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病院以外の仕事

看護師の病院以外の働き方。職場別の仕事と法律の違いを一覧に

更新 2026年10月23日読むのに約7分

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病院以外の働き方は、場所ごとに仕事の中身も、根拠の法律も違います。この記事では、職場別の主な仕事と法律の決まりを一覧にして、就業人数と年収の目安を添え、次に読む記事への行き先まで整理します。

看護師さんの3人に2人くらいが病院にいるって、ちょっと意外じゃない?

看護師が働く場所を、数字から眺める

令和6年衛生行政報告例(厚生労働省)によると、2024年末の就業看護師は1,363,142人です。就業場所別では、病院が895,944人(65.7%)で、多数派を占めます。病院以外では、診療所が194,665人、介護保険施設等が107,984人、訪問看護ステーションが91,022人、社会福祉施設が28,093人です。助産所は220人でした。

この数字には、読むうえでの注意があります。まず、介護保険施設等には、介護老人保健施設、介護医療院、指定介護老人福祉施設のほか、居宅サービス事業所や居宅介護支援事業所なども含まれます。また、これは就業場所の人数を示す統計で、どの場所が良い・悪いを示すものではありません。「病院が多数派」という事実と、「病院以外にも数万人から十数万人が働く」という事実の2つだけが、ここから言えることです。

職場別の主な仕事と、法律の決まりの一覧

病院以外の場所は、仕事の中身も、根拠となる法律も違います。診療所は医療法、訪問看護や介護施設は介護保険法、学校は学校教育法や学校保健安全法、企業は労働安全衛生法です。法律が違うと、窓口も、看護職員の人数の定めも、一緒に働く職種も変わります。次の表で、職場ごとの主な仕事と、法令から言えることを並べます。

病院以外の職場の、仕事と法律の一覧
職場主な仕事法令から言えること看護師(2024年末)
クリニック(診療所)外来の診療の補助、検査、採血、電話対応入院施設なし、または19人以下。管理者は医師(医療法)194,665人
美容クリニック施術の介助、カウンセリング、予約・物品の管理診療所の一つ。医師の指示の枠は同じ(保助看法37条)診療所に含む
訪問看護ステーション利用者さんの居宅での観察、処置、家族への説明看護職員は常勤換算2.5以上。管理者は保健師か看護師91,022人
介護施設・デイサービス入所者・利用者の健康管理、服薬、急変時の判断特養・老健・特定施設などで、看護職員の下限が省令にある107,984人(介護保険施設等)
学校・保育園医療的ケア児のケア、子どもの健康管理保健室の養護教諭は教員免許の職。医療的ケア看護職員の定めがある—
企業・健診健康管理室での相談、健診、保健指導産業医は医師。看護職を置く義務はない(労働安全衛生法13条)5,879人(事業所)
治験・電話相談CRCとしての治験の調整、電話での健康相談看護師免許が必須の職ではない求人もある—

2026年10月時点の条文と、令和6年衛生行政報告例(実人員)です。「—」は統計の区分がない、または取っていない職場です。仕事の中身は一例です。

気になる行の「主な仕事」から読むと、行き先が決めやすいよ。

表の読み方を、場所ごとに補います。診療所は、入院施設を持たないか、19人以下の入院施設を持つ場所で、管理は医師が行います(医療法10条)。訪問看護ステーションは、看護職員を常勤換算で2.5以上置く定めがあり、管理者は保健師か看護師です。

介護保険施設では、特別養護老人ホームは、入浴・排せつ・食事などの介護や療養上の世話を中心とした生活の場、介護老人保健施設は、居宅における生活を営めるようにするための支援を目的に含む場、というように、条文の目的の書き方が違います。看護職員の数は、特別養護老人ホームで入所者30人以下なら常勤換算1以上、特定施設では利用者30人以下で常勤換算1以上、などの下限があります。通所介護は、看護職員を単位ごとに1以上確保する、という書き方です。いずれも下限で、実際の人数は施設ごとに違います。

