辞める・続ける
看護師が辞めるか続けるかの決断。判断の4つの軸と確かめる順番
更新 2026年10月23日読むのに約6分
辞めるか続けるかは、気持ちの強さだけで決めると、あとで振り返りにくくなります。4つの軸に分けて順に確かめると、決めた根拠が自分の言葉で残ります。
決めきれなくて、頭の中がぐるぐるしていないかな。
決める前に、4つの軸と順番を知る
看護師を辞めたいと感じたときでは、理由・期間・変えられるかの3つで、気持ちを整理しました。この記事は、その整理のあとで、実際に決めるための手順です。理由は職場と仕事の軸に、変えられるかは職場の軸に、期間はからだの軸と見直す日に、それぞれ引き継がれます。
辞める・続けるを考えるとき、確かめることは、次の4つに分けられます。からだ(休めているか)、職場(変えられるか)、仕事(続けたい部分はあるか)、暮らし(お金と家庭の見通し)です。
順番は、この並びのとおりに進めます。からだが先なのは、疲れが強いときほど、職場も仕事も実際より悪く見えやすいからです。暮らしを最後にするのは、前の3つで方向が見えてから数字を出したほうが、何を計算すればよいかが決まるからです。
からだを先に見ても、決めるのが遅れるわけじゃないんだよ。
- からだ休めているか
- 職場変えられるか
- 仕事続けたい部分
- 暮らしお金と家庭
- 見直す日結論の前に
からだの軸が先。ほかは、そのあとでいいよ。
手順1・2。からだと職場を確かめる
手順1:からだ。 目安は、休日の気持ちです。休日に回復できているのか、休んでも疲れが残るのか、職場のことが頭を離れないのか。この3つは、同じ「休日がつらい」でも、必要なことが違います。回復できているなら、平日の負担が主な原因かもしれません。疲れが残るなら、睡眠や勤務の間隔を見直す段階かもしれません。頭を離れないなら、休日の過ごし方や、考えごとを書き出す工夫が役に立つことがあります。眠れない、食べられない、涙が出る、といった状態が日常に出ているなら、判断はいったん先送りにして、休むことと話すことを優先します。まずつらいときの窓口に連絡し、限界に近いと感じるときは限界を感じたときに確かめることを見てください。
手順2:職場。 つらさの原因が、職場の中で変えられるものかどうかを確かめます。夜勤の回数、担当、部署、休みの取り方。変えられるかは、聞いてみないと分かりません。聞いたことがないなら、聞いてみること自体が、判断の材料になります。聞く相手は、直属の上司、師長、職場の相談窓口の順に、話しやすい人から選びます。いきなり辞める話にせず、「続けるために、調整できることはあるか」という聞き方にすると、相手も答えやすくなります。
夜勤の回数が続いて、疲れが取れにくくなっています。月の回数を調整できるか、相談させてください。
上司への相談の一言の例
言い出しにくいときは、事実だけを書いたメモを渡す方法もあります。言葉で伝えると感情が先に出てしまう人は、メモのほうが、落ち着いて伝わることがあります。話して変わったなら、続ける選択が現実的になります。話して変わらなかったなら、その事実が、環境を変える方向の材料になります。話せる人が職場にいない場合は、窓口や職場の外の人に先に話す、という順番もあります。
手順3・4。続けたい部分と、暮らしの見通し
手順3:仕事。 辞めたいと思っていても、仕事の中に、続けたい部分が残っていることがあります。患者さんや利用者さんとの関わり、技術、同僚、収入。続けたい部分と、手放したい部分を、紙の左右に分けて書きます。
書いてみると、手放したいのは「いまの職場の条件」で、続けたいのは「看護の仕事の中身」だと分かる人もいます。その場合、辞めるのは職場であって、仕事ではありません。逆に、続けたい部分がなかなか見つからないときもあります。その場合は、入職したころに楽しかった場面を書き出してみます。いまは見えなくなっているだけなのか、本当になくなったのかは、休めたあとでないと分からないことがあります。見つからないこと自体も、判断の材料の一つです。選択は、「続ける」と「辞める」の二つだけでなく、場所や働き方を変える道もあります。道の見取り図は、看護師を辞めたら何をするかに並べています。
手順4:暮らし。 お金と家庭の見通しです。収入が止まったとき、何か月暮らせるか。家族の事情や住まいで、動けない時期はないか。数字は、毎月の支出を数えることから出せます。貯金の必要額を出す手順に、書き出しの表があります。
数える項目は、3つに絞れます。毎月の支出、手元にある貯え、収入が止まる期間の長さです。この3つがそろうと、「何か月なら、動ける」という自分の答えが出ます。家族がいる人は、家族の収入や、住まいの事情も、この3つの横に書き添えます。
暮らしの見通しは、辞める人だけに要るものではありません。続ける人にとっても、収入が止まっても何か月は暮らせる、と分かっているほうが、気持ちに余裕が出ます。
- からだ:休日の半分は、仕事のことを考える
- 職場:夜勤の回数は、まだ相談していない
- 仕事:患者さんとの関わりは、続けたい
- 暮らし:収入が止まる期間の見通しは、これから数える
- 見直す日:2週間後
空いている欄は、これから確かめる欄だよ。
手順5。結論ではなく、見直す日を決める
4つの軸の結果を並べて、近い選択を考えます。次は、組み合わせの目安です。当てはまらないことも多いので、決めつけず、考える足がかりにしてください。
- からだが限界に近く、職場に変える余地が見えない:休むことを先にして、環境を変える方向を、落ち着いてから考えます。
- からだは保てていて、職場に変える余地がある:続けながら、変えられることを実際に頼んでみます。
- からだは保てていて、職場にも余地がないが、仕事は続けたい:場所や働き方を変える道を、見学で確かめます。
- 続けたい部分も、暮らしの見通しも、まだ見えない:結論を出さず、書き出しと記録を続けて、材料を増やします。
4つの軸のうち、確かめきれない軸が残っていても、そこでいったん止まってよいのです。確かめきれない軸は、「まだ分からない」と書いて、見直す日の宿題にします。分からないまま決めるより、分からない部分を知ったうえで決めるほうが、あとの納得感が変わります。
どの場合も、結論を出した日に、見直す日も決めておきます。2週間後、1か月後と、日付で決めると、先延ばしになりにくくなります。見直す日に気持ちが同じなら、その選択を進めます。違っていたなら、違いの理由が、次の材料になります。
気持ちの強い日に決めたことは、軽い日にもう一度見ます。波の見方は、気持ちの強い日・軽い日を知る記事に分けてあります。書き出しの型は、辞めたい気持ちの整理ノートです。
決めきれない軸があっても大丈夫。分からないところを知れたら、それも前進だよ。
よくある質問
辞めるか続けるかは、どれくらいの期間で決めればよいですか?
決まった期間はありません。からだが休めていないときは、判断を急がず、休息を先にします。見直す日を決めておくと、先延ばしになりにくくなります。
4つの軸で、答えが分かれたときはどうしますか?
からだの軸を先に見ます。からだが保てているなら、職場の軸、仕事の軸の順に、確かめられることから進めます。結論を急がず、材料を増やします。
診断の結果と、自分の気持ちが違うときは?
診断の結果は、材料の1つです。気持ちと違うときは、どの項目で食い違ったかを見ると、自分が何を大事にしているかが見えてきます。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。