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退職前のお金

看護師が辞める前に確かめるお金。退職金・ボーナス・有給の比べ方

更新 2026年10月23日読むのに約6分

辞める日を決める前に、退職金・ボーナス・有給の3つを並べると、手元に残るお金の見通しが立ちます。この記事では、3つの決まる場所の違いと、退職日の置き方で何が変わるかに絞って整理します。

辞める日を決める前に、まず財布の中身から数えておこうか。

3つのお金は、決まる場所がそれぞれ違う

ボーナス、退職金、有給は、同じ「辞めるときのお金」でも、根拠が違います。有給は労働基準法39条で決まった権利です。ボーナスは、法律で設けることが義務づけられていない、と厚生労働省のモデル就業規則の解説にあります。退職金も、制度があるかどうか、いつ払うかは就業規則などの定めによります。つまり、ボーナスと退職金は勤務先の規則を開いて確かめるお金、有給は法律の決まりと残日数で確かめるお金です。

3つのお金と、最後の給与の確かめどころ
決まるところ確かめること退職との関係
ボーナス就業規則(法律の義務ではない)対象時期、算定基準、支給日に在籍が条件か支給日に在籍しない人は対象外にできる定めもある
退職金就業規則など制度の有無、支払いの時期支払い時期は規則の定めによる
有給労働基準法39条残日数、前の年からの繰越退職日で権利は消える
最後の給与労働基準法24条・23条締め日と支払日請求すれば、退職後7日以内に支払う決まり(23条)

2026年10月時点の公的な説明の範囲。勤務先の就業規則と給与明細で確かめる。

どこを開けばいいかが、これで見えるね。

金額より先に、「どの決まりに書いてあるか」を探すんだね。

退職日をずらすと、何が動くか

辞める前のお金は、金額そのものより、退職日をどこに置くかで変わる部分が大きくなります。退職日を前後に動かしたときに変わるものを並べます。

  • 賞与:規則に「支給日に在籍する者」の定めがあれば、退職日が支給日の前か後かで、対象かどうかが分かれる
  • 有給:退職日で権利が消えるので、残日数から逆算して最終出勤日を決める。退職日を延ばせば、使える日が増える
  • 住民税:1月1日から4月30日までに辞めると、残りの税額が最後の給与などからまとめて差し引かれる(鹿児島市の案内)。月によって手取りが大きく変わる
  • 傷病手当金:在職中に体調を崩しているなら、退職後も受けるには、退職日に出勤していないことなどが条件になる(協会けんぽ)
  • 健康保険の資格:退職日の翌日に資格を失う(健康保険法36条)。翌日から次の保険の手続きの期限が数え始まる
退職日を、支給日のあとにするか、予定どおりか
支給日のあとにずらす
  • 規則に在籍要件があれば、対象に入る場合がある
  • 在職の期間が延び、次の職場の開始が遅れる
  • 有給を使う期間に、余裕が出る
予定どおりに辞める
  • 規則に在籍要件があれば、対象外になる場合がある
  • 次の職場に、予定どおり移れる
  • 退職日までに、有給を使い切れるか確かめる

どちらが得かは、規則と金額を見てからだよ。

ずらすかどうかは、増えるお金と、遅れるもの(次の職場の開始、引き継ぎの日程)を並べて決めます。民法627条は、退職の申入れの時期を、年度末やボーナスの後に限る定めを置いていないので、いつ辞めるかは自分で選べます。時期の決め方そのものは、退職の時期にまとめています。

例として、12月10日が賞与の支給日で、有給が10日残っている人が、12月末か1月末かで迷う場合を考えます(日付と日数は例です)。12月末なら、支給日在籍の定めがあっても賞与の対象になり、有給は12月の勤務日から逆算します。1月末にずらすと、有給を使う余裕は増えますが、次の職場の開始が1か月遅れます。さらに、1月に辞めると住民税の残りがまとめて差し引かれるため、最後の給与の手取りが減ります。増える額と減る額を書き出して並べると、どちらが自分に合うかが見えてきます。

