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復職・ブランク

看護師の休職から復職まで。うつや適応障害で休んだあとの段階の踏み方

更新 2026年10月23日読むのに約6分

休んでいる間も、いつ戻れるのか、戻ったら夜勤はどうなるのかという不安は、消えにくいものです。この記事は、休職から復職までを5つの段階に分けて、段階ごとに確かめることを順にたどります(病名の診断や治療の助言はしません)。

休んでいる途中で、戻る日のことを考えると、胸がぎゅっとなる日があるよね。

復職は、5つの段階を踏んで進む

休職から復職までは、診断書を出せば終わり、という一本道ではありません。厚生労働省の「こころの耳」には、「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」(2009年改訂)が載っていて、職場復帰までを5つのステップで示しています。法律ではなく、職場が参考にする手引きです。実際の進め方は、勤め先の規則と運用で違います。

  • ステップ1:病気休業の開始と、休業中のケア
  • ステップ2:主治医による、職場復帰が可能という判断
  • ステップ3:職場での復帰の可否の判断と、職場復帰支援プランの作成
  • ステップ4:最終的な職場復帰の決定
  • ステップ5:復帰後のフォローアップ
休職から復職までの5つの段階
  1. 休んで整える療養に専念
  2. 主治医の判断復帰が可能か
  3. 職場の判断可否とプラン
  4. 復帰の決定日と戻り方
  5. 戻ったあと見守り

段階に分けると、今どこにいるかが見えてくるよ。

ここで、言葉を一つ分けておきます。厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)の解説は、休職の定義、休職期間の制限、復職などについて、労働基準法に定めはない、としています。休職は、業務外の病気などで長く働けないときに、身分を保ったまま一定期間、働く義務を免除する扱いで、休める期間や戻る条件は、勤め先の就業規則で決まる、ということです。

段階1:休んでいる間に、先に確かめておくこと

手引きは、休業中は療養に専念できるよう、情報提供などの支援を行うとしています。休んでいる間の仕事は、治すことです。そのうえで、気持ちが少し動く日に規則だけ読んでおくと、あとの不安が一つ減ります。

モデル就業規則の規程例では、休職期間中に休職事由がなくなれば原則として元の職務に戻し、休職期間が満了してもなお傷病が治らず働けないときは、期間の満了をもって退職とする、という形になっています。休職期間を無給とするか有給とするかも、各事業場で決めて就業規則に定めるとされています。自分の職場の規則で、休職できる期間の上限、休職中の賃金、復帰の要件、満了したあとの扱いを読んでおきます。

解雇については、労働契約法16条が、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、権利の濫用として無効と定めています。なお、就業規則を作って届け出る義務は、常時10人以上の労働者を使う事業場にあります(労働基準法89条)。

休んでいる間の収入の柱になりうるのが、健康保険の傷病手当金です。健康保険法99条は、療養のため労務に服することができないとき、できなくなった日から3日を経過した日から支給すると定めています。連続する3日間の待期があり、有給休暇や公休日も数えます。支給の期間は、支給を始めた日から数えて、通算1年6か月までです。額は、標準報酬月額の平均を30で割った額の3分の2が目安で、手取りの3分の2とは別の計算になります。

対象は業務外の病気・けがの療養で(業務上は労災の対象)、労務に服せない状態かどうかは、医師の意見などをもとに判断されます。休めば受けられる、というものでもありません。給与が出ている日は、差額の扱いになります。申請先は、保険証の保険者(協会けんぽ・健保組合・共済)です。申請の手順は、看護師が休職を考えたときの流れにまとめています。

休んでいる間に、確かめることのメモ

気持ちが重い日は、確かめることを後回しにしても、休んでいる意味は変わりません。順番は、体のほうに合わせます。

聞くことは、紙に分けて書いておくと、あとで楽になるよ。

段階2〜4:主治医の判断のあと、職場が決める

ステップ2は、主治医が、職場復帰が可能かどうかを判断する段階です。ステップ3では、職場が復帰の可否を判断し、職場復帰支援プランを作ります。そのうえで、ステップ4で最終的な復帰が決まります。順番に並べると、主治医の判断が出てから、職場の側にも判断の段階がある、という流れです。

手引きには、正式な復帰の決定の前に、社内の制度として「試し出勤制度」を設ける例も書かれています。勤務時間と同じ時間帯に図書館などで過ごす模擬出勤、通勤経路で職場の近くまで行って帰る通勤訓練、本来の職場に試験的に一定期間出勤する試し出勤の3つです。導入するときは、処遇や、災害が起きたときの扱いを労使で決めておくこと、作業の指示を受けて業務に当たる場合は労働基準法などが適用される場合があることにも触れています。勤め先に制度があるか、あるならその間の賃金や労災の扱いを、面談の前に人事に聞いておきます。

こころの耳の「職場復帰支援」のページには、情報提供依頼書、面談記録票、職場復帰に関する意見書の様式も載っています。面談の前に、必要な書類を人事の窓口に聞いておくと、慌てにくくなります。

面談では、戻る日だけでなく、戻り方を話します。たとえば、夜勤を入れる時期、担当する患者さんの人数、勤務時間、見直しの時期です。手引きは、職場復帰は元の慣れた職場へ戻すことが原則としています。復帰後の配置や勤務の軽減の扱いは職場の規則で違うので、就業規則を読み、人事の窓口にも聞いておきます。

