睡眠と夜勤の健康
看護師の睡眠改善チェックリスト。夜勤のある暮らしで見直す項目
更新 2026年10月23日読むのに約6分
夜勤があると、眠る時刻が毎週ずれて、眠れているのかも自分では分かりにくくなります。1日の流れに沿ったチェックリストにして、見直せる項目と、医師に相談する線引きをまとめました。
夜勤のある暮らしで、毎晩ぐっすり、というのは難しいよね。
まずは、いまの眠り方を知るところから始めよう。
睡眠時間の目安は、どこまで当てにしてよいか
厚生労働省の『健康づくりのための睡眠ガイド2023』(2024年2月)は、成人の睡眠について、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保する、と推奨しています。本文では、おおよそ6〜8時間が適正と考えられるが、個人差があり、6時間未満でも足りる人も、8時間以上必要な人もいる、とされています。日中の眠気や、睡眠で休めた感覚(睡眠休養感)に応じて、必要な時間を自分で探る、という考え方です。
このガイドは、20〜59歳の各世代で、睡眠時間が6時間未満の人が約35〜50%を占めると書いています。夜勤があると、時間の数字だけで自分を判断しにくくなります。長さに加えて、休まった感じがあるかも、並べて見ます。
交替制勤務については、体内時計に逆らって生活せざるを得ない勤務形態で、睡眠の不調などの健康リスクに注意が必要、と同じガイドが書いています。そのため、このガイドの推奨対策が参考にならない場合もある、とも書かれています。以下のチェックリストは、効果を約束するものではなく、試してみる項目の一覧です。
- 寝た時刻と起きた時刻(夜勤の日は日中の睡眠も)
- 夜勤中の仮眠:あり・なし、おおよその分数
- 眠気が強かった時間帯
- 起きたときの、休まった感じ(○・△・×)
- カフェインをとった時刻
1週間つけると、ずれの形が見えてくるよ。
日勤の日と休日に見直す8項目
e-ヘルスネットの『不眠症』のページ(2023年1月更新)には、眠りを妨げにくくするための、日々の工夫が挙げられています。夜勤の入り方で難しい項目もあるため、全部をそろえる必要はありません。できそうな1〜2個を選びます。
最後の項目について、同じページは、眠れないまま長く寝床にいると、不安や緊張が増して目がさえるため、悪化しやすいと説明しています。「寝なくては」と思うほど眠れなくなる、という悪循環を避ける考え方です。眠れない夜が続くときの受診の目安は、眠れない夜が続くときの記事にまとめています。
チェックは、一度に全部を試すより、1項目を2週間続けて、上の睡眠メモの「休まった感じ」が変わるかを見るほうが、効いたかどうかが分かりやすくなります。変わらなければ次の項目に移ります。夜勤の入り方で続けられない週は、そこで止めて、日勤の日だけの項目に戻ります。
チェックが多いと、それだけで疲れちゃうね。
ぜんぶやらなくていいよ。一つ選べたら、それで十分。
夜勤の前・夜勤中・夜勤明けのチェック
夜勤のある日の工夫は、睡眠ガイド2023の、交替制勤務の項目に載っています。厚生労働省は、これを夜勤の看護師だけに向けた推奨としては出していません。ガイドが紹介している報告や考え方として、読んでください。
- 夜勤中の仮眠:0〜4時に始める20〜50分の仮眠は、眠気・仕事の効率・疲労を改善する、という報告がある。60分と長めの研究では、かえって仕事の効率が下がった(目覚めた直後に頭がぼんやりする状態のため)
- カフェイン:夜勤時の眠気に有効な場合があるが、過剰にとると、健康や睡眠に悪影響が出る可能性がある。カフェインをとってから仮眠する方法の報告もある
- 照明:強い照明を避けることも、ガイドのQ&Aで挙げられている
- 休息の確保:夜勤中に適切に仮眠が取れるよう、休養時間の確保や静かな場所の整備が望まれる、とガイドは書いている
