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年収・給与水準

公務員看護師の年収と給与の仕組み。俸給表・手当・条例で決まる点

更新 2026年10月23日読むのに約7分

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公務員の看護師の給料は、どの表で、誰が決めているのでしょうか。医療経済実態調査では公立病院の看護職員の平均年収は約613万円、国立は約561万円(令和6年度)で、この記事では国と地方で違う決め方から、俸給表・手当・退職手当まで順にたどります。

公務員といっても、国と地方で話が変わるのかな。

決め方の仕組みから、順番に見てみよう。

国の看護職員は、医療職俸給表(三)の級と号俸で決まる

先に年収の目安を置きます。厚生労働省の医療経済実態調査(令和7年実施)で、一般病院の常勤の看護職員1人あたりの平均給料年額と賞与の合計は、令和6年度で公立約613万円、国立約561万円、医療法人約477万円でした。准看護師などを含み、時間外勤務手当や通勤手当も含む数字です。この差が、どの表と決まりから生まれるのかを、国と地方に分けて見ていきます。

給与法(一般職の職員の給与に関する法律)の適用を受ける国家公務員のうち、病院・療養所・診療所などに勤める保健師・助産師・看護師・准看護師その他の職員(人事院規則で定めるもの)には、人事院の「医療職俸給表(三)」が適用されます。給料は、級と号俸の組み合わせで決まる俸給月額が基本になります。

この表が使われる職員は、令和8年国家公務員給与等実態調査(令和8年4月1日現在)で1,757人です。令和6年末に就業していた看護師が約136万人(衛生行政報告例)であることを考えると、国の俸給表がそのまま使われる看護職員は、ごく一部です。自治体の病院で働く看護師には、各自治体の条例が使われます(次の節)。

医療職俸給表(三)の俸給月額(抜粋)
級1号俸11号俸
1級221,700円239,700円
2級254,700円269,100円
3級293,900円298,600円
4級307,300円312,400円
5級330,800円341,500円
6級373,400円392,200円
7級428,500円447,600円

人事院「俸給表」(令和8年4月1日現在)から、各級の1号俸と11号俸だけを抜き出した例です。号俸は各級でさらに続き、実際の級・号俸は人ごとに違います。

表は一部だけ。級と号俸の組み合わせで決まるよ。

表の読み方です。同じ級の中では、1号俸から11号俸に進むと、1級で18,000円(221,700円から239,700円)、2級で14,400円、6級で18,800円ほど上がります(筆者計算)。級が上がると、1号俸の額そのものが上がり、7級の1号俸は428,500円です。号俸は、この表で抜き出した11号俸のあとも続き、1級は100号俸を超えます。

どの級に、どの号俸で位置づけられるかは、勤め先の運用で決まります。この表から、自分の額を読み取ることはできません。令和8年8月7日の人事院勧告で、官民較差15,056円(3.51%)、行政職俸給表(一)の平均改定率3.3%が示されましたが、勧告は国会と内閣に対するもので、実施は給与法の改正という別の手続きです。俸給表の改定額は、改正後の俸給表で確かめます。

月給は、俸給だけではない。地域手当・扶養手当・住居手当

令和8年国家公務員給与等実態調査(令和8年4月1日現在)によると、医療職俸給表(三)の職員は、平均年齢48.4歳、平均経験年数22.7年で、平均給与月額は390,461円でした。内訳は、俸給343,846円、地域手当等24,378円、俸給の特別調整額971円、扶養手当11,018円、住居手当6,399円、その他3,849円です。

この内訳の表には、夜勤手当、夜間看護等手当、時間外手当、期末手当・勤勉手当の項目が挙がっていません。この月額を、夜勤を含む実際の月収として読むことはしません。平均年齢が48.4歳、経験も22.7年と長い職員の平均なので、若い職員の給与としては読みません。

人事院の「国家公務員の諸手当の概要」(令和8年4月現在)から、看護職員に関わりの深いものを拾います。

  • 地域手当:俸給等の月額に支給割合をかける。1級地(東京都特別区)は20/100、2級地(横浜市・大阪市などを含む)は16/100、3級地は12/100。令和10年3月31日までは、人事院規則で定める割合になるとの注記もある。勤務地で総支給が変わる
  • 扶養手当:子は月額13,000円(16歳の年度初めから22歳の年度末までは5,000円が加算)、父母等は6,500円
  • 住居手当:借家・借間に住み、家賃が月額16,000円を超える場合に、最高28,000円
  • 通勤手当:6か月定期券などの価額に応じて支給。支給限度額は1か月あたり15万円

夜勤に関わる手当は、名前が複数に分かれます。夜勤手当は、正規の勤務時間として深夜に勤務した職員に、勤務1時間あたりの給与額の25/100に勤務時間数をかけた額が出ます。これとは別に、特殊勤務手当の夜間看護等手当(深夜の患者の看護等に、1回1,620円〜7,300円)、宿日直手当(勤務1回につき4,700円〜22,500円)があります。なお、民間の病院などの深夜労働には、労働基準法37条が、2割5分以上の割増賃金を定めています。