戻る日だけでなく、戻り方についても相談させてください。夜勤や担当の人数を、少しずつ増やしていく形を考えています。

復職の面談で、勤務の始め方を相談する言い方の例

産業医がいる職場では、健康管理の窓口として相談できます。産業医を選ぶ義務は、常時50人以上の労働者を使う事業場にあり(労働安全衛生法13条、同法施行令5条)、50人未満の事業場には、医師などに健康管理を行わせる努力義務があります(13条の2)。産業医は、職場の労働者の健康管理をする医師で、治療を担当する主治医とは役割が違います。相談した内容が職場にどう伝わるかは、条文だけでは言えないため、話す前に、どこまで共有されるかを確かめます。

ストレスチェックのあとの面接指導については、医師の意見を聴いたうえで、必要があれば、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少などの措置を講じることが、労働安全衛生法66条の10に定められています。これは面接指導を受けた場合の規定で、休職からの復職そのものの決まりではありません。

面談の場で、退職を勧められることもあります。厚生労働省の「確かめよう労働条件」は、退職勧奨を受けた人は、理由の如何を問わず、自由な意思で勧奨による退職を拒否できる、と説明しています。退職したくないときは、はっきり伝えます。自分たちで解決するのが難しいときは、都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。

段階5:戻ったあとの見守りと、夜勤・睡眠の注意

ステップ5は、復帰後のフォローアップです。戻った直後は、できていたことに時間がかかったり、疲れが残ったりして、焦る場面があります。そのときのために、普段の相談先、健康面の相談先(産業医がいれば産業医、通院していれば主治医)、勤務の変更を相談する人事の窓口を、復帰の前に決めておきます。

夜勤に戻るのが怖い、という気持ちも、そのまま聞くよ。

睡眠については、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年2月)が、成人は6時間以上を目安に睡眠を確保すること、睡眠の不調や休養感の低下があるときは、病気が潜んでいる可能性にも留意することを挙げています。6時間未満でも足りる人も、8時間以上必要な人もいて、個人差があります。

交替制勤務については、睡眠の不調などの健康リスクに注意が必要で、不眠や休養感の低下、業務中の眠気が続き、日常生活に支障が出ているときは、速やかに医療機関を受診する、と書かれています。ガイドのQ&Aは、工夫として、勤務と勤務の間の十分な休息、夜勤中の仮眠、眠気に対するカフェインの摂取、強い照明を避けることなどを挙げています。0〜4時に始める20〜50分の仮眠が、眠気や仕事の効率を改善したという報告が紹介される一方、60分と長い仮眠では効率が下がった研究もあります。効果を約束する内容ではなく、実践しても続くときは受診、というのがガイドの立場です。

つらさが強い日の窓口と、受診の目安

気分の落ち込みや、日常生活への大きな支障が続くときは、自己判断せずに、総合病院の精神科、心療内科、精神科クリニックなどに相談する、とこころの情報サイト(国立精神・神経医療研究センター)は案内しています。身近な内科の医師に話す道や、保健所・精神保健福祉センターに相談する道もあります。この記事は診断をする場所ではなく、制度と窓口の整理です。

  • こころの耳 電話相談(0120-565-455、フリーダイヤル):平日17〜22時、土日10〜16時(祝日・振替休日と、12月29日〜1月3日の年末年始は休み)。2026年1月から、発信者番号を非通知にした電話は受けない
  • こころの耳 SNS相談:平日17〜22時、土日10〜16時(受付は終了の30分前まで)。祝日・振替休日・年末年始(12月29日〜1月3日)は受付なし。働く人や家族が対象
  • よりそいホットライン(0120-279-338):24時間・フリーダイヤル。悩み全般の窓口
  • #いのちSOS(0120-061-338):24時間365日・フリーダイヤル

番号は変わることがあります。こころの耳の新着情報(2026年10月21日付)でも、電話相談で別の番号に誤ってかけてしまう例があるとして、番号の確認を呼びかけています。かける前に、公式ページで確かめます。つらさが重い日は、つらいときの窓口にも並べています。

復職の途中で、戻らない、あるいはもう少し延ばしたいと感じることもあります。その場合の手続きは、看護師が休職を考えたときの流れと、退職の理由の伝え方で扱っています。ブランクがあるときの準備は、看護師の復職は何から始める?にあります。

試し出勤の制度があるか、それだけ聞いてみるのもいいよ。

よくある質問

休職から復職までは、どのくらいかかりますか?

決まった期間はありません。休職の期間の上限は勤め先の就業規則で決まり、復帰の可否は、主治医の判断のあとに職場が判断する流れです。試し出勤の制度がある職場では、その期間も含めて段階的に戻ります。

主治医が復職可と言えば、元の勤務に戻れますか?

手引きの流れでは、主治医の判断のあとに、職場が復帰の可否を判断し、支援プランを作ります。夜勤や担当の人数などの戻り方は、職場との面談で決まるため、希望は面談で相談します。

休職中や復職の面談で退職を勧められたら、どうすればよいですか?

厚生労働省の「確かめよう労働条件」は、退職勧奨を受けた人は、自由な意思で勧奨による退職を拒否できると説明しています。決めきれないときは、都道府県労働局の総合労働相談コーナーに相談できます。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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