学校の場合、保健室の養護教諭は教員免許の職で、看護師免許とは別の資格です。看護師免許で関わる医療的ケア看護職員の定めがあります。企業の場合、法律が義務づけているのは産業医(医師)の選任で、看護職を置く義務ではありません。特定保健指導は、医師・保健師・管理栄養士が行い、看護師は一定の実務経験を条件に、2029年度末までの経過措置として行えます。企業の健康管理室の求人の見方は、看護師が企業で働くにはにあります。

場所が違うと、根拠の法律まで違うんだね。ゆっくり、表を見比べてみよう。

病院以外にして、変わること、変わらないこと

病院から他の場所に移るとき、変わることと、変わらないことを分けて考えると、不安が整理しやすくなります。次の天秤で、条文から言える範囲を並べます。

場所を変えても、残るもの
変わること
  • 根拠の法律と、窓口
  • 看護職員の人数の定め
  • 一緒に働く職種の顔ぶれ
  • 指示を受ける相手と、連絡の流れ
変わらないこと
  • 看護師の業の範囲(保助看法5条)
  • 医師の指示がなければできない行為がある枠(37条)
  • 業務上知り得た秘密を守る義務(42条の2)

免許に根づいた決まりは、場所が変わっても続くよ。

変わらないものの1つが、守秘義務です。保健師助産師看護師法42条の2は、正当な理由なく、業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならないと定めています。看護師でなくなった後も同じです。学校でも、企業でも、訪問看護でも、この決まりは続きます。

変わることのうち、一緒に働く職種は、場所で大きく違います。通所介護では、生活相談員、介護職員、機能訓練指導員と並びます。介護老人保健施設では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の配置が定められています。訪問看護では、1人で利用者さんの居宅を回ることが多い一方、主治医の指示書と計画の流れの中で動きます。

迷いを5つの問いで絞って、次の記事へ進む

見取り図が見えたら、次は絞り込みです。「どこがいいか」ではなく、「自分は何を続けたいか」から問います。次の5つに答えると、行き先が見えやすくなります。

5つの問いで、行き先を絞る

場所を決めるときは、辞めるかどうかと、働く場所の種類を変えるかどうかを、別の問いとして扱います。同じ病院の中で、診療科や病棟を変える道もあります。種類を変える前に、診療科の選び方も見ておくと、選択肢が増えます。病院以外の場所は、募集の時期も数も、職場ごとに違います。気になる場所が見つかったら、求人を探す前に、制度の窓口と見学の可否を確かめる順番にすると、期待とのずれを減らせます。

5つの問いに、はっきり答えられなくても、問題はありません。答えが出ない問いは、いまの自分が、まだ決めていない部分です。病院・クリニック・在宅などの種類を、希望ごとに○△×で絞る表は、看護師の働く場所の選び方にあります。

見取り図を、最後まで追ってくれたね。選ぶ材料は、ちゃんと増えたよ。

よくある質問

病院以外に移ると、給料は下がりますか?

日本看護協会の2024年度の調査(会員、正規雇用フルタイム)では、2024年の平均年収は病院勤務者が約576万円、訪問看護ステーション約550万円、診療所約536万円、介護系サービス約513万円でした。夜勤手当がなくなる分、下がる傾向はありますが、職場ごとの差も大きいので、基本給と手当の内訳まで見比べます。

病院での経験がなくても、病院以外で働けますか?

訪問看護ステーションの人員の基準は、看護職員であることを定めていて、経験年数の定めは条文にありません。ほかの場所の募集条件は、職場ごとに違うため、募集要項で確かめてください。

まず、どの場所から調べればよいですか?

「続けたいこと」と「手放したくないこと」を書き出してから、5つの問いに当てはめます。場所の名前から入るより、優先順位から入るほうが、見学で聞く質問が絞れます。

出典・参考(公的な情報)

法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。

つぎに読む

この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。

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