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新人の壁

看護師の優先順位のつけ方と、メモの型。迷う日の順番を決める

更新 2026年10月23日読むのに約6分

やることが同時に重なると、何から手をつけるかで頭がいっぱいになります。順番を決める問いと、時間ごとに書くメモの型を、チェックリストにまとめます。

やることが次々に来て、何から手をつけるか分からなくなる日、あるよね。

迷う理由を、メモに出して見分ける

優先順位に迷うのは、力が足りないからというより、材料が頭の中に散らばっているからかもしれません。新人の頃は、同時に進めることの数が、急に増えます。迷う理由は、だいたい次の三つに分けられます。

  • 全部が「いますぐ」に見える:重さの違いが、まだ見分けられていない
  • 時間が見えていない:いつまでに、が頭の中にしかない
  • 誰かを待たせているか分からない:自分の作業が、ほかの人の作業にどうつながるかが見えにくい

どれに当てはまるかが分かれば、道具も決まります。「いますぐ」の山が高いなら物差し、時間が見えないなら時間順のメモ、待たせているか分からないなら、先輩への一言の確認です。覚えること全般の悩みは新人が覚えられないときに、「仕事ができない」と感じる気持ちは仕事ができないと感じるときにあります。ここでは、順番とメモという道具に絞ります。

メモの型は、時間を縦に並べるだけで、始められます。左に時刻、右にやること、行の頭に印をつけます。印は、時間が決まっているものに◎、途中のものに△の二つだけにすると、続けやすくなります。

時間順メモの例(◎時間指定 △途中)
  • 7:30 申し送りを聞く → 担当の順を書く
  • ◎9:00 時間が決まっているもの
  • 10:00 割り込みの余白を、30分とる
  • △昼前 途中のものに、書いた時刻を添える
  • 終業前 残りを、申し送り用に1行ずつ

きれいな字じゃなくていい。読める形があればいいよ。

順番を決める4つの問い

順番に迷ったときは、次の4つの問いを、上から順にかけていきます。実際の現場では、病棟や職場の方針、先輩の指示が優先です。ここに書くのは、迷ったときに頭を整理する手がかりです。

  • 1. 患者さんの安全に関わるか:関わるなら、最優先。迷ったら、一人で決めずに先輩へ確認する
  • 2. 時間が決まっているか:検温や処置など、時間が指定されているものは、時刻順に並べる
  • 3. 誰かが待っているか:医師・他部署・ほかのスタッフが、自分の作業を待っていないか
  • 4. 後に回しても、結果が変わらないか:記録の整理や、片づけなど
迷ったときに、上から見る順番
  1. 安全に関わる?迷ったら先輩へ
  2. 時間は決まる?いつまでか
  3. 誰かが待つ?ほかの人の作業
  4. 後に回せる?記録の整理など

上から見ていくと、迷う時間が短くなるかもしれないよ。

1週間だけ、試してみる

分からないときは、「どうすればいいですか」と丸ごと聞くより、「Aを先にするか、Bを先にするか、迷っています」と聞く形です。選択肢を持っていくと、答えをもらいやすく、自分の考え方のくせも、あとから確かめやすくなります。

〇時の検温と、△時の処置が重なりそうです。どちらを先に進めたらよいですか。

先輩に、順番を確認するときの例

頭がいっぱいのときは、まず紙に出すだけで、少し軽くなるかもしれないよ。

勤務の前・中・後で、メモを使い分ける

メモは、勤務の三つの時点で、役割が変わります。それぞれ、短いチェックリストにしておきます。

  • 勤務の前:申し送りを受けたら、時間が決まっているものを、時刻順に書き出す
  • 勤務の前:割り込みが入る時間帯のために、余白の枠をあらかじめとっておく
  • 勤務の前:自分が担当する人の順を、決める。迷ったら、先輩と確認する
  • 勤務中:区切りごとに、メモを見直す。済んだものに印をつける
  • 勤務中:割り込みが入ったら、元の作業の途中経過を、一言書いてから離れる
  • 勤務中:時間に間に合わなさそうなときは、早めに先輩へ知らせる
  • 勤務の後:できなかったことを、申し送り用に、1行ずつ書く
  • 勤務の後:次の勤務の自分へ、気をつけることを、一言書く
  • 勤務の後:メモの扱いを、職場の決まりに従って片づける

最後の項目は、大事です。患者さんの情報を書いたメモを、持ち出したり、そのまま残したりしてよいかは、職場の決まりによります。入職時の説明や、先輩に確かめて、決まりに従います。どこまで書いてよいか迷う内容は、名前などを書かずに、記号や部屋番号など、職場で認められた方法に置き換えるかを、先輩に聞きます。

割り込みが入ったときの動き方も、決めておくと、慌てにくくなります。ナースコールや、急な依頼が入ったときは、次の三つを順に考えます。

  • いまの作業は、どこまで進んでいるか。安全に手を止められる区切りか
  • 割り込みは、自分が引き受けるか、ほかの人に頼むか、あとに回せるか。迷うときは、近くの先輩に声をかける
  • 戻るときの目印を、メモに書く。どこまで済んだかが、一言で分かるようにしておく

メモの型は、増やしすぎないのがコツです。時間順の1枚と、申し送り用の1行だけで、まず1週間続けてみます。毎日きちんと書けなくても、書けなかった日があったことが、あとで振り返る材料になります。

続けるための、小さな工夫と、振り返り

先輩の動き方も、優先順位の手本になります。勤務の最初や終わりに、「今日の順番は、どう考えて決めましたか」と、聞いてみます。理由を聞くと、4つの問いのどれを重く見ているかが分かり、自分の物差しの調整に使えます。忙しい時間帯は避けて、短く聞きます。

メモを書く道具は、持ち歩ける大きさのものにして、書く場所を決めておきます。職場で使ってよい筆記具や、持ち込めるメモ帳の大きさに決まりがあれば、それに従います。

全部が終わらない日も、あります。終わらなかったものを、申し送りに載せるのは、悪いことではありません。何が残っていて、どこまで進んでいるかが伝われば、次の人が引き継げます。メモの終業前の1行は、そのためのものです。

メモは、書き方より、続けられるかが大事です。勤務の最初の5分で、時間が決まっているものだけを並べる。そこまでできたら、その日は十分、と決めます。全部を並べようとすると、書くこと自体が負担になってしまいます。

振り返りは、現在地ログにも書けます。残業が続いて、メモを書く余裕もないときは、勤務の組み方の問題かもしれません。夜勤や残業の負担が重なっているなら、新人の夜勤の整理も、合わせて読んでください。間に合わないことを先輩に知らせるときの型は、新人の報告のしかたにまとめています。

今日、メモを1行書けたら、もう上出来だよ。

次の勤務の最初の5分に、時間が決まっているものだけ、並べてみよう。

よくある質問

メモは、何を書けばよいですか?

時刻、やること、時間が決まっているかの印の3つから始めます。書く量を増やすより、毎勤務の最初の5分で並べる習慣をつけるほうが、続けやすくなります。

先輩に聞くとき、どう聞けばよいですか?

「どうすればいいですか」と丸ごと聞くより、「AとBで迷っています。どちらを先にしますか」と、選択肢を持っていくと聞きやすくなります。患者さんの安全に関わる判断は、迷った時点で確認します。

メモを取っても、結局間に合いません。

メモの問題より、量や配置の問題かもしれません。間に合わなさそうなときは、早めに先輩へ知らせます。残業が続くようなら、勤め先の窓口にも相談します。

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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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