睡眠
看護師が眠れない夜が続くときに、できることと受診の目安
更新 2026年10月23日読むのに約6分
布団に入っても眠れない夜が続くと、翌日の仕事まで重くなります。眠れない形と日数を整理して、相談する先を決めるところまでを、公的な説明をもとに書きました。
布団に入っても、頭だけ起きてる夜って、つらいよね。
寝つけない・途中で起きる・起きても休まらない
「眠れない」と言っても、中身はいくつかの形に分かれます。e-ヘルスネットの「不眠症」のページは、寝つきが悪い入眠障害や、夜中に目が覚める中途覚醒などの睡眠の問題があり、そのために日中に倦怠感や集中力の低下などが出る状態を、不眠症として説明しています(2023年1月最終更新)。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、睡眠時間だけでなく、眠って休まった感じがあるか、つまり睡眠休養感も大切にしています。
- 寝つけない:布団に入っても、なかなか眠りに入れない
- 夜中に目が覚める:何度か起きて、そのあと眠りにくい
- 眠ったのに休まらない:時間は寝ていても、朝にぐったりしている
どの形に近いかを一言で言えると、あとで診察や窓口で話すときに伝わりやすくなります。複数に当てはまることもあります。形が日によって変わる人もいます。
夜は、考えごとの声も、昼より大きく聞こえるのかもしれないね。
睡眠ガイド2023は、成人の睡眠時間について、6時間以上を目安にしつつ、おおよそ6〜8時間が適正と考えられると述べています。一方で個人差が大きく、6時間未満で足りる人も、8時間以上必要な人もいます。日中の眠気や休養感に応じて、自分に必要な時間を探ることが大切とされています。同じガイドは、20〜59歳の各世代で、6時間未満の人が約35〜50%いるとも書いています。ただ、多いことは、つらさが軽いことを意味しません。
何日続いたら、気にしてよいのか
e-ヘルスネットは、不眠と日中の不調が週に3日以上あり、それが3か月以上続く場合を慢性不眠症、3か月未満を短期不眠症と説明しています。これは説明上の区分で、診断は医師が行うものです。日数が目安に届いていなくても、日中の生活に支障が出ているなら、相談してよい場面です。睡眠ガイド2023も、十分に眠れない、休養感が得られない、日中の眠気が強いなどの症状が続いて生活に影響するときは、速やかに医師に相談するよう書いています。
朝に一言だけ書いておけば、あとで話すときの材料になるよ。
夜勤のある仕事では、眠りが乱れやすい面があります。睡眠ガイド2023は、交替制勤務では睡眠の不調などの健康リスクに注意が必要であり、不眠や睡眠休養感の低下、業務中の眠気が続いて日常生活に支障を来している場合は、速やかに医療機関を受診するよう書いています。夜勤そのものの整え方は夜勤で眠れないときに整える5つの習慣に、からだの不調は夜勤中の体の不調と体力の整え方にまとめました。
また、e-ヘルスネットの「概日リズム睡眠・覚醒障害」のページは、夜勤が原因で眠気や不眠、倦怠感、消化器症状が出る「交替勤務障害」という類型を紹介しています。夜勤をしていれば当てはまる、という意味ではなく、診断も医師が行います。ここでは、そうした説明があることを知っておけば十分です。
眠れない理由を分けて、今夜は寝床から一度離れる
e-ヘルスネットの「不眠症」のページは、不眠の原因として、次のようなものを挙げています。どれが近いかを一言メモしておくと、受診のときに話が早く進みます。
- ストレスや緊張(インシデントのあと、苦手な人と同じ勤務の前の夜など)
- 生活リズムの乱れ(交替勤務、夜勤明けの長い昼寝など)
- からだの病気(高血圧、心臓病、糖尿病など)
- こころの病気(うつ病などが、不眠の背後に隠れていることがある)
- ほかの睡眠障害(睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群など)
