退職後のお金
看護師の失業保険、受給までの手続きの流れ。ハローワークで何をするか
更新 2026年10月23日読むのに約7分
退職したあとの失業保険は、手続きを始めてから最初の振込まで、待つ期間と通う回数があります。離職票が届いてから振込までの5つの手順と、つまずきやすい所を、順に整理します。
辞めたあとの手続きって、ひとりだと心細くなるよね。
順番を書き出しながら、ひとつずつ見ていこう。
離職票が届いてから、最初の振込まで
失業保険と呼ばれるお金の正式な名前は、雇用保険の基本手当です。受け取るには、住所地のハローワークで求職の申込みをして、受給資格の決定を受けます。受給資格は、離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者だった期間が通算12か月以上あることが原則です。会社都合などの特定受給資格者や、一部の特定理由離職者は、離職の日以前1年間に通算6か月以上で足ります。
被保険者期間の数え方は、離職日から1か月ごとに区切り、賃金の支払の基礎になった日数が11日以上、または労働時間が80時間以上ある月を、1か月として数えます。もう一つ、就職する意思と能力があるのに就職できない「失業の状態」であることも、条件に入ります。体調がすぐれず、しばらく働けない場合は、あとの章の延長を確かめます。
- 離職票が届く会社が手配する
- 求職の申込みハローワークで
- 受給説明会認定日を知る
- 待期と給付制限支給のない期間
- 認定と振込原則4週に1回
5つの順番だけ、先に頭に入れておこう。
- 1. 離職票が会社から届く:会社は、離職の日の翌々日から10日以内に、雇用保険の資格喪失届を出します。離職票-1・-2は、ハローワークが発行したものが会社経由で届きます
- 2. 求職の申込みと離職票の提出:住所を管轄するハローワークで、求職の申込みをして、離職票を出します。ここで受給資格の決定と、離職理由の判定がされます。離職票が届いた時点で就職や内定が決まっていなければ、速やかに来所するよう案内されています
- 3. 受給説明会:「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」を受け取り、初回の失業認定日を知らされます
- 4. 待期と給付制限:求職の申込み後、失業の状態にある7日間(待期)は支給されません。自己都合の退職は、待期のあと、さらに給付制限があります
- 5. 失業の認定と振込:原則4週間に1度、失業の認定を受けます。認定対象期間中に、原則2回以上の求職活動の実績が必要です(初回の認定は1回)。認定日から通常5営業日で、口座に振り込まれます(厚生労働省のQ&Aでは約7日後)
4つ目の給付制限は、自己都合で退職したとき、正当な理由がなければ、待期の満了後に一定期間は基本手当が支給されない仕組みです。厚生労働省の案内では、2025年4月1日以降に退職した場合は原則1か月、3月31日以前なら2か月です。退職日から遡って5年間に2回以上、正当な理由なく自己都合退職して受給資格の決定を受けているときと、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇のときは、3か月になります。
リ・スキリングのための教育訓練を受けると、給付制限が解除される場合もあります。自分の退職日と理由で何か月になるかは、求職の申込みのときに窓口で確かめてください。
求職活動の実績には、ハローワークで職業相談や紹介を受けることも含まれます(雇用保険法15条5項は、公共職業安定所の紹介・職業指導を受けたことなど、求職活動を行ったことを確認して認定すると定めています)。何が実績に数えられるかは、受給説明会で配られる資料と、窓口で確かめてください。
自分の退職日を書いて、給付制限が1か月か2か月かを確かめておこうね。
つまずきやすい所と、確かめ方
手順の途中で止まりやすい所を、場面ごとに整理します。看護師の働き方は、常勤・パート・夜勤専従など幅があり、条件が人によって違います。ここに書くのは確かめる順番で、自分が対象になるかの判断は、窓口で決まります。
- 離職票が届かない:まず会社に、処理状況を聞きます。会社が手続きをしない、または催促しても届かないときは、身元確認書類と、退職を証明する書類(退職証明書など)を持って、管轄のハローワークに早めに相談します
- パート・非常勤の加入条件:雇用保険は、週の所定労働時間が20時間未満の人や、同じ事業主に継続して31日以上雇われる見込みがない人などには適用されません(雇用保険法6条)。自分の勤務時間と契約を、加入していたかどうかの確認につなげます
- 離職理由が実際と違う:受給の手続きのときに、担当者へ伝え、証明できる書類があれば持参します。ハローワークは、本人と事業主の主張と資料を確認して、離職理由を決めます
- 決定に納得できない:処分をしたハローワークを管轄する都道府県労働局の雇用保険審査官に、処分を知った日の翌日から3か月以内に、審査請求ができます(書面または口頭)
