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ミス・自信・感情

看護師のミスを引きずる夜は、切り替えノートに書き出す

更新 2026年10月23日読むのに約6分

ミスをした夜は、帰ってからも、何度も同じ場面を思い返してしまうことがあります。事実と気持ちを分けて書くノートで、その夜のうちに、いったん区切りをつける方法をまとめます。

眠いのに、あの場面を何度も思い出しちゃう夜、あるよね。

思い返しが止まらない夜は、事実と気持ちが混ざっている

ミスのあと、頭の中で場面が繰り返されるとき、思い返しているのは「起きたこと」と「そのときの気持ち」が混ざった塊であることが多いです。あのとき確認していれば、こう言われた、また同じことをするかもしれない。事実と、責める声と、先の不安が、一つに絡んでいます。

混ざったままだと、考えるたびに、どこにも着地しません。紙に書いて分けると、頭の外に出た分だけ、整理しやすくなります。ここで使うのは、5つの欄だけの、短いノートです。

頭の中を、紙に預ける

紙に預けると、少し整理しやすくなるよ。

切り替えノートは、5つの欄で閉じる

書く量は、ノート半ページでも足ります。大切なのは、欄を順番どおりに埋めて、最後に「閉じる」ところまで書くことです。

切り替えノートの5つの欄
  1. 起きたこと事実だけ・時刻つき
  2. いまの気持ち1行だけ
  3. 済んだこと報告・確認・対応
  4. 次に防ぐなら仕組みを1つ
  5. 閉じる今夜はここまで

気持ちは1行で止めて、欄を進めよう。

  • 起きたこと:いつ、何が、誰に伝えたか。「〜だったと思う」は書かず、分かっている事実だけにする
  • いまの気持ち:怖い、情けない、など1行で止める。長く書くと、思い返しの続きになる
  • 済んだこと:すでに報告した、確認した、対応した、という完了したことを並べる。自分を責める材料より、終わっている材料を集める
  • 次に防ぐなら:個人の気をつけるではなく、手順や声かけの形で1つだけ。決められなければ「明日、先輩に聞く」でもよい
  • 閉じる:「今夜はここまで」と書いて、ノートを閉じる。続きは、明日の勤務のあとに考える

「次に防ぐなら」の欄は、考えすぎないことが大切です。個人の注意力に頼る形ではなく、手順の中に組み込める小さな形で考えます。たとえば、確認のときに指さしと声出しを加える、ダブルチェックを頼むタイミングを決める、似た名前の薬剤や患者さんは、見分けの印をつけてもらう、といった形です。思いつかない夜は、空欄のままにしておきます。決めるのは、翌日以降でも間に合います。

起きたこと:確認を1回しか行わなかった。気づいてすぐに先輩へ報告した。/気持ち:怖い。/済んだこと:報告、再確認。/次に:確認を声に出す手順を1つ決める。

書き方の例(場面は一般的なもの)
今夜のノートの準備

ノートには、気持ちを1行、事実を何行も書くくらいが、ちょうどいいよ。

隠したくなる気持ちと、報告の順番

ミスのあとに、言い出せない、なかったことにしたい、と思う人は少なくありません。怒られたくない、評価が下がるのが怖い、迷惑をかけたくない。どれも、責められる必要のない、自然な感情です。ノートの「いまの気持ち」の欄には、隠したい、とそのまま書きます。

ただし、気持ちと行動は別に扱います。患者さんの安全に関わることは、気持ちを整えるより先に、職場の報告の流れに乗せます。ノートに書くのは、報告をしたあと、あるいは報告の準備として、事実を整理する場面です。報告の取り方や、個人を責めずに仕組みで防ぐ考え方は、インシデントのあとの対策に続けます。

報告を済ませたあとも、気持ちが残ることがあります。先輩や師長がどう思ったか、明日どんな顔をして出勤すればよいか。そのときは、翌朝の最初の一言だけを、ノートの最後に書き足しておきます。「おはようございます。昨日はご迷惑をおかけしました」のように、短く、決まった形にしておくと、顔を合わせる瞬間の怖さが小さくなります。

ミスへの怖さが強く、出勤するのもつらいときは、ミスが怖いとき、落ち込みから戻る手順も読んでみてください。この記事は、その夜の区切りに絞っています。

ミスが続くときは、技術以外も見る

同じようなミスを繰り返す、このところミスが多い、というときは、技術の問題と決める前に、周りの条件を並べます。睡眠は足りているか、連勤や夜勤が続いていないか、業務量や中断の多さはどうか、焦るような人員の日が重なっていないか。

  • 時間帯:夕方の忙しい時間か、夜勤の後半か。起きた時刻を並べると、偏りが見える
  • 直前の状況:声をかけられて中断された、ほかの処置が重なっていた、急ぎの対応のあとだった
  • 自分の状態:前の晩の睡眠、連勤の何日目か、食事や休憩が取れていたか
  • 手順の中の位置:確認のどの段階で抜けたか。毎回同じ段階なら、その段階の手順を見直す手がかりになる

ノートに、睡眠の時間と、その日の忙しさも一緒に書いておくと、ミスの起きた日の共通点が見えてきます。疲れのほうが先なら、疲れた・休みたいを3つに分ける記事や睡眠の整え方で、整える順番を見ます。

「向いていないのかも」と考えが進むときは、結論を急がず、場面ごとに分けて書きます。整理のしかたは、「向いてないかも」と感じる日の整理にあります。

夜が続くとき、話せる先

ノートを書いても、眠れない夜が続く、食べられない、出勤前に気持ちが沈む、といった様子が重なるときは、ひとりで抱えず、話せる先を使います。職場の師長や産業医、通っている医療機関のほかに、働く人向けの公的な窓口もあります。

  • こころの耳電話相談(厚生労働省のポータルサイトの窓口):0120-565-455、フリーダイヤル。平日17:00〜22:00、土日10:00〜16:00(受付は終了の10分前まで)。祝日・振替休日・年末年始(12月29日〜1月3日)は対象外。発信者番号を非通知にした電話は受け付けない、と案内されている
  • 夜中につらいとき:#いのちSOS(0120-061-338、24時間、フリーダイヤル)。こころの耳の受付が終わった時間帯にも使える
  • こころの耳SNS相談:平日17:00〜22:00、土日10:00〜16:00(受付は終了の30分前まで)。祝日・振替休日・年末年始は受付なし
  • つらいときの窓口:窓口の一覧に、ほかの相談先もまとめています

電話番号や受付時間は変わることがあるので、かける前に、こころの耳の公式ページで確かめてください。眠れない・食べられない状態が続き、日常生活に支障が出ているときは、医療機関を受診して、その様子を伝えます。

ノートを閉じたら、今夜はおしまい。ゆっくり、おやすみ。

よくある質問

ミスを引きずって眠れないときは、どうすればいいですか?

切り替えノートで、起きたことと気持ちを分けて書き、「閉じる」ところまで書いて区切ります。眠れない夜が続き、日常生活や仕事に支障が出ているときは、医療機関の受診や、こころの耳などの窓口を考えてください。

ミスを隠したくなるのは、おかしいことですか?

隠したくなる気持ちは、自然な感情で、おかしいことではありません。ただし、患者さんの安全に関わることは、気持ちの整理より先に、職場の報告の流れに乗せます。気持ちはノートに、行動は報告に、と分けて考えます。

ミスが続くのは、看護師に向いていないからですか?

決められません。睡眠、連勤、業務量、中断の多さなど、周りの条件と一緒に、ミスの起きた場面を書いて見ます。条件が重なっていることも多く、先に確かめたい点です。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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