ボーナス・退職金・有給。確かめる場所を3行ずつ

ボーナスは、就業規則の賞与の条で、対象期間、算定の基準、支給日在籍の定めの3つを探します。モデル就業規則の解説も、支給日に在籍した人に限る定めを置けば、途中で辞めて支給日に在職しない人には支給しない扱いが可能と説明しています。定めがあるかどうかを、写しで確かめておきます。

退職金は、制度の有無と支払いの時期を、就業規則か退職金規程で確かめます。辞めた月に出るとは限りません。退職金の源泉徴収票は、給与のものとは別に、退職の日以後1か月以内に交付されます(所得税法226条2項)。税金の計算は退職金の税金で見ます。

退職金の規程は、就業規則とは別の冊子になっていることがあります。見当たらないときは、人事に「退職金規程を見せてください」と頼みます。退職手当の定めをする場合、適用される人の範囲、決定・計算・支払の方法、支払の時期は、就業規則に書く事項とされています(労基法89条)。最後の給与は、毎月1回以上、一定の期日に支払うのが原則で(24条)、退職した人が請求すれば7日以内に支払う決まりもあります(23条)。最後の月の締め日と支払日を見ておくと、退職後のひと月の生活費が読めます。

有給は、残日数を数えて、最終出勤日を逆算します。厚生労働省の「確かめよう労働条件」は、退職間近に残日数を使い切りたいと申請したときは、会社は時季変更権を行使できず、認めるほかないと説明しています。残った日数の買上げは法律上の義務ではなく、規程や会社との取り決めがあるときだけ行われます(法定の日数を事前の買上げの予約で減らすことはできない、と鹿児島労働局のQ&A)。数え方と日付の決め方は、退職前の有給消化にまとめました。

辞めたあとの手続きで、動くお金

辞めたあとは、収入が止まる一方、健康保険と年金の切り替え、住民税の納め方、雇用保険の基本手当(失業給付)の手続きで、お金が動きます。期限は退職日の翌日から数え始めるものが多く、健康保険の任意継続は20日以内、国民年金は14日以内です。何をいつまでに出すかは、期限つきの一覧の退職後の保険・年金・失業保険の手続きに、基本手当の受け取り方と給付制限は失業保険の手続きの流れにまとめています。

生活費の見通しで見落としやすいのが、最初の入金までの間です。自己都合の退職では、基本手当は7日の待期と給付制限(2025年4月1日以降の退職は原則1か月)のあとから支給されます。その間も、健康保険料、国民年金の保険料、住民税は出ていきます。退職前に、少なくともこの期間の生活費を確保しておくと、次の職場を急いで決めずに済みます。

辞める前の、お金の確認リスト

リストのうち、規則を見ないと分からない項目が多いほど、辞める日を決めるのは規則を読んでからにします。読んでも分からない箇所は、人事に聞く質問として書き出しておきます。

退職日を1日ずらすと何が動くか、もう言えるようになったね。

よくある質問

ボーナスをもらってから辞めたいとき、何を確かめればよいですか?

ボーナスは就業規則の定めで決まります。支給日に在籍していることが条件になっていないか、規則で確かめます。条件があるときは、退職日を支給日の後に置けるかを、引き継ぎや次の職場の開始日と合わせて考えます。

残った有給は、お金で買い取ってもらえますか?

退職時に残った日数の買上げは、法律上の義務ではありません。規程や会社との取り決めがあれば行われることがあります。まずは退職日までに使い切れるよう、残日数から最終出勤日を逆算してください。

退職金が出る時期は、いつですか?

退職金の支払時期は、就業規則や退職金規程の定めによります。辞めた月に出るとは限らないので、制度の有無と時期を規則で確かめ、生活費の見通しに入れておきます。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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