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夜勤のからだのケア

看護師の夜勤のむくみ・肌荒れ・体力。からだの困りごとを整理する

更新 2026年10月23日読むのに約6分

夜勤明けの鏡の前で、むくみや肌荒れ、体力の落ち方に、ため息が出る朝があります。ここでは、困りごとを勤務の組み方、自分でできること、相談する目安に分けて整理します。

夜勤明けの鏡の前で、ため息が出る朝って、あるよね。

むくみ・肌荒れ・体力・生理を、分けて見る

夜勤のあとの体の変化は、ひとまとめに「夜勤のせい」と考えがちです。けれど、むくみ、肌荒れ、体力の落ち方、生理の乱れは、それぞれ原因も、動かせるところも違います。分けて書き出すと、何から手をつけるかが見えてきます。

最初に、はっきりさせておきたい点があります。むくみや肌荒れが、夜勤とどう関わるのかを示す公的な資料は、確認できた範囲にはありませんでした。このため、この記事では、原因を言い切ることはしません。確認できたのは、夜勤・交代制勤務そのものが、体に負担のかかる働き方だという、公的な説明です。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、交替制勤務は体内時計に逆らって生活せざるを得ない働き方で、睡眠の不調などの健康リスクに注意が必要だと書いています。日本看護協会の調査事業報告も、夜勤に合わせて生活を夜型にするのは困難で、夜勤のあとに十分な休息が取れる勤務にすることを、対応策として挙げています。

つまり、公的な資料が示しているのは、夜勤・交代制勤務には睡眠などの健康リスクがあり、勤務の組み方が影響するという点までです。むくみや肌荒れの原因は人によって違い、別の理由もあり得るため、決めつけはしません。ただ、疲れの原因をすべて自分の努力不足に結びつけなくてよい、とは言えます。見直す場所は、自分の努力だけでなく、勤務の組み方にもあります。

勤務の組み方で動かせること

日本看護協会は、2013年2月に、看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドラインで、勤務編成の基準を11項目提案しています。これは法律ではなく、協会としての提案です。体の回復に直接かかわるのは、勤務と勤務の間隔を11時間以上あけることと、夜勤の途中で1時間以上の休憩と連続した仮眠の時間を設けることの2つです。11項目の全体と、回数の数え方は夜勤の回数を数字で伝える方法にまとめています。

むくみや疲れが強い日を記録と照らし合わせると、「明けの翌日がすぐ日勤だった」「仮眠が取れなかった夜だった」など、勤務の組み方との重なりが見えることがあります。重なりが見えたら、その勤務の並びを具体的に挙げて、勤務表を作る人に相談する材料にできます。

2021年3月の日本看護協会「就業継続が可能な看護職の働き方の提案」には、仮眠についての考え方もあります。二交代制では、60分以上の休憩のほかに、60分から90分のまとまった仮眠が、疲労の回復に有効とされています。三交代制の深夜勤でも、休憩中の15分ほどの短い仮眠が有効とされています。実労働時間が8時間を超える夜勤では、連続2時間以上の仮眠時間を設ける取り組みも挙げられています。

同じ協会の調査事業報告は、夜勤のあとは、最低2日間は夜に睡眠が取れるシフトにすること、夜勤明けの昼間の睡眠は良質になりにくいこと、夜勤明けの翌日の夜にも十分な睡眠時間を確保することを、考えられる対応策として示しています。どれも、職場の勤務表の組み方に関わる話です。

職場に話せることと、自分で動かせること
職場に話せること
  • 勤務と勤務の間隔
  • 夜勤の連続回数
  • 仮眠の時間と場所
  • 夜勤後の休みの取り方
自分で動かせること
  • 仮眠のとり方
  • 夜勤明けの過ごし方
  • 体調の記録
  • 受診・相談のタイミング

ぜんぶ自分で抱えなくていいよ。話せる場所も、ちゃんとあるからね。

上の項目は、職場にそのまま要求するための物差しではありません。いまの勤務が、どの項目から遠いかを知るための手がかりです。夜勤明けの過ごし方は夜勤明けの過ごし方にまとめています。

