辞めたい・立場別
看護師の主任・管理職が辞めたいとき。部下と上の板挟みの整理
更新 2026年10月23日読むのに約4分
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役がついてからの「辞めたい」は、仕事の量だけでなく、上と下の間で動けない感覚から来ていることがあります。この記事では、板挟みを三つの向きに分けて、立場ごとの重さと、続ける・役割を変える・動くの分かれ目を整理します。
役がついてから、弱音を話せる相手が減った気がするよね。
「板挟み」を、三つの向きに分けて書き出す
主任、リーダー、副師長、師長。呼び名や仕事の範囲は職場によって違いますが、役がつくと、似た形の重さが出てきます。上からは方針や数字を求められ、部下からは不満や相談を受け、自分の受け持ちの仕事も残ります。この三つが同時に来ると、何が一番重いのか分からなくなります。
そこで、重さを三つの向きに分けます。
- 上向き:上司や看護部からの要求。人員の穴埋め、書類、会議、方針の伝達
- 下向き:部下や後輩への責任。シフトの調整、指導、相談の受け止め、ミスの後始末
- 自分向き:役がつく前からの受け持ちや夜勤と、自分がきちんと休めているか
疲れた場面を一週間ぶん書き出して、どの向きの重さだったかを、一つずつ当てはめます。「全部」と書きたくなる日でも、日ごとに見ると偏りが出てくることがあります。
上向きが多いなら、上に返せること、決めてもらうことを探します。下向きが多いなら、役割の分け方や、相談の受け止め方を見直す余地があります。自分向きが多いなら、役職の問題というより、勤務と休息の問題かもしれません。向きが分かると、「辞める」の前に試せることが、具体的になります。
この記事で書くのは、「場面」と「向き」の二つだけです。記録のつけ方そのものは、辞めたい気持ちを記録ノートで見える化する手順にまとめています。
向きが分かったところで、立場ごとの見取り図を先に置きます。自分に近い行から目を通して、詳しくは続く節で見ていきます。
| 立場 | 板挟みの形 | 先に試すこと |
|---|---|---|
| 主任・リーダー | 決める権限が上にあり、実務と調整は手元に残る | 決められることを書き分け、案を二つ添えて相談する |
| 副師長・師長 | 数字の要求と、疲れた部下の両方を持つ | 穴埋めの夜勤・休日を日付で数え、事実として伝える |
| 役がついて間もない | 慣れない仕事と、前任者との比較 | 聞ける相手を一人決め、一つに絞って聞く |
| 役を降りたい | 続ける気力が、役の量に追いつかない | 規程と人事の窓口で、役を外れる手順を確かめる |
どの立場でも、休めているかを先に確かめます。
自分に近い立場の行から、見てみてね。
表のどの行が近いか、まず目で追ってみてね。
ここからは、立場ごとに見ていくよ。
主任・リーダーのとき:決める権限が、手元にない
主任やリーダーは、現場の実務と、人の調整の両方を持ちます。一方で、シフトの最終案、人員の補充、備品や手順の変更のような「決めること」は、上にあることが多いです。部下から「何とかしてほしい」と言われても、自分では決められない。この状態が続くと、頼られているのに力がないような、居心地の悪さが残ります。
ここでの整理は、決められないことと、自分で決めてよいことを、分けて書き出すことです。分けてみると、自分の裁量にある範囲が、思ったより広いことがあります。反対に、裁量がほとんどない場合は、それ自体が、上に伝える材料になります。
上に伝えるときは、困りごとだけでなく、案を添えます。案が二つあると、相談が「愚痴」ではなく「検討」になりやすくなります。
- 困りごと:土曜の夜勤の人数が足りない
- 事実:直近の数週で、ぎりぎりだった日を日付で書く
- 案1:外来から1人、応援をもらう
- 案2:自分が日勤を1回、夜勤に回る
- 決めてほしいこと:どちらが現実的か
案が二つあると、話し合いになりやすいよ。
部下への指示でも、嫌われ役になりやすい場面があります。理由を一言添えると、受け取る側の納得が変わることがあります。ただ、全員に好かれることを目標にすると、役の重さは増えるばかりです。リーダーとしての関わり方そのものは、リーダーの悩みに整理しているので、ここでは「続けるか動くか」を考える材料に絞ります。
副師長・師長のとき:数字と人の両方を持たされる
