態度が変わり、居づらく感じることがある。必要以上に気にしすぎず、業務の連絡に集中する
- 引き止め:何度か話があっても、決めた理由を、短く同じ言葉で繰り返す。理由を細かく説明しすぎない
- 引き継ぎ:項目を書き出して、終わったものに印をつける。量が見えると、焦りがやわらぐ
- 休み方:残りの勤務が少なくなるほど、気を張りがち。休日は、職場のことを考えない時間を、意識して作る
引き継ぎの項目は、担当している係や委員会の仕事、定期的に回ってくる業務の時期、物品や書類の置き場所、相談先の一覧、のように、次の人が迷う場所から書き出すと進みます。同僚に伝える時期や順番は、先に師長と相談して決めると、話が前後して混乱するのを防げます。
引き止めへの返し方は、師長との退職面談で話すことに、文例があります。
最後の数週間は、「ちゃんとしなければ」という気持ちが強くなりがちです。完璧にこなすことより、引き継ぎの漏れがない状態で、無事に最終出勤日を迎えることを、目標にします。
最終出勤日が近づくと、気持ちの動き方がまた変わります。送別の言葉をかけられて急に寂しくなる人もいれば、何も感じない自分に戸惑う人もいます。最後の夜勤や最後の申し送りの日に、涙が出ることもあります。どの反応も、変化に向き合っている途中の自然な動きで、どれが正しいということはありません。感じたことは、良い悪いを決めずに、そのままメモに残しておきます。あとで読み返すと、揺れの波が、少しずつ小さくなっていることに気づく人もいます。
撤回したくなったときと、つらさが続くとき
気持ちが揺れて、「やっぱり撤回したい」と思うこともあります。厚生労働省の「確かめよう労働条件」は、会社が承諾する前であれば、合意退職の申込みとして出した退職願は撤回できる、と説明しています。一方で、会社が承諾したあとや、一方的な退職の意思表示(任意退職の申入れ)をしたあとは、撤回に会社の同意が必要になる、とも書いています。
どちらにあたるかは、表題が「願」か「届」かだけでは決まらず、書いた内容や、受け取った人の対応などで変わります。撤回を考えるときは、早めに職場の窓口や、総合労働相談コーナーで状況を話して、確かめます。決めたことを、決め直してよいかどうかも、一人で抱えずに相談できます。
眠れない日が続く、食べられない、涙が止まらない、といった状態が続くときは、決め直すかどうかの話より、からだと心を休ませることが先です。診断はできませんが、からだを診てもらえる医療機関に、話してください。悩み全般の電話窓口には、よりそいホットライン(24時間)があります。窓口の一覧は、つらいときの窓口に載せています。電話の受付時間は変わることがあるので、公式の案内で確かめてください。
お茶を一杯のむ間だけでも、退職のことは、横に置いておこうね。
揺れながらでも、進んでいる日は、ちゃんと進んでいるよ。
よくある質問
退職を決めたあとに不安になるのは、おかしいですか?
おかしいことではありません。後悔・罪悪感・お金の不安・寂しさなど、決めたあとに、いくつかの気持ちが動くことがあります。揺れの強さに波があるかを日付つきで見て、確かめれば分かることから、先に確かめてください。
退職願を出したあとで、やっぱり撤回できますか?
厚生労働省は、会社が承諾する前であれば、合意退職の申込みとしての退職願は撤回できると説明しています。承諾したあとや、一方的な退職の意思表示をしたあとは、撤回に会社の同意が必要になります。表題だけでは決まらないため、早めに窓口で確かめてください。
退職日まで、職場に居づらいときはどうすればよいですか?
業務の連絡に集中し、引き継ぎの項目を書き出して進めます。引き止めには、決めた理由を短く繰り返します。居づらさが強く、からだの不調まで出ているときは、総合労働相談コーナーや、医療機関に話してください。
出典・参考(公的な情報)
- 退職、解雇、雇止めなど(確かめよう労働条件)(厚生労働省)
- 辞職(裁判例)(確かめよう労働条件)(厚生労働省)
- 総合労働相談コーナーのご案内(厚生労働省)
- 電話相談窓口(困った時の相談方法・窓口|まもろうよ こころ)(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。