資格の全体像
准看護師の転職先と働き方。正看護師との求人の違いと、選び方の手順
更新 2026年10月23日読むのに約6分
准看護師の転職は、立場と働く場所によって、確かめることが変わります。この記事では、条件の書き出しと、場所ごとの見方、立場別の考え方をまとめます。
このままでいいのかな、って思うこと、あるよね。
立場ごとに、考えることを分けてみよう。
転職の前に、いまの気持ちと条件を書き出す
転職先を調べる前に、いま、何がつらいのか、何を変えたいのかを書き出します。准看護師として働く中で、「辞めたい」と感じる理由は、人によって違います。業務の範囲、給与、夜勤、人間関係、これからの学び方など、複数が重なっていることもあります。
「辞めたい」の強さにも、段階があります。少し疲れている、ここ数か月つらい、毎日つらくて休みたい。段階によって、必要なことが違います。少し疲れている段階なら、勤務の組み方や担当の調整を話してみる余地があります。毎日つらい段階なら、転職の準備より先に、休むことと、相談することを考えます。
理由を分けておくと、転職で変わることと、今の職場で話し合えることを、見分けやすくなります。次のメモは、書き出しの例です。
- いまつらいこと:夜勤が続く週がある
- 変えたいこと:夜勤の回数と間隔
- 守りたいこと:通勤の短さ
- 確かめること:求人票の応募資格の欄
- 迷っていること:働きながら正看護師への進学を考えるか
つらさが強くて、書き出すのも難しいときは、無理に進めなくてよいです。休むことを先に考えてください。気持ちが重いときは、つらいときの窓口に話してみる方法もあります。
准看護師が働く場所と、正看護師との求人の違い
准看護師は、保健師助産師看護師法6条で、都道府県知事の免許を受けて、医師・歯科医師・看護師の指示を受けて看護の業務を行う者と定められています。看護師(厚生労働大臣の免許)との違いは、この「看護師の指示も受ける」という点で、職場の役割分担や求人の条件に表れます。
実際に、准看護師がどこで働いているかは、厚生労働省の衛生行政報告例で見られます。2024年末の就業准看護師は233,022人で、働く場所の割合は、看護師とかなり違います。
| 働く場所 | 准看護師 | 看護師 |
|---|---|---|
| 病院 | 32.7% | 65.7% |
| 診療所(クリニック) | 32.8% | 14.3% |
| 介護保険施設等 | 25.4% | 7.9% |
| 社会福祉施設 | 4.6% | 2.1% |
| 訪問看護ステーション | 2.7% | 6.7% |
厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)」表2の実人員の構成割合(2024年末)。介護保険施設等は、老健・介護医療院・特養・居宅サービス事業所などです。
准看護師は、病院・クリニック・介護の3つがほぼ同じくらいなんだね。
准看護師の約3人に2人は、クリニックと介護保険施設等を含む病院以外で働いています。転職先を探すときも、准看護師が多く働いているクリニックや介護施設は、候補に入れやすい場所です。一方、病院の求人で「看護師のみ」とされるのには、理由があることがあります。たとえば、病院の入院基本料には、看護職員のうち看護師の割合を求める区分があること、夜勤の責任者やリーダーを看護師に限る職場があること、訪問看護ステーションの管理者は原則として保健師か看護師であることなどです。応募資格の欄に「准看護師可」があるかを、まず見ます。
- 病院の病棟:夜勤の回数と間隔、担当する業務の範囲、教育の体制を確かめる
- クリニック:診療時間と休診日、担当する業務の範囲、少人数の中での役割分担を確かめる
- 介護施設:夜間の体制、オンコールの有無、医療的なケアの範囲を確かめる
- 訪問系:移動の手段、ひとりで判断する場面、連絡を取れる体制を確かめる
- 健診や企業の現場:勤務の曜日と時間、業務の内容、雇用の形を確かめる
雇用の形も、確かめる項目です。常勤、非常勤、パートなどの形があり、勤務の日数や時間、賞与や手当の扱いが違う場合があります。同じ場所でも、雇用の形で働き方が変わるため、求人票の雇用形態の欄と、勤務の曜日・時間を、あわせて読みます。給与の内訳の読み方は、高収入求人の読み方でも扱っています。
どの場所でも、求人票だけでは分からないことが残ります。応募の前に、見学を申し込んだり、質問を準備したりして、確かめます。聞き方は、入職前に確かめておきたいことに、まとめています。
見学では、職場の様子を見て、聞く機会が持てます。新しく入った人にどう教えているか、記録の仕方や申し送りの様子、スタッフ同士の声のかけ方を見ます。准看護師と看護師の役割の分け方を、職場がどう考えているかも、聞いておくと、入職後の働き方が想像しやすくなります。聞くときは、責めるのではなく、「働き方を知りたい」という姿勢で聞きます。
割合の表で、自分が働いてみたい場所に印をつけておくといいよ。
立場別に考える:経験・暮らし・今後の資格