自分でできる工夫と、効果を決めつけない見方

勤務をすぐに変えられないときは、自分で動かせる範囲から始めます。睡眠ガイド2023は、夜勤中の仮眠について、0時から4時の間に始める20分から50分の仮眠が、眠気や仕事の効率、疲労を改善したという報告を紹介しています。60分と長めの仮眠は、かえって仕事の効率が下がった研究もあります(起きた直後のぼんやりした状態が出やすいため)。

カフェインは、夜勤中の眠気に有効な場合があるものの、過剰にとると健康や睡眠に悪影響を及ぼす可能性がある、ともされています。これらは、ガイドが紹介している報告や考え方で、効果を約束するものではありません。ガイド自身も、推奨する対策が参考にならない場合があると書いています。体質や勤務によって、合う方法は違います。

夜勤明けは、無理をしない

夜勤明けは、無理をしないでね。続きは、起きてからでも間に合うよ。

困りごとを記録するメモ

記録は、気づいたことを一行だけでいいからね。

生理や体調の波と、記録のつけ方

夜勤のある働き方でも、生理の周期と体調の関わりを、記録しておく価値があります。e-ヘルスネットは、女性ホルモンは日中の眠気や睡眠に影響し、月経、妊娠・出産、閉経(更年期)などホルモンが大きく変わる時期に、睡眠の問題が起こることがあると説明しています。月経前の体調不良が続くときは、月経前症候群の可能性があるため、産婦人科への相談が勧められています。

対策としては、日中に光を浴びることや、睡眠日誌をつけて、周期と睡眠の関係を把握することが挙げられています。上の記録メモに、周期の目安を一行足すだけでも、振り返りの材料になります。ピルなどの薬の話は、この記事では書きません。受診先は婦人科が目安で、夜勤との兼ね合いは夜勤と生理、ピルの考え方で扱います。

受診・健診・相談を考える目安

睡眠ガイド2023は、交替制勤務では、不眠や睡眠休養感の低下、業務中の眠気が続き、日常生活に支障を来しているときは、速やかに医療機関を受診するよう書いています。e-ヘルスネットは、夜勤が原因で眠気や不眠、倦怠感、消化器症状が出る「交替勤務障害」を、概日リズム睡眠・覚醒障害の一つとして説明しています。日勤に戻ると改善するという特徴も挙げられています。夜勤の看護師が、その状態にあたると決めるものではなく、診断は医師が行います。

むくみや肌荒れが、いつもと違う、強い、長引くと感じるときも、自分で原因を決めず、医療機関に相談します。何科か迷うときは、かかりつけの内科などに、症状と夜勤の状況を伝える道があります。心の不調が重なるときは、相談先の選び方に窓口を並べています。眠れないときの整え方は眠れないときの整え方にあります。

法令の面では、深夜業を含む業務に常時従事する労働者には、労働安全衛生規則45条により、6か月以内ごとに1回の健康診断があります(夜勤と健康の関係は夜勤と寿命・健康のリスクでも扱っています)。また、労働安全衛生法66条の2と規則50条の2により、深夜業が、受診日前6か月間を平均して1か月あたり4回以上の人は、自分で受けた健康診断の結果を、事業者に提出できます。

健康診断の結果に異常の所見があるときは、事業者が医師の意見を聴き(66条の4)、必要があるときは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少などの措置を講じるほか、適切な措置をとることになっています(66条の5)。これは、事業者が必要と認めた場合の措置で、労働者が夜勤を減らす権利を持つ、という意味ではありません。

ここまでで、見る場所がだいぶ絞れたね。

健診の結果も、記録のノートにはさんでおくと、見返すときに役に立つよ。

よくある質問

夜勤でむくみや肌荒れが出るのは、夜勤が原因ですか?

原因は人によって違い、記事の中では決めていません。日付と夜勤の前後を記録しておくと、勤務の並びと重なるかが見え、受診や相談のときの材料になります。いつもと違う、強い、長引くときは医療機関に相談してください。

夜勤中の仮眠は、どのくらいの長さがよいですか?

睡眠ガイド2023は、0時から4時の間に始める20分から50分の仮眠で、眠気や疲労が改善した報告を紹介しています。60分と長めの仮眠では、かえって効率が下がった研究もあります。効果を約束するものではないため、自分の勤務で試して記録します。

夜勤で生理が乱れるときは、どうすればよいですか?

月経前の体調不良が続くときは、産婦人科への相談が勧められています。睡眠日誌や記録で、周期と体調の関係をつかんでおくと、相談のときの材料になります。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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