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退職の進め方

看護師の辞め方と退職の伝え方。順番・時期・切り出しの全体像

更新 2026年10月23日読むのに約8分

辞めると決めかけていても、何から手をつければよいか分からず、足が止まってしまうことがあります。多くの職場では、就業規則の期限を確かめ、直属の師長に面談をお願いし、結論から伝えるのが基本の順番です。この記事では、看護師の辞め方を5つの段階で見渡し、伝える前の確認、師長への切り出し方、伝えたあとの整え方、立場ごとの分かれ道を、次に読む記事とあわせて案内します。

辞め方って、ひとつずつ並べてみると、意外と見通しが立つものだよ。

まずは全体の地図を、いっしょに広げてみよう。

看護師の辞め方は、5つの段階で見渡す

退職というと、師長に切り出す場面ばかりが頭に浮かびがちです。実際には、その前に確かめることと、そのあとに整えることがあり、順番が前後すると、あとからの調整が増えやすくなります。ここでは、辞め方を次の5つの段階に分けて考えます。

看護師の辞め方の5つの段階
  1. 整理する辞めるか、休むか
  2. 確かめる就業規則・契約・お金
  3. 伝える師長に面談をお願い
  4. 整える書面・引き継ぎ・有給
  5. 離れる書類と手続き

いまどの段階にいるかが分かると、次の一歩が決めやすいよ。

段階1の「整理する」は、本当に辞めたいのか、まず休みたいのか、職場の中で変えられることがあるのかを分ける段階です。夜勤の回数や配置が変われば続けられる場合もあれば、心身の消耗が大きく、退職の段取りより休むことが先の場合もあります。気持ちの中身を分ける方法は、「辞めたい」を3つに分けて考えるで扱っています。

眠れない日や、食事がとれない日が続いているなら、段階2へ進む前に、休むことと受診を考えてください。話を聞いてもらえる窓口は、つらいときの窓口にまとめています。退職の手続きは、体調が少し落ち着いてからでも進められます。

段階2から5は、この記事の後半で順に見ていきます。月ごとにいつ何をするかを並べたいときは、辞める3か月前から始める準備カレンダーが、この記事の続きとして使えます。

伝える前に確かめる。就業規則・契約の種類・お金

段階2で確かめるのは、職場の決まり、自分の契約の種類、辞めたあとのお金の3つです。ここを先に押さえておくと、伝える日と最後の出勤日を、根拠をもって決められます。

1つめは就業規則です。労働基準法89条は、常時10人以上が働く事業場に就業規則の作成と届出を義務づけ、「退職に関する事項」を記載すべき事項の一つにしています。さらに106条と施行規則52条の2は、掲示や書面の交付、いつでも見られる機器での閲覧などの方法で、働く人に周知することを求めています。退職の申し出の期限、出す相手、書式の決まりを、伝える前に読んでおきます。

法律の側では、期間の定めのない雇用について、民法627条1項が、各当事者は「いつでも解約の申入れをすることができる」とし、申入れの日から2週間を経過すると雇用が終わると定めています。厚生労働省のモデル就業規則の解説も、会社の承認がなくても、申出から原則として14日を経過すれば退職になると書いています。

就業規則の「1か月前まで」などの定めと、この2週間との関係は、公的な説明の中でも言い方が分かれます。厚生労働省の「確かめよう労働条件」は、期間を大幅に延ばす定めは無効とされると説明し、茨城労働局のQ&Aは、就業規則を優先する見解と、民法を優先する裁判例の両方があると紹介しています。どちらが当てはまるかを自分で決めつけず、就業規則の期限にも目を通したうえで、引き継ぎが収まる日程を考えるのが穏やかな進め方です。条文と公的な説明の並べ方は、後で紹介する退職理由の伝え方の記事の「退職の申入れの基本を、公的な説明で確かめる」の節にあります。

2つめは契約の種類です。1年ごとの契約職員やパートなど、期間の定めのある契約では考え方が変わります。民法628条は、期間の定めがあっても、やむを得ない事由があれば直ちに契約を解除できるとし、その事由が一方の過失によるときは損害賠償の責任を負うと定めています。厚生労働省は、やむを得ない事由なく期間の途中で辞め、会社に不測の損害を与えた場合には、賠償の責任が生じるおそれがあると説明しています。なお労働基準法137条は、期間が1年を超える契約について、初日から1年を経過した日以後は申し出ていつでも退職できると定めています(高度な専門知識を持つ人や満60歳以上の人との契約などは除かれます)。