副師長や師長になると、病棟や外来の運営が仕事の中心になります。人員、稼働、教育、苦情対応。上からは数字や方針が降りてきて、下からは、疲れた部下の顔が見えます。部下の相談を聞いて、上にはうまく言えず、上の方針を下に伝えるときには、自分でも納得しきれていない。この間に挟まれるのが、この立場のしんどさです。
辞めたい気持ちが強くなるのは、たとえば次のような場面です。部下が辞めると言ったときに、止められなかった自分を責める。夜勤の穴や休日の対応を、結局、自分が埋めている。会議が増えて、現場にいる時間が減る。どれも、役の仕事そのものより、仕組みの無理が自分に集まっている形として見ることもできます。
確かめるのは、自分が穴埋めをした夜勤や休日出勤を、日付つきで数えることです。数字があると、上に伝えるときに、感覚ではなく事実として話せます。「師長だから当然」と受け止めてきたことが、記録にすると、一人で担う量を超えていると気づく場合もあります。
全部ひとりで抱えなくていい、って言われても、難しいよね。
まずは、数えるところから始めてみようか。
役がついて間もないとき:できない自分を責める前に
役がついたばかりの時期は、慣れていないことによる重さが混じります。前任者のやり方と比べてしまう、聞ける相手が見つからない、現場の仕事と役の仕事の切り替えがうまくいかない。これらは、能力の問題というより、仕事の組み替えの途中で起きやすいことです。
この時期にできることは、聞ける相手を一人決めることです。前任者、同じ役の同僚、別の病棟の同じ立場の人。聞く内容は、「どこまで自分で決めてよいか」「会議の資料をどう作るか」など、一つに絞ります。範囲が絞れると、聞かれた側も答えやすくなります。
役を降りたい、断りたい、という気持ちが強い場合は、昇進そのものを断る場面の考え方が、昇進を断るときにまとまっています。役を外れる手続きがあるかどうかは、職場の規程や人事の運用で違うため、ここでは断定できません。就業規則や、人事の窓口で確かめます。
続ける・役割を変える・動くの分かれ目
三つの向きを書き出して、立場ごとの重さを確かめたうえで、道は大きく三つに分かれます。今の役のまま、仕事の分け方を変えて続ける。役や担当を変える。職場そのものを変える。順番は、変えやすいものから確かめます。
役割を変える
続けたい部分が今の職場に残っているときに向きます。担当を減らす、副の立場に戻る、部署を移る、といった話を、先に上へ持ち出します。
職場を変える
重さの原因が職場の仕組みにあり、話しても変わらなかったときの選択肢です。役職の経験は、次の職場に伝える材料として書ける場合もあります。
どちらに近いかは、「話したことがあるか」で見分けます。上に事実を示して相談した結果、人員や担当が動いたなら、役割を変える道が現実的です。示しても動かなかったなら、環境を変える理由が、はっきりします。40代で役がついた人の迷いは辞めたい・40代、中堅の位置づけは辞めたい・中堅で扱っています。
辞めると決めていない段階でも、整理は進められます。結果が「続ける」になる可能性も含めて、いまの位置を確かめます。動くかどうかは、書き出した三つの向きと、休めている日の様子を見てから決めても、遅くはありません。
今日は、ひとつだけ決められたら十分だよ。
板挟みに気づけただけでも、前に進んでいるからね。
よくある質問
主任になってから、辞めたい気持ちが強くなりました。逃げでしょうか?
逃げと決めつける必要はありません。上向き・下向き・自分向きのどこが重いのかを、一週間書き出して確かめてください。休めていない状態が続くときは、整理より休むことが先です。
役職を降りたいと言うと、評価に響きますか?
扱いは職場の運用で決まります。判断の材料になるのは、役職手当の額と、役を外れたあとの配置の二つです。明細で手当の額を確かめ、規程で役を外れる手順があるかを見ておくと、失うものと残るものを比べられます。話すときは「いつから」「どの役を」外れたいかを具体的に伝えると、上も検討しやすくなります。
部下が辞めてしまい、自分のせいだと感じます。
辞める理由は、人員や勤務の仕組みなど、複数の要因が重なっていることがあり、一人の責任とは言い切れません。責める気持ちが続くときは、同じ立場の人や、窓口に話してみてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。