賞与にあたるのは、期末手当と勤勉手当で、6月1日と12月1日に在職する職員などに支給されます。令和8年8月の人事院勧告では、期末手当と勤勉手当を合わせた年間の支給月数を、4.65月から4.70月に引き上げるよう勧告されました。この勧告も、実施は別の手続きです。

夜勤の手当は、名前が3つに分かれているんだね。

自治体の病院は、条例で決まる

地方公務員法24条は、職員の給与を、職務と責任に応ずるものとし(1項)、生計費、国や他の自治体の職員、民間事業の従事者の給与その他の事情を考慮して定めること(2項)、給与や勤務時間などの勤務条件は条例で定めること(5項)を、定めています。公営企業の職員には、地方公営企業法38条があり、企業職員の給与は給料と手当とし(1項)、国や自治体の同一または類似の職種の職員、民間事業の従事者の給与、その企業の経営状況などを考慮して定め(3項)、給与の種類と基準は条例で定める(4項)とされています。

国の看護職員

給与法と、人事院の医療職俸給表(三)で決まる。人事院が民間の給与を調べ、勧告を出す。

自治体の病院の看護師

各自治体の条例・規則で決まる。国や他の自治体、民間の給与を考慮して定める(地方公務員法24条など)。

したがって、国の俸給表の数字は、地方の公立病院の給与をそのまま示すものではありません。公立病院の看護師の身分も、自治体直営の病院か、独立行政法人や地方独立行政法人の病院かといった運営形態で変わります。「公務員」と一括りにせず、勤め先の運営形態を確かめます。採用試験の受け方や日程は、公務員看護師の採用試験で扱っています。

調査で見る公立病院の水準

日本看護協会の「2025年 病院看護実態調査」(回答した病院の平均で、全国の代表値ではありません)では、大卒の初任給の税込給与総額が、公立314,685円、国立308,099円、全体292,527円でした。勤続10年・31〜32歳・非管理職では、公立368,081円、国立362,027円、全体340,278円です。夜勤は三交代8回(二交代4回)の月を想定した数字で、時間外の手当は含みません。

同じ協会の「2024年度 看護職員の賃金に関する実態調査」では、年齢や勤続年数に基づく昇給が「ある」病院は、公立90.5%、国立81.2%(全体75.0%)でした。賞与を「支給した、または支給する予定がある」病院は、公立94.8%、国立93.4%(全体88.0%)です。医療経済実態調査の公立約613万円・国立約561万円は、冒頭のとおりです。日本看護協会の会員調査で、官公庁勤務の正規雇用フルタイムの会員の2024年の年収の平均は、約622万円です。

これらの数字には、年齢や勤続の構成の違いも含まれている可能性がありますが、調査の資料に理由は書かれていません。「公務員は給料が安定している」と、一言でまとめることはしません。昇給や賞与の水準は、条例や規程で決まります。調査から言えるのは、公立・国立の病院で、年齢や勤続による昇給と賞与の支給が「ある」と答えた病院の割合が高い、というところまでです。

退職手当は、国家公務員では国家公務員退職手当法で決まり、退職日の俸給月額(基本給月額)に、退職の理由と勤続年数で決まる支給率をかけた基本額に、調整額を足します。内閣人事局の早見表(調整率83.7/100を含めた数)では、次のとおりです。

  • 自己都合:勤続10年 5.022か月分、20年 19.6695か月分、30年 34.7355か月分
  • 定年など:勤続10年 8.37か月分、20年 24.586875か月分、30年 40.80375か月分、35年以上 47.709か月分

たとえば俸給月額30万円で勤続20年なら、自己都合で約590万円、定年などで約738万円が基本額の目安です(筆者計算。調整額は別)。定年の引上げ後は、引上げ前の定年年齢以降に退職した職員は、定年退職と同じ支給率になるとされています。自治体の病院の退職手当は、各自治体の条例で決まるので、勤め先の条例で確かめます。民間の退職金の考え方は退職金の基本、民間病院と並べるときは大学病院・設置主体別の年収の早見表も使えます。

公立・公的な病院の募集要項や規程で、確かめる項目

確かめる先が分かると、少し気持ちが落ち着くね。

気になる募集要項があれば、ひとつ開いてみよう。

よくある質問

公務員の看護師の年収は、いくらくらいですか?

医療経済実態調査(令和6年度)では、一般病院の看護職員の平均年収が公立約613万円、国立約561万円でした。准看護師などを含み、時間外勤務手当なども含む数字です。公立病院の給与は条例で決まるため、勤め先ごとに違います。

公立病院の看護師も、国の俸給表で給料が決まりますか?

いいえ。自治体の病院の看護師の給与は、地方公務員法24条などにより、各自治体の条例で定められます。国の俸給表は、国家公務員の看護職員に適用されるものです。

公務員のボーナスは、年に何か月分ですか?

国家公務員の期末手当・勤勉手当は、令和8年の人事院勧告で、年間4.65月から4.70月への引き上げが勧告されました。勧告は実施が別の手続きで、自治体の病院は条例で決まります。勤め先の規程で確かめてください。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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