退職の進め方
看護師が退職を言い出せないとき。理由を分けて、切り出しの準備をする
更新 2026年10月23日読むのに約4分
退職を言い出せないのは、勇気が足りないからとは限りません。この記事では、言い出せない理由の分け方と、不安の天秤、切り出す前の準備、言えない日が続くときの頼り方を、順にまとめます。
言おうとして、飲み込んだ日が、何回もあったんだね。
言い出せない理由を、5つに分けて眺める
退職を言い出せないとき、「自分が弱いからだ」と責めてしまう人がいます。ただ、言い出せない理由は一つとは限らず、理由ごとに、必要な準備が違います。先に、どれが近いかを見分けます。
- 怖さ:怒られる、引き止められる、冷たくされるかもしれない
- 申し訳なさ:人手が足りない中で抜けることへの、罪悪感
- きっかけがない:忙しい日が続き、話す時間を頼めない
- まだ決めきれない:辞めたい気持ちと、続けたい気持ちが混ざっている
- 手順が分からない:誰に、いつ、何と言えばよいのか、見えていない
理由ごとの、最初の準備は次のとおりです。
- 怖さが重いとき:最初の一言を紙に書いて、声に出して練習する。場所は、人のいない場所を頼む
- 申し訳なさが重いとき:引き継ぎの項目を先に書き出し、渡せる状態にしておく。迷惑を減らす行動に変えると、気持ちが少し動く
- きっかけがないとき:話の中身は言わずに、「ご相談があります」と時間だけを頼む
- 決めきれないとき:伝える準備の前に、決める材料を集める
- 手順が分からないとき:次の節の、日付・相手・最初の一言から決める
複数に当てはまっても、問題ありません。いちばん重いものに、1つか2つ印をつけます。印をつけたものが、このあとの天秤と準備の出発点になります。
「まだ決めきれない」が重いときは、言い出す準備より前に、決める材料を集める段階かもしれません。その場合は、辞めるか続けるかを決める判断の4つの軸から始めます。
天秤に載せる。言い出す不安と、言わないまま続く日々
言い出せない間、不安は「言ったあとに起きること」にばかり向きがちです。一方で、言わないまま続く日々にも、重さがあります。両方を同じ台に載せて見比べると、いまの位置が少し見えます。
- 引き止められるかもしれない
- 人手不足なのに、申し訳ない
- どう思われるか、分からない
- 出勤前に、気が重い
- 先送りで、準備が進まない
- 気持ちの置き場がない
どちらが重いかは、人によって、日によって違うよ。
天秤は、結論を出す道具ではありません。どちらの皿にも、本当の気持ちが載っています。書き出したうえで、「言い出す前の不安」のうち、聞けば分かること、準備でやわらぐことに、印をつけてみます。
たとえば「後任が見つかるまで辞められないのでは」という不安については、茨城労働局(厚生労働省)のQ&Aが、新しい人が見つかるまで退職を許可しない、ということはできないと説明しています。条文の2週間や、就業規則の期限との関係は、退職を何か月前に伝えるかにまとめました。
「どれも、本当の気持ち」でいいんだよ。無理に、消さなくていいからね。
切り出す前に、日付・相手・最初の一言を決める
言い出せないのは、手順が見えていないせいでもあります。一度に全部を決めなくても大丈夫ですが、次の3つだけ決めておくと、口が動きやすくなります。
- 日付:いつまでに言うか。就業規則の申し出の期限を確かめ、そこから逆算する(期限が分からなければ、勤務先の窓口で確認する)
- 相手:直属の上司や師長を最初にするのが、一般的な順番。それ以外の人に先に話すかどうかは、辞める前に誰に相談するかで考える
- 最初の一言:結論から始めるのか、「相談」から始めるのか
決めきれていない段階で、いきなり「辞めます」と言う必要はありません。「今後のことで、ご相談したいことがあります」と、相談として時間をもらう形でも、第一歩になります。言い方の組み立ては、退職の伝え方と順番に例があります。
時期については、シフト表が作られる前に伝えると、調整しやすくなる職場があります。どのくらい先まで勤務が決まっているかは職場によって違うので、先輩や勤務表で、次の表が出る時期を確かめておきます。年度の区切りや繁忙期を避けたいという気持ちも出てきますが、待つほど言い出しにくくなることもあるため、「この日までには」と、自分の期限を一つ決めておくと動きやすくなります。
今後の働き方のことで、お話ししたいことがあります。少しお時間をいただけますか。
決めきれていないときの、最初の一言の例
贈り物や挨拶の気がかりは、言い出せるようになってからで間に合います。退職の贈り物・お菓子の早見表は、そのときに開けば足ります。
言えない日が続くときの、からだとまわりの頼り方
言い出せない時期が長く続くと、眠れない、食べられない、出勤前に動悸がする、といった変化が出ることがあります。診断はできませんが、そうした変化が続くときは、書き出すだけで済ませず、からだを診てもらえる医療機関に、早めに話してください。職場に産業保健の窓口があれば、そこも使えます。
職場の中で話しにくいときは、外の窓口があります。都道府県労働局などに置かれている総合労働相談コーナーは、退職や労働条件の悩みも受け、無料で予約も要りません(平日の日中)。退職の申し出を受け取ってもらえない、残業代が払われないなど、労働条件のことを夜や休日に話したいときは、労働条件相談「ほっとライン」(0120-811-610、月〜金17〜22時、土日祝9〜21時、12月29日〜1月3日は休止、無料)があります。どの窓口が合うかは、労働相談の窓口の選び方にまとめています。気持ちのつらさが先にあるときは、悩み全般を受ける窓口を、つらいときの窓口にまとめています。
全部できなくても、1つできれば、今日は十分です。言い出せない日が続いていることは、先延ばしではなく、気持ちと現実の間で、まだ考えている途中だということでもあります。その途中を、ひとりで続けなくて済むように、窓口があります。
言い出せなかった日々も、ちゃんと考えていた時間だよ。
今日は、印をひとつ、つけられたらそれでいいからね。
よくある質問
看護師が退職を言い出せないのは、おかしいですか?
おかしいことではありません。理由は、怖さ・申し訳なさ・きっかけのなさなど人によって違い、理由ごとに準備が変わります。まず、自分がどれに近いかを分けてみてください。
人手不足で、後任が決まるまで言えません。
茨城労働局(厚生労働省)のQ&Aは、新しい人が見つかるまで退職を許可しない、ということはできないと説明しています。一方、引き継ぎは別の話なので、早めに伝えて期間を確保します。就業規則との関係は、勤務先の窓口や総合労働相談コーナーで確かめられます。
言い出せないまま、期限が近づいています。
まず、就業規則で退職の申し出の期限を確かめます。そのうえで、「相談がある」と時間をもらう形でも、第一歩になります。職場の中で話せないときは、総合労働相談コーナー(平日の日中)などの外の窓口があります。
出典・参考(公的な情報)
- 退職の申出があった際には(退職・解雇のQ&A)(茨城労働局(厚生労働省))
- 退職、解雇、雇止めなど(確かめよう労働条件)(厚生労働省)
- 辞職(裁判例)(確かめよう労働条件)(厚生労働省)
- 総合労働相談コーナーのご案内(厚生労働省)
- 労働条件相談「ほっとライン」(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。