3つめはお金です。賞与について、モデル就業規則の解説は、支給日に在籍している人に限って支給する定めを置くこともできると説明しています。退職金の支払時期も、就業規則などの定めで決まります。退職日をいつにするかで受け取れるものが変わることがあるため、辞める前に確かめるお金、退職時のボーナスの条件、退職の時期の決め方で、自分の職場の条件に当てはめてみてください。

伝える前に、手元にそろえる4つ

規則や契約書を読むのは、それだけで気力を使うよね。

書き写せたところまでで、ちゃんと前に進んでいるからね。

退職の伝え方。誰に、どの順番で、どう切り出すか

最初に伝える相手は、直属の上司(病棟なら師長)とする流れがよく取られます。就業規則に届け出の相手が書かれていれば、そちらに合わせます。看護部や人事への伝え方は、師長の指示や職場の手順に沿って進めます。

同僚や先輩に先に打ち明けると、師長が人づてに知ることになりかねません。相手ごとの向き不向きは、辞める前に誰に相談するかで整理しています。

切り出しは、いきなり本題に入るより、面談の時間をお願いするところから始めると落ち着いて話せます。勤務の終わりや、病棟が比較的静かな時間に「ご相談したいことがあるので、お時間をいただけますか」と声をかけ、別の日に場を設けてもらう形です。申し送りの直前や、急変の対応中は避けます。

〇月末で退職させていただきたいと考えています。最後の出勤日までに引き継ぎを終えられるよう、日程をご相談させてください。

結論・希望の時期・引き継ぎへの姿勢を、ひと続きで伝える例

面談では、結論、理由、希望の時期、引き継ぎの順に話すと、相手も受け止めやすくなります。理由は、本音をすべて話さなくても、職場に伝えて差し支えない部分を選んで話すやり方があります。言い換えの例は退職理由の伝え方、当日に聞かれやすいことと答え方の文例は師長との退職面談にまとめました。

怖さや申し訳なさで、切り出せない日が続くこともあります。言い出せない理由は人によって違い、理由が分かると準備のしかたも変わります。退職を言い出せないときでは、理由の見分け方と、日付・相手・最初のひと言の決め方を扱っています。

口頭で伝えたあとは、書面を出す段取りになります。書面には退職願と退職届があり、厚生労働省の説明では、承諾される前の退職願(合意退職の申込み)には撤回の余地がある一方、承諾されたあとや、一方的な退職の申入れをしたあとは、撤回に会社の同意が要ります。どちらに当たるかは表題だけでは決まらないため、書面は日付を決め切ってから出します。書き方と出し方は退職届と退職願の違いを見てください。

伝えたあとに整える。引き止め・引き継ぎ・有給の消化

伝えた直後は、「人が足りない」「年度末まで待ってほしい」と言われることがあります。厚生労働省と茨城労働局は、後任が見つかるまで退職を認めないという扱いはできないと説明しています。一方で、引き継ぎを丁寧にすることは、辞める自由とは別の話として残ります。厚生労働省の裁判例のページには、突然の退職で損害賠償が認められた例も載っています。

続ける道も残したい

夜勤の回数、配置、勤務の形など、何が変われば続けられるかを具体的に出し、返事をいつまでにもらうかを決めて話し合います。

気持ちは固まっている

感謝を伝えたうえで、退職の時期は変えないことを、同じ言葉で穏やかに繰り返します。その場で返事を求められたら、持ち帰って考えると伝えます。

引き止めの型ごとの受け止め方と、断るときの言葉は、引き止めを断る考え方で詳しく扱っています。気持ちが揺れて撤回したくなったときの整理は、退職を決めたあとに揺れるときが参考になります。

引き継ぎは、受け持ちの患者さんのことだけでなく、委員会や係、物品の管理、後輩の指導など、頭の中にある仕事を書き出すところから始めます。最終日から逆算して、何をいつ誰に渡すかを決めると、残り日数の中で無理が出にくくなります。メモの作り方は引き継ぎのしかたにまとめています。

残っている有給休暇は、退職日までの日程に組み込んで考えます。厚生労働省は、退職日をもって年休の権利がなくなるため、退職の間際に残りを使い切りたいと申請された場合、会社は時季を変えられないと説明しています。ただ、引き継ぎの期間と重ならないよう、伝える段階で消化の希望も一緒に相談しておくと、話がこじれにくくなります。日数の確かめ方は有給消化のしかたを見てください。