- 薬や刺激物(カフェイン、ニコチン、一部の薬)と、寝室の音・光・温度
今夜できることとして、同じページは、眠れないまま長く寝床にいると不安や緊張が増して目が冴えやすいため、眠くなるまで別の場所で過ごすよう説明しています。夜勤明けの日は、昼寝を短めにして、夜にまとめて眠る時間を残しておく工夫もあります。就寝・起床の時刻や入浴、寝室の整え方など、生活の工夫の一覧は睡眠を整える生活の工夫にまとめました。
受診の順番と、睡眠薬について知っておくこと
受診の流れについて、e-ヘルスネットは、まずかかりつけ医に相談し、睡眠の指導や睡眠薬による治療で改善しなければ、精神科や心療内科などの専門医に相談する、と案内しています。気分の落ち込みや意欲の低下を伴う場合は、早めに専門医を受診するよう書かれています。いびきや呼吸の止まりを指摘されたことがあり、睡眠時無呼吸症候群などが疑われるときは、専門施設での検査が必要とされています。
いまの不眠の治療は、睡眠薬を使う薬物療法が中心で、睡眠薬は正しく使えば安全で、過度に心配する必要はない、と同じページは説明しています。一方で、長い期間、漫然と使い続けるのはよくないとし、医師の指導のもとで使うことを大事にしています。ドラッグストアで買える睡眠改善薬は、アレルギーの薬の眠気を利用したもので、短期間の使用に限られ、不眠症への治療効果は確かめられていない、とも書かれています。
看護師は、仕事で睡眠薬を扱うぶん、自分で量や飲む時刻を調整したくなることがあります。夜勤のある勤務表では、飲む時刻が翌日の勤務に響くこともあるため、受診のときに勤務表と、上の1週間の記録を見せて、夜勤前後の飲み方まで含めて医師と決めておくと安心です。
診察の前に誰かに話したいときは、24時間の窓口として、#いのちSOS(0120-061-338)とよりそいホットライン(0120-279-338)があります。働く人向けのこころの耳の電話・SNS相談など、ほかの番号と受付時間はメンタル相談窓口の一覧にまとめています。勤務の組み方が眠れなさの背景にあるときは、職場の産業医や、労働相談の窓口にも話せます。
ここまで読んで、きっと疲れたよね。
話したくなったときは、電話の窓口も使ってね。
よくある質問
眠れない日が何日続いたら、受診したほうがよいですか?
e-ヘルスネットは、不眠と日中の不調が週3日以上・3か月以上続く場合を慢性不眠症と説明しています。ただ、日数の目安に届かなくても、睡眠ガイド2023は、症状が続いて日中の生活に影響しているときは速やかに医師に相談するよう書いています(日数の線引きは示していません)。
看護師が眠れないとき、市販の睡眠改善薬を使ってもよいですか?
e-ヘルスネットは、市販の睡眠改善薬はアレルギーの薬の眠気を利用したもので、短期間の使用に限られ、不眠症への治療効果は確かめられていないと説明しています。眠れない日が続くなら、かかりつけ医に相談して、勤務表に合わせた治療を決めるほうが安心です。
夜勤の人は、眠れなくて当たり前ですか?
睡眠ガイド2023は、交替制勤務では睡眠の不調などの健康リスクに注意が必要としています。当たり前と我慢するより、不眠や休養感の低下、業務中の眠気が続くなら、受診を考える目安です。
出典・参考(公的な情報)
- 不眠症(e-ヘルスネット)(厚生労働省)
- 健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)
- 概日リズム睡眠・覚醒障害(e-ヘルスネット)(厚生労働省)
- 働く人の「こころの耳電話相談」(こころの耳(厚生労働省))
- 働く人の「こころの耳SNS相談」(こころの耳(厚生労働省))
- 電話相談窓口(まもろうよ こころ)(厚生労働省)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
つぎに読む
この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。