経験が浅いときは、教育の体制と、相談できる人の有無を、重く見る考え方があります。分からないことを聞ける環境があるかどうかで、働きやすさが変わります。見学のときは、先輩の声のかけ方や、新しく入った人への関わり方を見ます。
経験が長いときは、これまでの経験が活きる領域や、任される役割を、重く見る考え方があります。いまの職場で、経験に見合う役割や処遇があるかを、振り返ってみます。給与の見方は、准看護師の年収の見方にまとめています。
子育てや介護と両立するときは、勤務時間の固定のしやすさ、急な休みへの支え合い、通勤の時間などが、軸になります。夜勤の有無や、日勤のみの求人があるかも、応募資格や条件の欄で確かめます。
正看護師への進学も考えているときは、転職と進学の順番を先に決めます。准看護師が看護師国家試験を受けるには、免許を得てから3年以上働いているか、高校を卒業していて、そのうえで看護師の学校・養成所(2年課程)で2年以上学ぶことが条件です(保健師助産師看護師法21条)。通信制の2年課程は、入学にもっと長い業務経験が求められるため、年数は学校の募集要項で確かめます。業務経験の年数で入学を考えるなら、転職で経験が途切れないか、通学や実習の日に休みを取れる職場かを、転職先の条件に入れます。進学を先にするなら、学校の日程に合わせられるパートなどの働き方を探す順番になります。学校の種類と条件は、准看護師から正看護師へ進むルートにまとめています。
いまの職場に残りながら変えたいときは、転職以外の選択肢も並べます。担当の組み方の調整、夜勤の回数や間隔の相談、勤務時間の見直し、異動の希望などです。これらは、伝えてみないと分からない部分が多く、伝えた結果、続けやすくなる場合もあります。伝える相手は、直属の上司か、職場の相談窓口のどちらかになります。
- 環境や人間関係の慣れがある
- 話し合って、変えられることがある
- 移るときの手間が、かからない
- 環境を、大きく変えられる
- 働き方や条件を、選び直せる
- 新しい職場に慣れる時間が要る
どちらに傾いても、いまは決めなくていいよ。
応募前の順番と、面接で伝えること
条件を書き出して、場所の候補を決めたら、応募の前に、いまの職場の退職の申し出の時期と、引き継ぎの見通しを確かめます。応募先が決まってから申し出る人もいますが、申し出の期限は、職場ごとの就業規則で決まっていることがあります。先に確かめておくと、慌てずに済みます。退職の理由の整理と伝え方は、退職理由の伝え方にまとめています。
応募は、1か所に絞るか、複数を並行するかを、自分のペースで決めます。働きながら探すなら、見学や面接の日程を勤務に合わせて組みます。辞めてから探すなら、収入のない期間を見込みます。どちらにも向き不向きがあるので、貯金の見通しと、体力の状態から考えます。
面接では、これまでの経験と、これからの希望を、短く伝えます。経験の年数と、担当してきた場面を一文ずつ、希望を一文で、という形が、伝えやすいです。
准看護師として、病棟で〇年働いてきました。次の職場では、夜勤の間隔に無理のない形で、経験を活かして働きたいと考えています。
面接で、経験と希望を伝えるときの例
優先する条件を決める手順は、転職で後悔しないための条件の優先順位にあります。決められないときは、焦らず、休むことを先にしても、遅くありません。
最後に、応募を決める目安です。譲れない条件が確かめられたか、聞いても分からなかった点が残っていないか、見学で感じた違和感が小さいか、の3つを見ます。すべてが整うことは少ないため、譲れない条件が叶うかを、中心に判断します。
ここまで考えられたこと自体が、もうひとつ前に進んでいるよ。
迷う日があっても、だいじょうぶ。ゆっくり進もうね。
よくある質問
准看護師でも、転職できますか?
准看護師が対象の求人も、ほかの資格が条件の求人もあります。求人票の応募資格の欄に、准看護師が対象かどうかが書かれているかを確かめて、見学や面接で詳しく聞いてください。
准看護師を辞めたいと思ったら、どうすればよいですか?
まず、辞めたい理由を書き出して、いまの職場で変えられることがあるかを確かめます。気持ちがつらいときは、休むことを先にして、窓口に話してみてください。
准看護師が働く場所は、病院だけですか?
厚生労働省の衛生行政報告例(2024年末)では、准看護師の働く場所は、病院32.7%、診療所32.8%、介護保険施設等25.4%で、病院以外が約3分の2です。働く場所ごとに、任される業務や勤務の形が違うため、求人票と見学で確かめてください。
出典・参考(公的な情報)
法令・制度は、上の出典を 2026年10月23日 に確認して書いています。改正されることがあるので、手続きの前に、最新の内容を各窓口で確かめてください。
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この内容は一般的な情報で、医療的な診断や個別の助言ではありません。つらさが続くときは、公的な窓口や、かかりつけ医・産業医に話してください。