最後の項目は、個人の工夫だけでは足りない部分です。日本看護協会の『看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン』(2013年)も、夜勤の途中で連続した仮眠時間を設定すること、休憩を1時間以上取ることを提案しています。法律ではなく職能団体の提案ですが、職場に相談するときの目安になります。夜勤後の休息についても、1回の夜勤後はおおむね24時間以上が望ましく、2回連続した夜勤の後はおおむね48時間以上を確保する、と提案しています。数字を含む項目は、夜勤の回数を数字で伝える方法にあります。
夜勤の途中に、連続して仮眠できる時間を、勤務の中に組み込んでもらうことはできますか。静かな場所の確保も、あわせて相談したいです。
上司や、勤務表の担当者に聞く例
夜勤明けの過ごし方も、ガイドが触れています。週1〜2回程度の夜勤の場合は、夜勤明けも日勤の日と同じように、朝から午前中に日光を浴びて、体内時計を日勤の日に合わせる方法がある、とされています。夜勤明けはすぐに寝ず、夕方以降から、普段よりやや長めに寝て、翌朝は日勤の日と同じ時刻に起きます。
- 朝〜午前に日光夜勤明けも浴びる
- すぐ寝ない夜勤明けの昼間
- 夕方以降に長めに普段よりやや長く
- 翌朝は日勤と同じ起きる時刻をそろえる
夜勤の回数が多い人には、合わないこともあるよ。
続けても眠れないときの線引き
チェックを試しても、眠れない、休めた感じがない、日中の眠気が強いといった状態が続き、日中の生活に影響しているなら、速やかに医師に相談する。これが、睡眠ガイド2023の案内です。交替制勤務についても、不眠や睡眠休養感の低下、業務中の眠気が続いて日常生活に支障が出ている場合は、速やかに医療機関を受診するよう書かれています。
e-ヘルスネットの「不眠症」のページは、家庭での対処で効果がなければ、まずかかりつけ医に相談し、改善しなければ精神科や心療内科などの専門医を受診する、という流れを示しています。気分の落ち込みや意欲の低下を伴う場合は、早めに専門医を受診する、とされています。不眠が続く期間による分け方や、受診のときの伝え方は、眠れない夜の記事に分けて書きました。
e-ヘルスネットの『概日リズム睡眠・覚醒障害』のページには、類型の一つに『交替勤務障害』があり、夜勤が原因で眠気や不眠、倦怠感、消化器症状が出て、日勤に戻ると改善する、と説明されています。夜勤をしている看護師が、みな当てはまるという意味ではありません。気になるときは、専門医への相談が勧められています。
眠れないことが仕事の負担や気持ちのつらさと重なっているときは、つらいときの窓口にも話せます。休日に寝だめをして夜に眠れなくなる形が続くときは、休日に寝ても疲れが取れないときの記事に、起きる時刻のそろえ方を書きました。
今夜は、スマホを置いて、ゆっくり眠れますように。
よくある質問
看護師は、1日に何時間眠ればよいですか?
厚生労働省の睡眠ガイド2023は、成人は6時間以上を目安にするとしています。個人差があり、日中の眠気や休まった感じに応じて、必要な時間を自分で探ることが勧められています。
夜勤中の仮眠は、何分がよいですか?
睡眠ガイド2023は、0〜4時に始める20〜50分の仮眠が、眠気や疲労を改善した報告がある一方、60分と長めの研究では、効率が下がったと紹介しています。仮眠のとり方は、職場の体制にも左右されます。
どのくらい眠れないと、受診したほうがよいですか?
睡眠ガイド2023は、症状が続いて日中の生活に影響しているなら、速やかに医師に相談するとしています。交替制勤務でも、不眠や休養感の低下、業務中の眠気が続いて日常生活に支障があるときは、速やかな受診が勧められています。
出典・参考(公的な情報)
- 健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省)
- 不眠症(e-ヘルスネット)(厚生労働省)
- 概日リズム睡眠・覚醒障害(e-ヘルスネット)(厚生労働省)
- 看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン(2013年)(公益社団法人 日本看護協会)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。