- 雇用保険被保険者離職票(-1と-2)
- 個人番号確認書類(マイナンバーのもの)
- 身元確認書類
- 写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm)
- ※マイナンバーカードの提示で写真は省略可
- 本人名義の預金通帳かキャッシュカード
前の日に、机の上へ並べておくと安心だよ。
待つ間・もらいながら・働けないときの注意
待期と給付制限の間は、収入が入りません。生活費の見通しは、受給の見込みよりも、手続きを始める日から逆算して立てます。必要額の出し方は貯金の必要額を出す手順に載せました。日数や金額の目安は、失業保険の計算の仕方で扱っています。所定給付日数は、算定基礎期間が10年未満で90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日が、一般の離職者の目安(雇用保険法22条1項)です。会社都合などの場合は日数が手厚くなることがあり、窓口で決まります。
「もらいながら」と調べる人が多いのは、働いた日や収入の申告と、家族の扶養の二つです。働いた日や収入の申告の扱いは、受給説明会で配られる資料に従います。ここでは、申告そのものがあることと、窓口で確かめることだけをお伝えします。
家族の健康保険の扶養に入っている人は、基本手当の日額が一定を超えると、受給中は扶養に入れない場合があります。日本年金機構の案内では、雇用保険の基本手当を受ける人は、日額3,611円以下なら収入の要件を満たし、日額3,612円以上の支給が始まるときは、扶養を外れる届出が必要とされています。家族の勤務先や加入先によって運用が違うことがあるため、扶養の届出は、家族の勤務先に確かめます。
病気やけが、妊娠、出産、育児などで、30日以上働けないときは、受給期間を延長できます(最長3年)。基本手当の受給期間は、原則、離職の翌日から1年間なので、その間に受け取り切れないことがあるためです。雇用保険の「傷病手当」と、健康保険の「傷病手当金」は別の制度です。体調が理由で働けないときの整理は、傷病手当金の記事で扱います。
退職の翌日から数える、ほかの手続きの期限もあります。国民健康保険と国民年金はそれぞれ14日以内、任意継続は退職日の翌日から20日以内です。比べ方は退職後の健康保険の選び方に、全体の流れは辞めたあとにやることにまとめています。ここでは、失業保険の手続きとは別に期限があることだけを押さえます。
手続きの進み具合や、窓口で言われたことは、現在地ログにメモしておくと、次の認定日に慌てません。退職して気持ちが沈み、動けないときは、期限のあるものだけを先に拾い、残りは少し待ってから進めます。つらさが続くときは、つらいときの窓口にも話せます。
ひとつずつ進めるだけで、じゅうぶん前に進んでいるよ。
窓口で聞けば分かることも多いから、ひとりで抱えなくていいんだよ。
よくある質問
自己都合で辞めても、失業保険はもらえますか?
受給資格を満たせば、対象になります。ただし、待期の7日に加えて、給付制限があります。2025年4月1日以降の退職は、原則1か月とされています。自分の退職日と理由は、ハローワークで確かめてください。
看護師のパートでも、失業保険の対象になりますか?
雇用保険の加入と被保険者期間の条件を満たせば、対象になります。週の所定労働時間が20時間未満の人などは、適用されないとされています。加入していたかは、勤務先やハローワークで確かめます。
離職票が届かないときは、どうすればよいですか?
まず会社に、手続きの進み具合を聞きます。それでも届かなければ、身元確認書類と、退職を証明する書類を持って、管轄のハローワークに早めに相談します。
出典・参考(公的な情報)
- 基本手当について(ハローワークインターネットサービス(厚生労働省))
- 雇用保険の具体的な手続き(ハローワークインターネットサービス(厚生労働省))
- 令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます(厚生労働省)
- 雇用保険法 第6条・第15条・第21条・第22条・第33条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲の概要(ハローワークインターネットサービス(厚生労働省))
- Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~(厚生労働省)
- 従業員が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き(日本年金機構)
- 国民健康保険の加入・脱退について(厚生労働省)
- 国民年金に加入するための手続き(日本年金機構)
- 任意継続(給付と手続き)(全国健康保険協会(協会けんぽ))
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。