最終日が近づいたら、挨拶やお礼の準備と、辞めたあとの書類の確認に移ります。挨拶の文例は退職の挨拶・手紙の書き方、返すものと受け取るものは辞める前のチェックリスト、健康保険や年金の切り替えの期限は退職後の保険・年金の手続きで確かめられます。離職票などの受け取りは退職でもらう書類の一覧、失業保険は受給までの流れ、辞めた直後の過ごし方は辞めたあとの1か月が続きの記事です。

立場・状況で変わる分かれ道と、今週できること

ここまでの流れは、多くの場合に共通する道筋です。ただ、入職して間もない、契約の期間がある、辞めさせてもらえない、体調が限界に近いといった状況では、先に確かめることが変わります。自分に近い行から読んでください。

状況別の分かれ道と、先に読む記事
いまの状況先に確かめること次に読む記事・窓口
入職して間もない聞いていた条件と実際の違い試用期間の基本
1年ごとの契約・パート契約の終わりの日と、やむを得ない事由即日退職の記事の契約期間の段
言い出せない日が続く怖さの理由と、最初のひと言言い出せないとき
辞めさせてもらえない意思を書面で伝えたか辞めさせてもらえないとき
明日から行けそうにない体調・有給・会社との合意即日退職の考え方
体調が限界に近い休むことと受診休職か退職か

契約や就業規則で扱いが変わります。迷うときは窓口で確かめてください。

当てはまる行がひとつでもあれば、そこから読めば大丈夫。

入職して間もないときは、入る前に示された労働条件と実際が違うのか、仕事そのものがつらいのかを分けます。労働基準法15条2項は、明示された労働条件が事実と違う場合、働く人はすぐに契約を解除できると定めています。これは条件の食い違いに限った規定で、つらさを理由に使えるものではありません。試用期間中の扱いは試用期間の基本で整理しています。

退職届を受け取ってもらえない、違約金を払うよう言われた、という場面もあります。労働基準法16条は、契約の不履行について違約金や損害賠償の額をあらかじめ決める契約を禁じています。実際に生じた損害の賠償の請求までは禁じていないため、言われた内容を日付とともに記録し、辞めさせてもらえないときの手順で確かめます。退職代行を考えている場合は、頼む前に退職代行を考える前に確かめることにも目を通してください。

明日のことを考えるだけで苦しい夜は、手続きの話はいったん置いておこう。

出勤前に体が動かない、涙が止まらないといった日が続くときは、退職の段取りより、休むことと受診を先に考えてください。休職と退職のどちらを選ぶかの整理は適応障害で悩むときの、休職か退職かの整理、すぐに辞めることの一般的な考え方は即日退職はできるかで扱っています。

会社との話し合いで行き詰まったときは、都道府県労働局や労働基準監督署の中にある総合労働相談コーナーに相談できます(無料・予約不要で、平日の日中)。夜間や休日には、厚生労働省の委託による電話相談「ほっとライン」もあります。番号と受付時間は、かける前に公式のページで確かめてください。

今週できること

順番が見えたら、今日はそれだけで、十分な一歩だと思うよ。

伝える日まで、自分の体のことも後回しにしないでね。

よくある質問

看護師の退職は、何か月前に伝えればよいですか?

期間の定めのない雇用では、民法627条1項により、申入れから2週間で雇用が終わります。就業規則に「1か月前まで」などの定めがある場合との関係は、公的な説明でも見方が分かれるため、揉めたくなければ就業規則の期限に合わせて、引き継ぎと有給の消化が収まるよう早めに伝える人が多いです。

師長より先に、仲のよい同僚に話してもよいですか?

話すこと自体は止められませんが、上司より先に広まると、師長が人づてに知って話がこじれることがあります。気持ちを聞いてほしいときは、職場の外の人に話すか、口外しないよう頼んだうえで話すと安心です。

退職の理由は、本当のことを全部話さないといけませんか?

本音をすべて伝える必要はなく、職場に伝えて差し支えない部分を選ぶやり方があります。自分のための本音の整理と、職場に伝える言葉を分けておくと、面談で迷いにくくなります。

1年契約やパートの看護師でも、契約の途中で辞められますか?

期間の定めのある契約では、民法628条により、途中で辞めるには「やむを得ない事由」が要るとされます。何が当たるかは個別に判断されます。期間が1年を超える契約なら、労働基準法137条により、初日から1年を過ぎたあとは申し出ていつでも退職できます(一部の契約は除かれます)。契約の終わりの日を確かめたうえで、会社と話し合うか、総合労働相談コーナーで確かめてください。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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